御前山 (ごぜんやま)

(1,405m、東京都)


大岳山から見た御前山(4月)


2007年2月3日(土)
奥多摩駅〜境橋バス停〜栃寄〜御前山〜惣岳山〜奥多摩湖

奥多摩駅−バス−758境橋バス停〜822栃寄〜920栃寄ノ大滝〜1011ログハウス(昼食)1032〜1130御前山避難小屋1135〜1146御前山1215〜 1232惣岳山〜(大ブナ尾根)〜1413登山口〜1418奥多摩湖

 前回、大室山へ行った帰りに「次は袖平山へ登ろう」と思ったが、林道が凍結して登山口まで入れないかも知れない、と思い、以前から一度は登ってみたいと思っていた奥多摩の御前山へ行くことにした。

 朝5時20分に家を出発。JR八王子経由で立川へ出た。立川始発の奥多摩行きの電車はガラガラだった。

 奥多摩駅からは、待ち時間なしで奥多摩湖行きのバスに乗れた。
 境橋バス停で下車する。降りたのは私一人だけだった。バス停は境橋の真ん中にあり、渓谷から吹き上げて来る寒風に震え上がった。

 奥多摩駅方面へ少し戻り、トンネルの入口で「体験の森」方面へ右折して舗装された林道を登って行く。

 心配した雪は全くない。ここは北斜面なので日差しはないが、風もないので助かる。

 イワナの養殖場を過ぎ、道が大きく右カーブする所から左手の登山道へ入って行く。

 細い沢を丸太橋で渡って右岸、左岸と繰り返していると、右手に滝が現れた。大きな二つの岩の間から流れる滝に、ふと、想像力が膨らむ!? それに、どこかで見たような気もする・・・?

 そうだ! 茅ケ岳にあった女岩だ。大きなオッパイのような岩の間から水が流れていた。ここは垂れ下がったオッパイのようにも見えるが、お尻のようにも見える。

 そこから2、3分も歩くと、廃墟となった小屋と、ワサビ田があった。

 ある人のホームページに、2月にここを登った時は膝までの積雪でラッセルをしたと書いてあったが、今は、雪の残骸が岩陰にチラホラとあるだけだった。やはり今年は雪が少ないようだ。

 少し急になった斜面を登って行くと、左手から水音が聞こえて来た。そこに栃寄ノ大滝があった。(写真はピンボケだったので載せられませんでした)

 そこから林道へ出ると、道脇には残雪があった。やはり高度が高くなったせいだろう。林道を登って行くと、すぐに「都民の森」で、東屋があった。
 立派な東屋で、しかも日が差していたので、日向ぼっこをしながら一服することにした。

 ここから登山道は完全に雪に覆われていた。15分も歩くと再び林道と合流したが、すぐに標識が現れ、右の登山道へ入って行く。

 この辺は「都民の森」ということで人手が入り過ぎ、むしろ自然を失ってしまった感があった。少々物足りなさを感じているうちに、 ヒョッコリと小屋が現れた。ログハウスである。近くにあるトイレもログである。え! もう避難小屋? あっけなく避難小屋へ着いてしまった(10時11分着)。

 小屋の周りを一周してみたが、どこにも「避難小屋」の表示はなかったが、これが避難小屋だろうと思った。せっかくなので中を覗いてみようと思ったが、施錠されていて開かない。実は来週の3連休にこの小屋へ一泊しようかという思いもあったが、日帰りで来て良かったと思った。もし泊まるつもりで来たら大変なことになっていた。これでは避難小屋の役目が果たせないではないか、と思った。

 ここから山頂まではどうせ10分か15分だろう。山頂は寒いだろうからここで早お昼にしょう。テラスに腰を下ろして弁当を広げる。

 食事を済ませて歩き出した時、ログハウスの屋根にソーラーが見えた。避難小屋にソーラーがあるはずがない。やはりこれは避難小屋ではないようだ。

 気を取り直して歩いて行く。尾根へ出ると、左手に立派な東屋が見えた。東京都はかなり財政が豊かなようだ!

「湧水の広場」という所まで来ると、大岳山(右の写真の中央の山)がバッチリと見えた。何年か前に下った馬頭刈(まずかり)尾根も見えた。しかし、ここから見る大岳山は、あの独特の山容ではなく、普通の山でしかなかった。

 斜面が急になると、ぺースがグ−ンと落ちた。やはり昼めしを食ってしまうと力が入らない。やっと山頂かと思って登って行くと手前でトラバースして行く。10分か15分で着くと思った山頂は30分以上歩いても着かない。

 凍った雪が光って眩しい。バリバリに凍てついた所を慎重に登って行くと、雪が全くない一角へ出た。そこに避難小屋が建っていた。やっぱり騙された。下にあったあのログハウスは一体何だったのだろうか。

 小屋の入り口には、大きな文字で「御前山避難小屋」と書いてあった。やはり避難小屋はこうでなくてはいけない。
 それにしても立派な小屋だ。こんな小屋なら泊まってみたいと思った。ただ、ここは避難小屋には不似合いなほど大きな窓ガラスがあるので、この季節は寒いかもしれない。

 ここからはロープで仕切られた遊歩道を登って行く。人っ子一人いない山頂と思いきや、先客が2人いた。広い山頂にはベンチが沢山あったので、その一つに荷物を降ろす。

 今日はまさに冬晴れで、紺碧の空が広がっていた。大岳山や鋸岳がバッチリと見えた。道志や奥秩父の山も見えたが、富士山は樹木に隠れ、わずかに見えるだけだった。


御前山の山頂

道志・奥秩父方面

大岳山・鋸岳

 私がテルモスのお湯でコーヒーを飲んでいる間に、単独行ばかり3人が登って来た。やはりここは「奥多摩三山」といわれるだけあって人気があるようだ。

 軽アイゼンを着け、12時25分、惣岳(そうがく)山をめざして下山する。
 1、2分も下ると左手に富士山が見えた。

 境との分岐付近からは日当たりが良く、雪は全くなくなった。しかしアイゼンを外すのが面倒なので、そのままボッテリした惣岳山を登って行くと、すぐに標識が立った山頂へ着いた。そのまま下って行く。ここからは、もう登り返しはないので、ただひたすら奥多摩湖をめざして下ればいい。

 すぐに北斜面へ出た。雪がたっぷり着いた急斜面である。アイゼンがなければ下れないような急斜面を慎重に下って行くと、途中で高校生らしい5、6人のパーティーに会った。こういう若い人達に会うとなぜか嬉しい。

 奥多摩湖が大分近くなり、雪も霜柱もなくなった所でアイゼンを外して一服した。

 ここからも急斜面の下りが続く。私はこんな所は絶対に登りたくないと思った。奥多摩湖から一気にそそり立った山だから当然といえば当然なのだが・・・。

 トイレがある登山口へ14時13分着。小河内ダムを渡っていると、バスが来るのが見えた。急いで走ったが間に合わず、わずか1、2分の差で40分以上も待つハメになってしまった。振り向けば今下って来たばかりの御前山の山頂が見えた。


奥多摩湖から見た御前山