(1,213m、神奈川・静岡)
〔日帰り:メンバー6名〕 町田−(小田急)−箱根湯本930−(バス)−仙石〜1020公時(きんとき)神社1027〜1200金時山1255〜矢倉沢峠〜1400車道−仙石バス停 |
今年最後の山は、「忘年山行」として金時山へ行くことにした。金時山は日本百名山でも二百名山でもないが、一度は登って見たいと思っていた。(実は日本三百名山であることを後日知った)。それに金時山なら「手軽に登れ、しかも帰りに露天風呂へ入って一杯やれる」という条件が忘年山行にはぴったりだった。
1週間前になって降雪があり、我が家から見える丹沢も薄っすらと白くなった。念のためアイゼンを持って行くことにした。
今朝は完璧な冬晴れで、吸い込まれそうな蒼い空が広がっていた。まさにピーカンである。
小田急線で箱根湯本へ向かっていると、車窓から金時山が見えた。釣鐘をポンと置いたような山容は、決して登高意欲が湧いて来るとは言えないが、知名度や人気があるのはやはり展望が良いからに違いない。
湯本駅で「金時山ハイキングパス」(1,300円)を買って、9時30分発の「湖尻・桃源台行き」の始発バスに乗り込んだ。さすがにこの季節はハイカーも少ない。
バスは箱根のお山を登って行く。心配した雪もないようだ。
仙石バス停で降りる。バスは左折して行くが、我々はそのまま真っ直ぐ進んで行く。すぐに右手に「金時山登山口」の案内板があったが、そこは矢倉沢峠へ行く道なので見送って進んで行く。
15分もすると、金時山登山口のバス停があり、石造りの「公時神社」の標識があった。バスでここまで来ると楽なのだが、この路線は極端に本数が少ない。10時20分着。売店の屋根越しに金時山がクッキリと見えた。 | |
ここで準備を整えて10時27分に出発。歩き出すとすぐに駐車場やトイレがあった。
大きな鳥居を潜ると公時神社があった。御祭神は足柄山の金太郎で知られる坂田公時(きんとき)である。 |
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境内には大きなマサカリが奉ってあった。坂田公時の幼名を「金太郎」といい、怪力の持ち主でクマと相撲をとったというが、なぜマサカリを担いでいるのだろうか。まさかマサカリでクマを退治をした訳ではないだろうから、木こりでもしていたのだろうか。
社殿の右側からヒノキ林の中を登って行く。風はほとんどないが、ヒノキの細かい枯葉がキラキラと輝きながら散って来る。私はまだ見たことはないがダイヤモンドダストのようで神秘的だと思った。しかしその枯葉が、襟首から入って来るのでいただけない。 |
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しばらくすると、しっとりと汗ばんで来た。セーターを脱いだ。
やがて、正面にパックリと2つに割れた大きな岩が現れた。「宿り石」と言うらしいが、一瞬、桃から生まれた桃太郎が思い浮かんで来た。ここはどうも童話の世界にいるようだ。 この辺から下って来る人とすれ違うになった。この季節でも登っている人は多いようだ。 |
ここから右へ回り込んで急登を登って行くと、左手眼下に仙石原や芦ノ湖が見えた。山頂からは富士山がバッチリ見えるに違いない。
途中から右手に矢倉沢峠方面の稜線が見えた。笹に覆われたなだらかな稜線に登山道が走っていた。あんな明るくのどかな稜線を歩いてみたいと思った。帰りは乙女峠へ下る予定だったが、皆んなに聞いてみると「あの稜線を下ろう」ということで一致した。 |
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矢倉峠からの分岐を過ぎ、ぬかるんだ急登を登ると、わずかに残雪が現れた。日陰の部分が10mほど凍っていた。そこを過ぎると小屋の屋根が見えた。「金太郎茶屋」である。 その金太郎茶屋の玄関前に立つと、正面に富士山がドドーンと聳え立っていた。この時、金時山が人気がある理由が分かったような気がした。山頂12時ジャスト着。 |
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金太郎茶屋の奥に、「金時娘」で名高い「金時娘茶屋」がある。その庭先にあったテーブルで弁当を広げる。
(写真左、金時娘茶屋の庭先で、マサカリを担いで金太郎になった気分) 茶屋の中ではストーブが燃えていた。そして登頂記録の木札があった。最高は2400回、次が2200回で、1000回や500回というのは数え切れないほどあった。200回という人が一番端にあった。 |
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(金時娘茶屋から見た金太郎茶屋)
ここは風が強過ぎて、余りのんびりもしていられなかった。早々に下ることにする。12時55分下山。 |
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分岐点から左手の矢倉沢峠を目指して下って行く。明るく開けたクマザサの稜線が美しく広がっていた。
(矢倉沢峠、明神ケ岳方面) ササはクマザサかと思ったが、ハコネダケだという。クマザサよりも背丈が高く葉も細長い。そのハコネダケが風に揺れている中を下って行くと、矢倉沢峠に着いた。 |
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峠には「うぐいす茶屋」という小屋が建っていたが、店は閉められていた。それにしてもいい名前の茶屋だ。
(小屋の前から金時山を振り返る:左奥) 別荘が並ぶ車道へ14時00分着。舗装された道を仙石バス停を目指して下って行った。 帰りは日帰り温泉に浸かって一杯やるはずだったが、この季節は風呂に入ると湯冷めしそうなので、急遽変更して町田で下車して忘年会と相成った。 |
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