<プロローグに代えて>

昔はソレを憎んだものだけど。


赤の一族の生き残りは、青の秘石の番人の影と
青の一族の子供を掛け替えのない大切な者とした。
当たり前のように青は赤に、赤は青に惹かれる。
それはまるで磁石のS極とN極のように。
一度捕えられたら離れられない。
本当は青と赤は一つになりたがっているのだろう。
でもそれは、決して叶わぬ望みだから。
せめて共にあることでその穴を埋めようとする。
理由なんてない。
ただ一緒にいたいだけなのだ。
でももし、そのたった一つの望みが誰かを傷つけるとしたら。
いったい、僕達はどうすれば良かったんだろう。

それでも。もう一度すべてをやりなおせるのだとしても。
僕達は同じ道を進み、同じ過ちを繰り返すのだろう。
君に会うために。
当たり前の様に。

そんな愚かなある一つのお話。


――さあ、物語を始めよう。過去にあった未来へと繋がる話を。