(群馬県)
駐車場612〜624四ツ又山案内板〜628大久保登山口〜643マメガタ峠分岐〜715天狗峠725〜758マメガタ分岐〜802四ツ又山(P1)815〜817マメガタ分岐〜824(P2)〜830(P3)〜840(P4)〜920マメガタ峠940〜1045鹿岳コル〜1057一ノ岳(昼食)1115〜1126コル〜1147二ノ岳1220〜1233コル〜1323鹿岳登山口〜1328駐車場 |
ついに鹿岳へ登る日がやって来た。最近は西上州へ行くことが多く、下仁田からラクダのコブのような二つの岩峰を見るたびに胸をときめかせていた。そして鹿岳を登る時は、鹿岳の全貌が見える四ツ又山から登ろうと思っていた。
鹿岳は、『昔、岩峰の上から鹿を追い落として狩猟をしたので鹿(か)ノ岳(たけ)と呼んだという』(山渓の登山情報サイト)。
山麓の人々からは”かなたけさん”と親しみをこめて呼ばれているそうだ。地元の人々にとって恵をもたらしてくれる山だったのだろう。
昨日は鼻曲山で紅葉を存分に楽しみ、下仁田温泉・清流荘でくつろいだ。
今朝はその清流荘を5時半に出発。コンビニを探すためウロウロしてしまったが、何とか弁当を買うことが出来た。
R45から赤色の小沢橋を渡って大久保登山口をめざして行った。
道が分岐した所に、登山口の大きな案内板があった。右が四ツ又山の登山口であるが、そのまま直進して行く。 南牧村のHPには、橋を渡った所の路肩に4台ほど路駐可と書いてあったが、さらに進んで行くと左手に広いスペースがあった。道路の反対側には四ツ又山と鹿岳の絵があったのでここへ止めさせてもらった。(ここがハーブ園だったようだ) |
6時12分、駐車場を出発。四ツ又山の登山口へ向かって下って来ると、正面に三角錐の山が見えた。きっと「西上州のマッターホルン」(下仁田町のHP)といわれる小沢岳だろうと思った。
大久保登山口まで行くと、横浜ナンバーの車が1台あり、ちょうど出掛ける所だった。この方は群馬百名山をやっており、今日は四ツ又山のみ往復して午後は△△山を登るという。70歳はゆうに超えた方だが道の駅で車中泊をしながら登っているという。 |
最初は沢沿いに進み、針葉樹林になるとすぐにマメガタ峠との分岐があった。この辺は一人で歩くのは薄気味悪いが、前方に横浜の方が見え隠れするので心強い。
針葉樹を抜けて落葉樹になると右へトラバース。わずかにジグを切って登り詰めた所に標識があり、横浜の方が休んでいた。ここが天狗峠のようだ。ここで厚手のシャツを脱いで一服。
先客より遅れて出発。
歩き出して20mほどの所に「大天狗」の石像と石碑があった。
岩交じりの急登を登って行く。この辺は全く紅葉はしていない。
20分ほどで右からの支尾根と合流して左へ曲がって登って行く。
小さなピークを登ると、左手の樹木の間から鹿岳が見えた。「お〜、カナタケさんだ!」と一人で叫ぶ。そそり立った岩峰が豪快だ。 登りの途中に分岐があった。四ツ又山の最高峰(P1)はここから往復することになる。何はともあれP1へ向かって登って行った。 4分ほどで山頂へ着いた。ここには三角点や標識、大きな石像(写真右)もあった。 |
横浜の方は私が着くのを待っていたようで、到着早々、東側を指さして「あの山は何んですかねぇ・・?」と聞いてきた。しかし私にも分からなかった。稲含山か御荷鉾山だろうか? 石像にあったお賽銭箱に100円玉を入れて山の安全を祈願した。 |
ここから見る鹿岳が恰好いい。あのテッペンへ立てるかと思うと嬉しくなった。
分岐まで戻り、左手のロープが張られた所を下って行く。小さなピークを越えた次のピークがP2だった。ここにも石像があった。カラス天狗のようなものが2像あり、さらに奥に聖徳太子のような大きな像があった。 | |
P2からP3までは5、6分だった。山頂直下からロープで登るとP3で、ここにも石像と祠があった。石像は怖そうな顔をしていたが、この山がいかに信仰の山だったかが伺える。 | |
P3から反対側へロープで下る。やっとドウダンの紅葉が良くなって来た。 P4には「四ツ又山」の標識と祠があった。P2、P3には標識が無かったが、どうしてP4にあるのだろうと思った。後になって思ったことだが、ここから鹿岳まで幾つかの小さなピークがある。そのため鹿岳から登って来るとどこがP4か分からないので標識を立てたのだろうと思った。 |
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これで四ツ又山は全部登ったことになる。これから目指す鹿岳はもう目の前だ。 ここからマメガタ峠へ下る道にはロープが張られていた。岩場もあったが、とにかく急斜面で足場が悪い。足を出すたびにズルッと滑りそうだ。私はここはルンルンで下れると思っていたがとんでもない。ロープに掴まり、ストックでバランスを取りながら下って行く。ロープが無い所では苦戦した。 |
それでもP4から40分でマメガタ峠へ着いた。ここはいかにも峠らしい所だった。
私が一服していると、同年代のご夫婦がP4から降りて来た。そして、私に、「ここはピークが多くてどこが山頂だったのか分からない」という。本当に困ったものだ。
このご夫婦を先に見送ってから出発。いよいよ鹿岳の登りである。四ツ又山から下った以上に登り返すことになる。
杉林の急登を7、8分ほど登ると落葉樹になり、モミジも少し色が付いて来た。
幾つかのピークを越えて行くと痩せた稜線へ出た。ドウダンが多くなって来たが、茶褐色になっていた。「これじゃあ〜紅葉ではないなぁ・・!」とぼやいていると、目が覚めるような真っ赤なモミジがあった。 | |
気をよくして写真を撮りながら登って行くと、突然、一ノ岳の絶壁の基部へ出た。 「これ、どうやって登るのだろう!」と岩壁を見上げる。 |
良く見ると右手の樹木にリボンとロープが見えた。岩壁の基部を右から巻いて行く。ロープを伝って攀じ登り、岩壁に沿って緩やかに登って行く。
紅葉の写真を撮りながら登って行くと標識があった。標識には「←一ノ岳 二ノ岳→」とあった。
まずは左手の一ノ岳へ行こう。分岐から10mほど行くと、丸太のハシゴがあり、マメガタ峠で一緒になったご夫婦が降っている所だった。 ご夫婦がハシゴを降りるのを待って、ストックをデポして登って行った。ここは特に危険な所もなく、難なく登頂。 テッペンには「鹿岳山頂」の標識と、摩利支天の石碑(写真右)があった。 |
ここからは登って来たばかりの四ツ又山がバッチリ見えた。そして反対側にはこれから登る鹿岳の最高峰である二ノ岳が見える。
その二ノ岳を見ながら、左手の尖がった岩峰へ登りたいと思った。
展望を楽しんでからここで昼食にした。
(登って来たばかりの四ツ又山) |
(一ノ岳から見た二ノ岳、右が山頂) |
下りは木と岩に掴まりながら慎重に下って行った。約10分で分岐へ着いた。ここから見る高原(鹿岳登山口)への下りが恐ろしいほどだ。
ストックを回収して今度は二ノ岳へ向かって行く。しばらくは普通のヤセ尾根を登って行く。
二ノ岳も絶壁を右から巻いて行く。ハシゴを登り、クサリで左へトラバースすると絶壁の上へ出た。といっても灌木があって絶壁は見下ろせない。
(ハシゴを登って・・・) |
(この岩を左に巻いて行く) |
(鹿岳山頂:ニノ岳) |
(山頂の南方にある岩峰) |
(岩峰から見た一ノ岳、四ツ又山) |
再び山頂へ戻り、缶コーヒーでコーヒータイム。陽気も良く、まさに至福のひと時だった。
今日は全てのピークを登って大満足だ。あとは注意して下ろう。
12時20分下山。
下り出してすぐに、正面の一ノ岳を登っている人が見えた。
分岐からの下りが嫌らしい。真っ逆さまに見える岩場をロープとクサリで下る。岩場は10mほどで終わったが、そこからはザレと落ち葉で滑りそうな急坂だ。 しかし、それも10分ほどで終わり、ジグが切ってある杉林の下りになった。ここは四ツ又山からマメガタ峠へ下る道に比べればはるかに楽だと思った。 |
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やがて左手に小さな流れを見るようになり、その流れに沿って下って行く。 渡渉点を一跨ぎで左岸へ出ると、すぐに民家の屋根が見えて来た。鹿岳登山口へ13時23分着。 |
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