21題目:必殺技


「ジャン、避けろ」
 サービスの声に振り返ったオレは、ハーレムの攻撃をもろに受けた……。

「だから避けろって言っただろ」
「アンタ鈍ったんじゃありません? こんな攻撃も防げないで」
 ハーレムの放った眼魔砲に吹っ飛ばされたオレは、脳震盪を起こし、医務室のベッドの上に寝かされていた。
「ジャン? 聞いてます?」
「きーてるよ。意識もあるし、もう平気だって」
 起き上がろうとするオレの身体を、手だけでサービスは押し戻した。
「それにしてもアイツもアイツだ」
「団内で眼魔砲をぶっ放すなんて止めて欲しいですよね。いま、マジック様に呼ばれてるんですって?」
「一度兄さんがキツク言わなきゃ分からないんだろ」
「40才後半にもなってねえ」
 サービスの綺麗な手が、寝ろとでも言うように、オレの瞼の上に置かれる。ひんやりとしたサービスの掌。オレは素直に瞳を閉じた。
 閉じて疲れていたんだと気付いた。抗えそうもない眠気が襲ってくる。もちろん、ハーレムの攻撃を防げなかったのは、そんな理由だけじゃないんだけど。
「さっさと寝て、起きて、そしたら食事でもしてきなさい」
「次ぎからはちゃんと抵抗しろよ」
「んー、努力するさ」
 ペンと額を弾かれた。
「しろ。おまえが出来ないはずないんだから」
 額を押さえて、目を瞑ったままオレは笑った。
 エラソーなサービスの命令ならば、抵抗しなきゃいけないのかもしれないなあと、笑って頷いた。
 安心した様に、二人が力を抜いたのが分かって、少しだけ申し訳なく思った。




−−−−−
 ハレはまだ、ジャンのことが憎いんだろうか。憎いんだったら団内で会ったら眼魔砲だよな、と言うお話。
 そして、ジャンは死なない程度に攻撃受けてそうという話。

 2、3発殴ってオワリって訳には、やっぱりいかないんだろうな。
 PAPUWAで喧嘩腰じゃなく喋れるようになってたら嬉しい。


2005.06.18 [土] 01:23