雲取山(くもとりやま)    16座目

(2,017m、東京・埼玉・山梨)


三頭山から見た雲取山

【登頂歴】
B 2001年.11月 鴨沢〜奥多摩小屋(泊)〜雲取山〜奥多摩小屋〜七ツ石山〜鴨沢
A1979年. 2月 鴨沢〜山頂〜三条の湯を下ったが、どの小屋へ泊まったか覚えていない。
@1977年. 8月 どのコースを登ったのか記憶にない。

B鴨沢〜雲取山〜七ツ石山〜鴨沢

2001年11月17日(土)

奥多摩駅−鴨沢〜奥多摩小屋(泊)〜雲取山〜奥多摩小屋〜七ツ石山〜鴨沢〜奥多摩駅

 私が、山仲間に「雲取の自炊小屋へ泊まって一杯やりませんか」と提案すると、NさんとSさんが賛同してくれ、急遽、「紅葉を愛でながら一杯やる会」が成立した。

 Nさんは雲取山や高尾山をホームグラウンドにしているので、コース計画は全てNさんにおまかせして、私とSさんは寝袋と酒と食料を担いで行くことになった。

 朝5時半に家を出発。待ち合わせ場所の立川駅へ6時46分に到着。Nさんはすでにホームで待っていてくれたが、Sさんがなかなか来ない。
 ホームはザックを背負ったハイカーで溢れていた。
 結局、一時間遅れで奥多摩行きの電車に乗った。

 奥多摩湖周辺は紅葉の真っ盛りだった(写真左)。湖畔に映す黄色や真っ赤な紅葉が鮮やかだった。奥多摩がこんなに紅葉がすばらしいとは知らなかった。バスの一番前に座った私は車窓から何枚も写真を撮った。

 登山口である鴨沢へ10時を少し回った頃着いた。今日は天気もよく、最高の登山日和である。

 Nさんは、「今夜は焼き鳥パーティーをやる」と張り切り、私より6、7キロも重そうなザックを担いでスタスタと登って行く。さすがに毎週のように高尾山へ登っている人は違うと思った。私は付いて行けない。少しペースを落としてもらったが、それでもシンドイ。時々、立ち止まってはパクパク息をしながら紅葉を眺める。ここは対岸の尾根全体が色づき、なかなか見ごたえがあった。

 堂所までは紅葉が真っ盛りだった。堂所を少し登ったモミジの下で昼食。今日は雲取山の手前にある奥多摩小屋までなので気分的に楽だった。

 ここから先は紅葉も終わり、すっかり葉を落とした木々が寒々しかった。すっかり冬支度をした山だった。実は積雪があると聞いて軽アイゼンを持って来たが、雪は全くなかった。

 七ツ石分岐で一服。1400発。
 雲取奥多摩小屋へ15時28分着
 小屋は素泊まりなので空いていた。ストーブがあるガランとした部屋に7,8人しかいなかった。寝室は奥の方にあるらしい。
 16時を過ぎるのを待って外で夕日を見ながら缶ビールで乾杯した(写真左)。しかし、寒くてたまらない。小屋の庭先にあった温度計はゼロ度を差していた。夕日が沈んだ後も余韻に浸っていたそうな2人を急かせて小屋へ入った。

 そして、Nさんが一人で担いで来た焼き鳥で、豪華に焼き鳥パーティーとなった。私は山へ来て焼き鳥などを食うのは初めてである。Nさんは毎週のように高尾山で焼き鳥で一杯やっているという。

 自分で持って来たビールを全部飲み干して、その後はNさんが持って来たソバ焼酎のお湯割りをたらふくご馳走になった。


11月18日(日)

 朝、5時10分ごろ小屋を出発。ご来光を雲取のテッペンで見ようと、アタックザックだけで出かける。
 外はまだ真っ暗である。私のヘッドランプの電池がなくなってしまい、NさんとSさんの間に入ってなんとか歩いて行く。ここは枝道が多く、暗いのでどれが本当の道か分からない。

 小雲取山近くなって、やっと明かりがなくても歩けるようになった。
 雲取山頂へ6時13分着。日の出2分前だった。山頂には20人位がご来光を待っていたが、東の空は雲が多くご来光を見ることは出来なかった。

 山頂からの下りに、近くにあったログハウス風の避難小屋を覗いて見ると、土間にまでビニールシートを広げて寝ている人がいたのには驚いた。ここは山頂直下にあり、しかも無料なので人気があるのだろう。
 小屋の前にあったバケツの水は10センチほどの厚さに凍っていた。

 奥多摩小屋へ戻って荷造りを済ませ、靴を履いている時、小屋の主人から、
「あんた達が昨日寝た部屋は、皇太子さまが寝た部屋だ!」と教えられてビックリした。
「本当は一番奥の部屋に寝てもらうつもりだったが、かなり酔っていたんで夜中に起きて人を踏んづけちゃあ困ると思ってなあ、特別室へ寝てもらったんだあ・・」
 と言った。

 我々は、皇太子様が泊まった部屋へ泊めてもらったとは何とラッキーなことだろうか。それも私がベロンベロンに酔っ払ったせいだという。いずれにしろ酔っ払いを隔離した部屋が「皇太子様がお泊りになった部屋」だったらしい。

 小屋6時ジャストに出発。七ツ石山へ向かった。
 七ツ石の山頂からは、雲取山の全景が見えた(写真左)。やっと雲取山の全景写真が撮れて嬉しかった。

 実は今回の山旅で、20数年前に泊まった小屋がどこだったのかを知りたいと思っていたが、七ツ石小屋もイメージが違っていた。ただこの小屋も近年建て替えられたらしいので、この小屋だったかも知れないと思った。

 帰りは奥多摩駅近くの「もえぎの湯」に浸かって汗を流し、一杯やってから帰って来た。
                (平成13年)