17:発熱



触れられた所から、熱が広がるようだった。

一つ、二つ。戯れるようなキス。
そしてコナンは段々とそれを深いものへと変えていった。
焦れたようにKIDが首を振る。
「逃げるな。」
悦を含んだ声に制止され、KIDはコナンを睨んだ。
コナンはKIDの目尻にキスを落とした。
「酷い人ですね。」
「今更だろ。」
確かに今更だ。
なにもこれが初めてというわけでもないのだから。
コナンはKIDのシルクハットを取るとこめかみにキスをした。
優しく髪を掻き混ぜる。
「服、自分で脱げよ。」
KIDはため息を吐くと己の服に手を掛けた。
マントを外し、スーツを脱ぐ。
少し離れた所から見つめる、コナンの視線を感じながら、KIDはネクタイを解いた。
手袋を抜き、ワイシャツのボタンを外していく。
視線が痛い。
「さっさと脱げよ。」
「うるさいですね、我が侭探偵。こういう事にはムードが必要なのですよ。」
「ああ、なんだ。今日は焦らされたい気分なんだ?」
細められた瞳にシビレが走る。
「謹んで御辞退させて頂きます。」
「遠慮しなくていいぜ?」
「あのですね…。」
明日は体育があるので、とは言えない。
コナンは面白そうに笑っていた。
KIDは極力そちらを見ないように、素早くボタンを外した。
あまり挑発すると後が恐い。
明日が休みなら構わないのだが。
「これでよろしいですか?コナン。」
「上出来。」
コナンはトンと肩を押し、KIDをベッドの上へ倒した。
スプリングが撓む。
「んー、イイ眺め☆」
「どこのオヤジですか…。」
呆れたようにKIDは呟く。
コナンは構わず、KIDの肌に指を滑らせた。
すべらかなKIDの肌は、木目が細かく触っていて飽きなかった。
(なんたって反応付きだし?)
ツーッと動かす指に、KIDの身体が震えた。
KIDは羞恥心からか顔を背けた。
それを良いことに、コナンは不躾な視線をKIDに向けた。
KIDの身体には多くの傷が付いていた。
傷跡が増えていないか記憶と照らし合わせる。
いくつもの銃創や刺創。
いつ見ても心に悪いそれを辿りながら、見覚えのないものがないか探す。
幸い、新しい傷は無いようだった。
少し安心して、コナンは眼差しを緩めた。
「コナン?」
何も仕掛けてこないコナンに不審を抱いたのか、KIDが首を傾げコナンを見遣った。
「んー。」
「ひゃあっ。」
コナンはKIDのわき腹に顔を近づけるとぺろりと舐めた。
途端に上がる悲鳴。
コナンは口の端を持ち上げた。
「ついでにイイ反応☆」
「エロオヤジッ!!」
「クククッ。」
笑うコナンにKIDは眉を顰め、諦めた様にベッドに体を戻した。
「なにやってんでしょうね。私も、貴方も。」
「イイコト、だろ?」
当然の様に答えるコナンに目を見張り、KIDは敵わないと少し笑った。
「取り敢えずオレの事だけ考えてろ。」
「わかりましたよ、我が侭探偵。……楽しませくれるんでしょ?」
「当然。」
答えコナンは、KIDに二つキスをした。


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無理だ〜!!コKでエロって無理〜!!
恥ずかし過ぎ
ので今回は、KID様の怪我が増えてないか、妻に気付かれぬようチェックするダーリン☆を書いてみました。
ダーリンは妻が大切なんだね☆ほら、KID様、怪我隠しそうだし。
<04/06/30脱稿>