パフェ

「かいばは食べないのか?」
本当にオレ一人で食べていいのか?という響きを含んだ遊戯の言葉に海馬は「ああ」と頷いた。
と、やっと安心したのか遊戯は「そうか」と嬉しそうに目の前のそれに手を伸ばした。
いちごやメロン、チョコレートシロップにアイスクリーム、etc.etc・・・。
おまけにこれでもかってくらいの生クリーム。
海馬が見ているだけで胸焼けを起こすそれ。
超Bigなフルーツパフェ。
それを一口口に含み きゅ〜〜〜〜〜っ♪ となる。
「旨いか?」
コーヒーを飲む海馬の言葉にコクンっと頷く。
妙に子供っぽい仕種に眩暈がする。
これが自分が唯一認めた決闘者<デュエリスト>なのかと思うと、少々哀しくなるのだ。
「・・・・相棒にも・・・・・・。」
沈んだ声に慌てて顔を上げると、パズルに手を当てた遊戯の姿。
次にくる台詞が想像できてしまう自分が悲しい。
うんざりしつつも一応先を促す。
「『相棒にも・・・。』なんだ・・・・・・・?」
海馬の言葉に顔を上げて遊戯は続けた。
「相棒にも食べさせてやりたいって、思ったんだ。」
予想的中。
オマエは「アルプスの少女ハイジ」のハイジか!?
おじいさんに白いパンを食べさせる気か!?
さすが3000年前の王<ファラオ>おそるべし!!
とまで思ったかどうかは定かではないが、
海馬は、気付いた時には「ああ。」と頷いてしまっていたのだった。





・・・その後、闇&表の(今海馬とのデート中という事をすっかり忘れた)ほのぼのやり取りに、
キレた海馬が速攻で屋敷に連れ込んだ、なんて事は
やっぱり、『言うまでもない事』である。