相模原630−(R16)−飯能−(R299)−横瀬(生川)−900表参道登山口910〜1116武甲山1155〜1305登山口 |
6時30分、いつも会社へ行く時間に家を出る。
近くのコンビニで弁当を買い、R16号で飯能をめざして行く。今日は家を出た時間が遅いので飯能まで1時間以上もかかってしまった。
飯能からはR299で秩父へ向かって行く。今日は登り2時間ほどの山なので急ぐ必要はない。途中のコンビニで休憩しながら缶コーヒ
ーを飲む。
道路に生川(うぶがわ)、武甲山登山口の標識が出た所で左折すると、正面に武甲山が見えた。急いで車を止めて写真を撮った
(TOPの写真)。
石灰採掘場があるホコリぽい舗装された道をザックを背負った登山者が歩いていた。声をかけて乗せてやりたいと思ったが
、歩くのもトレーニングかも知れない。声を掛けるべきかどうか迷ったが、そのまま声を掛けずに進んで行った。
途中からダートになり、これが本当に妻坂峠へ行く道だろうかと不安になった。しかし、すぐに車が2、3台止めてあり、その奥に妻坂峠との分岐の標識があった。この分岐を右に曲がると車が7、8台止めてあった。ここが登山口の駐車場らしい。9時ジャス ト着。
車を止めて放尿していると、目の前4、5メートルの所に石の鳥居があった。これはイカンと思ったが途中でやめる訳にもいかない。車で潜って来たのに鳥居があったことに気づかなかった。
空は一片の雲もない、紺碧の空が広がっていた。今日は風もなく最高の登山日和である。セーターを車の中へ置いて、9時10分に出 発。
登り出すとすぐに武甲茶屋があった。店は閉まっていたが、こんな山奥で商売になるのだろうかと思った。(冬は閉鎖しているがここはマス釣り場らしい)。そして、そこに「3丁目」と刻まれた石柱が立っていた。
さらに左手に沢を見ながら10分も歩くと開けた所へ出た。そこに登山届のポストがあり、奥に民家があった。こんな山奥に民家があることに驚く。それにしてもこんな山奥で生活するのは大変だろうと思った。
登山届けを出し、さらに沢沿いの舗装された林道を登って行く。せっかく山へ来て舗装された道を歩くのはつまらない。
15丁目の石柱の所で林道と分かれて登山道へ入って行く。杉林の中の急登を登って行くと、すぐに水場があった。せっかくな ので一口飲んで行く。
ここからも急登が続く。後ろから二人連れが登って来た。すると、知らず知らずに自分のペースが速くなっていることに気づく 。今日は時間がたっぷりあるので急ぐことはない。ペースを落とし二人連れを見送った。
ここは太い杉が鬱蒼としているのでコケが多い。26丁目を過ぎたところで、コケのない倒木を探して腰を下ろして一服。
32丁目まで行くと、広く平らになった絶好の休憩場所があった。どうせならここで休めばよかったと思った。
さらに登って行くと、「大杉の広場」と書かれた所へ出た。10時27分着。そこには直径が2メートル以上もありそうな太い杉があった(写真左)。こんな太い杉を見たのは屋久島以来だ。
43丁目を過ぎると「左は階段」「右は一般」と書かれた分岐があった。初めて来た者にはどちらがいいのか分からない。階段コースは最短距離だろうが、一般コースの方が無難だろうと思い、右側の一般コースを登って行った。
11時を過ぎ、49丁目の手前でやっと杉林から抜けて明るい落葉樹林帯へ出た。しかし、道は杉林と落葉樹林帯の間を進んで行く。
すぐに50丁目。そして右手に真新しい建物が見えた。それはトイレだった。その奥に歴史がありそうな神社があった(写真右)。11時11分着。
神社でお参りを済ませたが、どうもここが頂上だとは思えない。右へ回り込んでみると奥に登山道が続いていた。下って来る人がいたので間違いなさそうだ。そのまま登って行くとすぐに第2展望台という標識があった。しかし展望台はフェンスで囲まれていて登れない。何だこれ は! 展望台でありながら展望台へ登れないなんてあるか!
そこからフェンスに囲まれた頂部を半周するように進んで行くと、広く平らな一角があった。そこが仮の山頂だった(写真左)。そこも半分はフェンスに覆われ、下は削り取られていた。11時16分着。
山頂には先客が7、8人いた。中にはシートを敷いて昼寝している中年の夫婦もいた(写真の右奥に二人寝ている)。
フェンス越しに浅間山が真っ白に見えた。その右奥には谷川連峰、さらに日光白根山や皇海(すかい)山なども見えた。しかし、反対側( 西側)にあるはずの富士山は白い雲に覆われて見えない。
ここは石灰採掘で山の半分が削り取られ、残った山頂の半分をフェンスで囲って立ち入り禁止にしている。こんな山は初めてだ。たとえ地場産業(秩父セメント)のためとは言え、日本200名山に数えられる山を削り取っていいのだろうか。
ここで昼食を済ませコーヒーを飲んでから、カメラだけを持ってフェンスを乗り越えて、本当の山頂へ行った。(写真右が本当の山頂。左側の木の下にフェンスがあり、そこから下は削られている)。
足元から半分削り取られた山頂は痛々しかった。何とかこの山を守る方法はないのだろうか。今のところ山岳会などの反対運動も無いと聞く。いずれは消えて無くなる運命なのだろうか。
11時55分。何か割り切れないような後味悪い山頂を後にした。
神社の周りは霜柱が解けてグジャグジャだった。一般コースも同じようにぬかるんでいると思い、階段コースを下ることにした。
階段は想像を超えるほどの急勾配だった。木と板で土留めをした土の階段を転げるようにして下ったが、こんな所を登りにとらなくて良かったと思った。一般コースとの分岐へ12時10分着。
「大杉の広場」で、両手を広げて大杉の円周を測ったら3回半あった。
こんな時間でも登って来る人が大勢いた。ここは日本200名山であり、しかも2時間ほどで登れるので人気があるのだろう。
駐車場へ13時5分着。こんな早い時間に下ってしまってもったいない気もしたが、散策に来たと思えばいい。
帰りにもう一度武甲山の写真を撮ろうと思い、横瀬駅まで行った。しかし、逆光とモヤでクッキリとは見えなかった。
そのボンヤリした武甲山を眺めながら、この山はクッキリと見えると痛々しいから、シルエットの方がいいのかも知れない、と思っ
た。