(1,627m、宮城・岩手、秋田) 117座
東京604−(新幹線)−834くりこま高原−(バス)−いわかがみ平1045〜(中央コース)〜1225栗駒山〜(須川コース)〜浄土平〜賽ノせき〜1540須川高原温泉(泊) |
ついに栗駒山へ行く時がやって来た。
栗駒山は宮城、岩手、秋田の県境にあり、高山植物と紅葉で名高い。私は3,4年も前から、「栗駒の紅葉を見てみたい」と思いながらも、つい日本百名山を優先してしまい、
今まで行きそびれていた。
しかし、今年の3月に栗駒山の見事な紅葉の写真を見て、今年こそ何が何でも 行こうと思った。そして、4月に須川高原温泉へ予約の電話を入れた。
それから6ケ月。ついにその時がやって来た。今回の同行者は、先月100名山完登の時にも同行してくれたMさんご夫妻である。
朝6時4分東京発の「やまびこ41号」に乗り込んだ。東京を発った時は黒い雲に覆われていたが、白河を過ぎると期待通り青空が広がって来た。
くりこま高原駅へ8時34分着。駅は紅葉シーズンなのでザックを担いだ人達で溢れているかと思ったが、降りた人は少なく調子抜け。「いわかがみ平」行きのバスに乗ったのも30人ぐらいだろうか。
途中、栗駒駅で大きなザックを背負った若い女性ばかりのグループ6、7人が乗って来た。見るからに女子高のワンゲル部のようだった。
空は完璧に晴れ渡り、心も弾む。
駒の湯温泉を廻り、「いこいの村」近くまで来ると、ピンク色に染まった栗駒山がクッキリと見えた。まるで桜かツツジの花が咲いているようだった。なぜ紅葉がピンク色に見えるのか不思議だったが、紅葉していることだけは間違いない。久しぶりに胸がときめいた。
しかし、そこから5、6分の所にある「いわかがみ平」へ到着すると、雨がポツポツと落ちて来た。空には青空が広がっているのに信じられない。思わず「ウソー」と唸り声を上げてしまった。バスから降りると雨脚が強くなって来た。急いでレストハウスの軒下へ駆け込んで雨具を着込む。
しばらく様子をみていると、雨は小降りなった。傘を差して正面に見える栗駒山の写真を撮った(上の写真)。
10時45分、傘を差しながらレストハウスを出発。
ハイカーと一緒に中央コースを登って行く。ここはコンクリートの道と聞いていたので歩きにくいかと思ったが、自然の石を10〜20センチ間隔に並べ、その間に薄くコンクリートを流し込んでいるので、自然の石の上を歩いているのと変わらない。
今日の宿、須川高原温泉へ3時40分に着いた。ここには旅館部と湯治部があり、湯治場は徳川時代からあるという由緒ある温泉である。我々はその湯治部泊まりである。
温泉は露天風呂から大きな濁り湯や透明の湯まであり、最高だった。旅館部も湯治部も温泉利用は同じ。湯治部の部屋にはガス、冷蔵庫、テレビ、暖房、自炊道具一式が揃っている。こんな所なら2、3泊してもいいと思った。
須川高原温泉−(バス)−一関−(新幹線)−東京 |
夜中に雨の音で目が覚めた。こんな大雨では朝の散歩は無理かも知れないと思いながら、また眠りについた。
5時10分に目覚ましの音で目が覚めた。雨こそ降っていないが、どうもガスっているようだった。そのまま玄関へ行って外へ出てみると、山どころか50メートル先が見えなかった。「これじゃあダメだ・・」と一人つぶやく。
晴れていれば、名残ケ原まで散歩に行く約束をしていたのだが、これでは行っても仕方がない。
一旦部屋へ戻りタオルを持って朝風呂に入る。そして売店の自販機で缶ビール買って飲んでいると、山仕度をしてこれから登る人がいた。こんな天気に登るなんて気の毒だと思った。
9時ジャスト発の一関行きのバスに乗り込んだ。このバスも空いていた。この辺はほとんどマイカーで来ているようだ。
バスが一関へ着いた時は完晴れだった。どうしてこうなるんだろう。私はとっくに雨男を返上したはずなのだが・・・。
翌日、つまり10月6日(月)の朝日新聞に、栗駒山の紅葉が載っていた。いわかがみ平のピンク色に染まった紅葉だった。一日のズレはあったものの、我々は新聞に載るほどすばらしい紅葉の時に登った訳だ。今度は2、3泊して色々なコースを歩いてみたいと思った。