柳たんぽぽ


ある日の夕食風景。
食卓に着いたのはシンタロー、グンマ、マジック、キンタロー、ジャンの五人。
コタローがまだ眠っている頃のある日の出来事。
マジックは唐突になんの脈絡もなくにっこり口を開いた。
「そういえば、シンちゃんが総帥になってもうすぐ一年になるねえ」
「お、おう」
読めない顔で笑う父親に警戒しながらシンタローは答えた。
「色々落ち付いてきたことだし、そろそろいいかな」
「なにがだよ」
「シンちゃん、グンちゃん。パパね、結婚しようと思うんだ」
シーンと食卓に静寂が落ちた。
「だ、誰と?」
「はっはっは。シンちゃん、そんなのジャンとに決まっているじゃないか」
「……ほーーー」
答え、シンタローはジャンをちらりと見た後にひとり食事を再開した。
「って!! 反対するとか祝福するとかしろよシンタローっっ!!!」
「うあわぁ!ジャンさんおめでとう!!式はいつ挙げるの!?」
「……結婚祝になにか欲しいものはあるか?」
バンと机を叩き立ち上がったジャンは、マイペースなグンマとキンタローの言葉に脱力して椅子に戻った。
「あー、ありがとう」
力ない笑みを浮かべるジャンに追い打ち。
「お前その顔でウエディングドレスだけは絶対に着るなよ」
「誰が着るかっ!」
真面目な顔をして言うシンタローに、ジャンは力の限り叫んだ。



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5月16日の花言葉は「宣言」
結婚ネタ何回目だろう。
トロトロ続きます。