アサヨ峰(あさよみね)・・・2/2

長衛小屋〜栗沢山〜アサヨ峰・往復

2017年8月24日(木)

長衛小屋420〜708栗沢山720〜840アサヨ峰847〜950栗沢山(昼食)1020〜1215長衛小屋〜1233北沢峠1330−1355広河原−(タクシー)−芦安駐車場

 昨夜は一人一枚の布団でゆっくり眠れるかと思ったが甘かった。両隣でゾウとライオンのようなイビキでほとんど眠れなかった。
 そして朝は2時半ごろからパッキングが始まり、ガサガサする音がうるさく寝ていられなかった。こんなに早く起きて一体どこを登ろうというんだろう!?

 3時になるのを待って起き出し、持って来たパンとコーヒーで朝食。といっても食欲は全くない。
 4時ごろ霧雨が降って来た。雨具を着るほどではないが、「まいったなぁ〜!」と空を見上げる。このまま帰るのも悔しい。

 霧雨が降っていたが、4時20分に小屋を出発。橋を渡って分岐を直進。栗沢山の直登コースを登って行く。
 小屋へ泊まった人やキャンプをしている人達の95%以上は仙水峠へ行くに違いない。ここを登るのは5%以下のへそ曲がりだろう。それだけにクマと遭遇するのが怖い。

 ホイッスルを首からぶら下げ、熊鈴をジャラジャラ鳴らしながら登って行く。時々、大きな声を張り上げる。ここはシラビソなど針葉樹林帯で昼でも薄気味悪そうだ。熊がヌーと出て来そうな気がする。

 ネットで「早川尾根は熊がいるから注意」とあったので、昨日、小屋の方に訊いてみると、「アサヨ峰までは大丈夫だろう。でも早川尾根には間違いなく棲るよ!それで早川尾根小屋は無人になったんだから・・・。」とのことだった。

 早川尾根小屋が無人になったことと、熊との関係は分からないが充分注意して行こう。ポケットにはイザという時のために爆竹が入っている。

 5時になってヘッドランプを消しても歩けるようになった。
 小屋から1時間ほど歩いて緩やかになった所で一本。雨粒が少し大きくなって来たので、雨具をザックの一番上に入れ替えた。
「今日は栗沢山だけで下山になってしまうかな?」との思いがよぎる。

 少し岩ぽくなって来た。シャクナゲやハイマツも現れて来た。気がつけば雨も止んでいた。しかし、雨露でズボンはピッショリだ。

 左手に双児山らしきピークが見える。このまま晴れてくれれば良いのだが・・・。
 森林限界を過ぎ、パーと視界が広がったが、甲斐駒も仙丈(写真左)も6合目あたりから上は雲の中。

 正面の岩場を登って行く。栗沢山にこんな岩場があるなんて知らなかった。さすがは南アルプスだ!

 岩場は風が強く、吹き飛ばされそうだった。注意しながら登って行った。

 誰もいない栗沢山へ7時8分着。こんなに時間が掛かるとは思わなかった。
 ここは、本来なら目の前に甲斐駒ケ岳がドドーンと聳え立ち、左後方に仙丈ケ岳や北岳など千両役者が見えるはずだが、今は何も見えない。

 岩陰で風を避けながら天気が回復するのを待つことにした。

 しばらくすると、若いご夫婦が登って来た。彼らを脅かさないように立ち上がって挨拶を交わす。

 10分もすると待望のアサヨ峰が霧の中からシルエットになって浮かび上がって来た。
「オー!! バンザーイ」と一人で歓声を上げた。若夫婦は甲斐駒を気にしているようで、これから甲斐駒へ行くのだろう。アサヨ峰には興味がないようだ。

 私はアサヨ峰に向かって下り出した。絶対に天気が回復することを信じて・・・!

 大きな岩がゴロゴロした所を10分も下ると、ガスがサーと切れ、目指すアサヨ峰が見えた。左手には甲斐駒の黒戸尾根が見えた。


(ついにアサヨ峰が見えて来た!)

(黒戸尾根だと思う?)

 途中で朝食の残りのパンを食べた。もうシャリバテだ。

 ピークが連なって見えた。右奥のピークが山頂だろうか?
 嫌らしい岩場があった。クサリが無くフリーで登って行くが、下りが心配だ!


(右奥が山頂か?)

(ここは左へ巻く)

(ここはフリーで登る)

 この嫌らしい岩場を登ってひと息入れている時、単独のオジさんが追いついて来た。そして、アッと言う間に遠ざかって行った。

 4、5分もすると、ボンヤリと山頂の標識が見えて来た。



(先を行くオジさん)

(山頂の標識が見えて来た)

 そして、ついにアサヨ峰へ8時40分到着。先ほどのオジさんが一人休んでいた。

 展望は全くなし。これだけ見えないと諦めがつく。

 帰りはもう写真を撮ることもなく、ただ下ることに専念する。といってもアップダウンはあるのだが!

 栗沢山の直下まで来ると、山頂に数人の登山者がいた。空も青空が広がって来た。


(栗沢山の山頂は賑わっていた?)

(アサヨ峰もバッチリ)

(甲斐駒も摩利支天が見えるように!)

(仙丈岳もあとちょい!)

(北岳もあとちょい!)

(晴れた日の北岳、駒津峰から)

 栗沢山で長衛小屋で作ってもらったオニギリで昼食。ちょうど座った位置から、甲斐駒の左奥に鋸岳が見え懐かしかった。

 下りで、今日も右足が吊ってしまい、しばらくわめいていた。やっと痛みが消え歩き出す。
 右足をかばっていたせいか、今度は左足を痛めてしまい、泣き泣き長衛小屋へ辿り着いた。本来、下りは得意だったのにこのザマはなんだ! 「やっぱり歳には勝てないのかなぁ〜!」

追伸
 栗沢山の山頂にいた若者達が、「宇多田ヒカルのサントリー天然水CM場所がここで、あの岩に寝そべっていた!」とはしゃいでいた。
 家に帰って調べてみると、たしかに「サントリー天然水『水の山行って来た。南アルプス編』」で、この栗沢山へ登っているようだ。