ホークス・アイ・クォーツ |
カボチャを刳り貫き目と口を開ける。 中にロウソクを立てればジャック・オ・ランタンの出来あがり。 床に座ってコタローが作るのを隣で目をキラキラさせながら見ていた小さな子供は手をパチパチと叩いた。 「すごいねーこたちゃん! かぼちゃらんたんできたね〜」 「上手に出来たね! コタローちゃん」 「グンマお兄ちゃんが教えてくれたからだよ」 小さなジャンとグンマに褒められコタローは照れ笑いした。 コタローの脇に座るアスはカボチャの目を刳り貫くのに使った彫刻刀が気になるのか手を伸ばそうとしている。それをジャンが咎めた。 「だめよーあすー。はものはもっとおおきくならなきゃさわっちゃめ」 「けがはしないしさせない」 「だめなの。まじさんとおやくそく!! おやくそくまもるってひせきとやくそくしたでしょー?」 ジャンの言葉に小さく頷きアスは手を引いた。 保護者代理グンマはコタローとジャンとアスの頭を順に撫でにっこり笑った。 「じゃあ次は仮装だね」 「かそう?」 首を傾げるジャンにコタローが説明する。 「お化けの格好してみんなからお菓子貰うんだって」 「おかしっ!! あすおかし!!」 ジャンはぴょこんと立ち上がりパタパタとアスに駆け寄ると手を引っ張り立ちあがらせる。 「おかしもらえるの!」 「……よるになってからだ。さっきシンタローとマジックがクッキーをやいていただろ」 「おばけかぼちゃ?」 「それとコウモリのかたちをしていたやつだ」 「あれもらえるのっ!?」 今度はグンマに駆け寄り目を輝かせる。 「うん。他の人も色々くれる手筈になっているから、夜になったらコタローちゃんと一緒に回ろうね」 「うんっ!! こたちゃんといっしょ!!」 グンマは興奮して抱きついてくるジャンの頭を撫で、落ちつた所で立ち上がりコタローに手を差し出した。 「コタローちゃんは吸血鬼だよ。そっちのちびっこは魔女と狼男」 「はーい。ぼくまじょー。わるいやつにまほうかけてたいじしちゃうの〜」 「……まじょがわるいやつだろ」 グンマに手を引かれ歩くコタローとジャンの後をついていきながら呟くアスのツッコミは、ジャンには聞こえなかった様だった。 「似合うかな?」 「こたちゃんかっこいーーー!!」 マントと作り物の鋭く尖った犬歯を着けたコタロー。ジャンは黒いワンピースにスパッツ、そして魔女の三角帽子とオプションに魔法ステッキ。 「まじょはほうきだ」 「ちがうの! わるいひとがきたらこれでまほうかけるの!!『まじかるまーじっく』って!」 グンマお手製の魔法ステッキは振ると先端に付いたピンク色の土星に似た球がピカピカ光った。 「……そのじゅもんはなんなんだ」 「まじかるはねー、ちきゅーをすくうまほうしょうじょなのよー?」 「まほうしょうじょ」 「ばばばってわるいひとがきたらーきらきらひかってまほーしょうじょになるの。まじかるまーじっくなの!!」 「それは、マジックのファンクラブというもののあいことばだろう」 「それでね、ひかりがばばってでてきてわるいひとをかいしん?させちゃうの!!」 途中首を傾げたのは言葉に自信がないから。アスが合っていると頷くとにっこり言い切った。 「おうたもつくったよー」 「それはあとでいい」 「いーもんっこたちゃんにうたってあげるから!」 「次はアスちゃんを変身させちゃおう。おいで」 グンマに手招きされアスは近づいて行った。 「狼男はオオカミさんのお耳が付いたフード付きのポンチョにしてみたんだ。……ちょっと長いかな?裾踏まない?」 「ああ。だいじょうぶ。ジャン、似合うか?」 「うん! おおかみさんかわいーよ!」 「かわいいよりかっこいいのほうがうえだ」 「えー? うーん。でもかわいーよ? それで、ぼくもかわいーからおそろい!!」 ジャンの笑顔とおそろいという響きにアスが顔を赤らめ会話終了ジャンの勝利。 大人達の準備が整ったので、コタローとジャンとアスと引率グンマでガンマ団内を回る。 高松の研究室で高松とキンタローからお菓子を貰い、続いて帰還していたハーレムの飛行船を襲撃。特戦部隊からお菓子を徴収しハーレムに悪戯。それからマジックとシンタローの待つ部屋に行きジャンが楽しみにしていたクッキーを貰った。 「たべていいー?」 「夕飯食ってからな」 「じゃあはやくごはんっ! しんちゃんごはん!!」 コタローとジャンとアスをパシャパシャカメラに収めるマジックに、写真を撮られるのが苦手なアスが逃げ回り一騒動。 見兼ねたキンタローがアスを抱き上げ椅子に座らせた。 「食事にしよう」 「そうだねキンちゃん、ぼくもうおなかぺっこぺこだよ〜」 「ぼくはやくくっきーたべたい!!」 「親父、早く座れよ」 「お父さん」 「うん。でもその前に1枚だけ」 パシャリとシャッターを切って食卓に着く全員を一枚の写真に収める。 それからみんなで晩ご飯を食べてデザートはパンプキンパイ。 ジャンはその後クッキーを3枚。歯を研いてお布団に入って、ロッドに貰ったチョコレートを食べているのをシンタローに見付かりもう一度歯を研き、アスの隣に潜りこんだ。 「おやすみ、あす」 「ああ、おやすみ」 目を閉じて5秒でオヤスミ。こうしてジャンとアスのハロウィンの一日は過ぎて行った。 −−−−− 10月31日の誕生石は「ホークス・アイ・クォーツ」 石言葉は「GOOD LUCK」 ハロウィンなのでハロウィン話 |