御坂黒岳 (みさかくろだけ)

(1,793m、山梨県)


河口湖畔(カチカチ山ロープウエイ乗場)から見た黒岳


2013年1月8日(火)
三ツ峠入口〜御坂峠〜黒岳・往復

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 実は、今日は御坂山塊の釈迦ケ岳へ行くつもりで檜峯ひみね神社をめざして行ったのだが、途中で路面が凍結していて登れず、引き返し、急遽、近くにある黒岳へ登ることにした。
 (神座山林道はタイヤチエーンを着ければ登れたかも知れない。しかし私は以前、凍った道でチエーンを着けながらも死ぬ思いをしたことがあったので走らないようにしている)

 林道から国道137号線まで戻り、河口湖方面をめざして行った。
 御坂トンネルを出た所が駐車場で登山口になっている。心配した雪もなく、先客の車が2台あった。

(写真左は河口湖方面から見た御坂トンネル入り口。右側に駐車場、天下茶屋へ行く道がある)

 道端には、「天下茶屋まで通行できます。その先通行止」という看板と、「本日、天下茶屋商い中です」という看板があった。

 その看板を右手に見送って舗装された道を登って行くと、数十メートル先に案内板があった。そこから森林地帯へ入って行く。

 針葉樹林ではあるが、頭上には紺碧の空が見える。最高の登山日和だ。今日は釈迦ケ岳へ登れなくそのまま家へ帰らなくて良かったと思った。

 林道のような広い道を登って行く。右に砂防堤を2つ見送って、左の砂防堤を登る所から登山道になった。

 雪も霜柱もない杉林を登って行くと、少し開けた樹木の間から富士山が眩しく光って見えた。そもそも黒岳は富士山の展望台だという。

 途中で暑くてたまらずドガジャンを脱いだ。
 いつの間にか右が針葉樹、左が落葉樹になって来た。秋のような落ち葉を踏みながら登って行く。この下を御坂トンネルが走っていると思うと不思議だ。

 富士山を左手に見ながら登って行くと、右手にドッシリした山が見えて来た。あれが御坂山だろうか。


 さらに登って行くと、ボッテリした山の右奥に三角形の山が見えて来た。あれは何だろう。あれが御坂山なら帰りに寄って行こうかと思った。

(これは御坂山ではなく三ツ峠山の鷹巣山だったようだ)

 それにしても、もう小一時間も歩いているのにまだ峠へ着かない。今日は釈迦ケ岳へ行く予定だったので簡易地図しかなくコースタイムが載っていない。私のいい加減な記憶では1時間位だったと思ったのだが・・・。

 周りが笹になって来た。ということは峠までそんなに遠くはなさそうだ。

 道幅が広く緩やかになって来た。いかにも峠の道という感じがする。それに今まで全く無かった雪と氷が現れて来た。しかし、その雪や氷もすぐになくなり、パーと開けた台地へ着いた。そこが御坂峠だった。標識が幾つも立ち、廃墟のような茶屋があった。

 峠の陽だまりでしばし休憩。

 茶屋の脇から黒岳をめざして行く。茶屋のすぐ後ろに社があり御坂天神と書いてあった。両手を合わせ山の安全を祈願した。
 さらに数十メートル行くと、コンクリ製のトイレがあった(ドアがなかったような気がする)。

 稜線はさすがに風が冷たい。
 小さなピークを登って行くとアイスバーンが現れて来た。凍った所を避けながら足を滑らせないように慎重に登って行った。

 斜面が緩やかになると、陽当たりが良いせいか雪も氷も少なくなり、ルンルンで歩ける。

 幾つ目かのピークで単独の下山者に会った。その旦那さんは、「△△から黒岳へ登って御坂峠までピストンしようと思ったが、ここで引き返します」とのこと。その旦那さんが、しっかりとアイゼンを着けているのをみて、私もここでアイゼンを着けた。

 二人で黒岳をめざして行った。

 登山道は雪と氷になった。雪のない所は永久凍土のようにカチンカチンに凍っているが、今日は10本歯のアイゼンを着けているので安心である。

 斜面が急になってシンドイ。途中で旦那さんに先に行ってもらった。

 山頂の標識が見える所で別の下山者に会い、しばらくおしゃべりタイム。

 誰もいない黒岳の山頂へ11時35分着。この黒岳は御坂山塊の主峰で、日本300名山であり、山梨100名山でもあるそうだ。しかし、三角点や標識はあるが祠はなかった。


 数多くある標識の中に、「富士山や河口湖が見える展望台まで200m」というのがあった。それに従って展望台へ行くと、前方がパーと開け、富士山がドカーンと見えた。そして、先ほど「御坂峠まで行くつもりだったが止めた」と言って、私と途中まで一緒に来た旦那さんがいた。私と入れ替わるように帰って行った。


(正面にドカーンと見える富士山、手前は河口湖)

 私は富士山を正面に見ながら昼食にした。すぐに若い軽装の青年がやって来た。彼はトレイル・ランニングで来たという。今、流行っている山道を駆け登るスポーツだ。それにしても、あの雪道をジョキングシューズに4本歯のアイゼンを着けただけで駆け登って来るとは驚いた。こちらは登るだけでハアハアしているのに・・・。

 ここからは富士山はもとより、十二ケ岳や節刀ケ岳、鬼ケ岳などが見えた。ぜひ一度は登ってみたいと思った。目を少し右側へずらすと、樹木の間から三角錐の釈迦ケ岳が見えた。高度がここより低いので迫力はないが、絶対に登りたいと思った。樹木が多く写真が撮れないのが残念だった。


(十二ケ岳、節刀ケ岳方面)


(遠くには南アルプスも。右から荒川岳、赤石岳、聖岳)

 さて、ぼちぼち下ることにしよう。

 再び黒岳の山頂へ戻り、どうしても釈迦ケ岳の写真が撮りたかったので、釈迦方面へ進んで行った。雪の急斜面を7、8分ほど下った所から、樹間からではあるが何とか釈迦ケ岳の写真が撮れた。本来なら今日はあのテッペンへ立っていたのだと思うと、ちょっぴり悔しかった。
 黒岳との分岐(山頂の一角)まで戻り、アイゼンのヒモを絞め直し、12時40分下山。

 時々、振り返って黒岳(写真手前のボテリした山)を眺めるが、どこにでもあるような平凡な山容で絵にならない。もう諦めよう。

 御坂峠へ13時17分着。ここで休憩しながらアイゼンを外す。それにしても日本300名山を登って来たというのに何か物足りない。不完全燃焼である。せめて黒岳の雄姿でも撮れればいいのだが、このコースからはボッテリした山容しか見えないようだ。

 少しヘコミながら一服している時、「そうだ! カチカチ山のロプウエイに乗れば、黒岳の雄姿が見られるかも知れない」、とひらめいた。時間もまだたっぷりある。そうと決めたら急に元気が出た。登る時はしんどかった坂道も何のその。走るようにして下った。

 駐車場から河口湖の遊覧船乗り場を目指して行った。遊覧船の乗り場の前にロープウエイ乗り場があるが、駐車場が見付からずウロウロしている時、河口湖の対岸に黒岳が見えた。「ヨッシャ−!」と急いで写真を撮った。


(十二ケ岳、鬼ケ岳方面)

(御坂山塊の主峰、黒岳)

 黒岳の写真が撮れたので、もうロープウエイに乗る必要はない。逃げるように河口湖IICへ向かって行った。