三頭山 (みとうさん)

(1,531m、東京都)

三頭山の山頂から見た富士山


2008年1月4日(金)

都民の森〜鞘口峠〜三頭山〜大沢山〜大滝〜都民の森〔日帰り〕

相模原650−R16−八王子−R20−R32−R33−826檜原都民の森・駐車場850〜911鞘口峠915〜1004見晴し小屋1015〜1044東峰1054〜1100三頭山1141〜1147ムシカリ峠〜1200大沢山〜1248大滝休憩小屋1300〜森林館〜1316駐車場

 2008年最初の山行は、奥多摩の三頭山である。三頭山は大岳山、御前山とともに奥多摩三山と言われ、大岳山と御前山はすでに登っているので、三頭山へもぜひ登ってみたいと思っていた。

 この山は「都民の森」から登れば1時間か2時間で山頂へ着いてしまうので少し物足りない気もしたが、正月に飲んでばかりいたので、ちょっと汗をかいてアルコールを抜くには、ちょうど手ごろかも知れない。

 朝6時50分に家を出発。いつものようにコンビニで昼食のオイナリさんを買っていく。
 橋本から八王子バイパスに乗らずに、旧16号で八王子へ出て都民の森をめざして行く。今日はカ−ナビが調子が悪くて使えない。

 都民の森へ8時26分着。広い駐車場にはまだ10台ほどしか止まっていなかった。暇そうに立っていた交通整理のオジさんが誘導してくれた。
 今日は快晴、最高の天気である。

 今日は時間にも余裕があるので、ゆっくりと準備をする。

 8時50分、駐車場を出発。
 舗装された急な車道を登って行く。舗装された急斜面は何とも歩きにくい。「森林館」を過ぎると分岐があり、左が急な坂道、右がなだらかな坂道と書いてあった。当然、左手の急斜面の方を登って行った。


 整備された石の階段や木の階段を登って行くと、鞘口(さいぐち)峠の標識が見えて来た。
 この峠は十字路になっていて、右は御前山方面、左は三頭山、真っ直ぐ行くと奥多摩湖へ下る。しかし、ここから奥多摩湖は見えなかった。
 私は左手の三頭山をめざして行く。すぐ目の前にあったボッテリしたピークへ立つと、今まで見えなかった奥多摩湖の北側にある山々が見えて来た。右手前から六ツ石山、鷹ノ巣山、七ツ石山、雲取山のようだがあまり自信はない。

 今回は雲取山の写真も撮りたかったので、近くにいたオジさんに聞いてみると、やはり左手に見えるわずかに雪を抱いた山が雲取山だという(写真左)。「ラッキー!」とばかりに雲取山をアップで撮った。

 ここでジャケットを脱ぎ、水分補給とニコチンを補給しながら、しばし休憩。

 次のピークを登って行くと、右手下に奥多摩湖が見えて来た。樹木の間から時々雲取山や鷹巣山などの山々が見えた。

   標識が立った分岐点へ9時52分着。ここで休もうかと思ったが、どうせなら「見晴し小屋」まで行こうと、そのまま歩いて行った。

 しかし、なかなか小屋へ着かない。やっと分岐へ着いて標識を見ると、何と小屋をトラバースしてしまったのだ。

 せっかくなので引き返すようにボッテリした山を登って行くと、小さな休憩小屋があった。張り出した展望台からは大岳山が見えた。

(展望台からの大岳山・・左奥)

 しかし、展望が利くのは大岳山方面だけで、あとは森林に覆われ展望はイマイチだった。

 ここで小休止。
 頭上には紺碧の空が広がっていた。同じ1時間歩くにも家の周りを散歩するのと違い、山で汗をかくのは気持がいい。風は少々冷たいが空気がうまい。やっぱり山はいい。

 再び分岐まで戻り、ブナ林の急斜面を登って行く。すっかり葉を落としたブナ林は、日当たりが良くて気持がいい。

 三頭山は三つのピークがあるというので、ぜひ三峰並んだ写真が撮りたいと思っていた。「ぼちぼち東峰が見えるかな?」と思った時、2、3メートル先に標識があり、右手のピークに東峰の表示があった。その標識に従って登って行くと、正面にテラスのような展望台が見えて来た。

 まずは山頂へ、と思って進んで行くと、三角点と三頭山(東峰)の標識があった。しかし樹木が多くて展望は得られなかった。

 展望台からは御前山から大岳山、馬頭刈山までの稜線が見えた。
(左から御前山、大岳山、右端が馬頭刈山。拡大できます)

 展望を楽しんでから再び東峰の山頂へ立ち、そのまま進んで行った。
「山と高原地図」によればこの先に「中央峰」があるはずだが、それらしきピークはなかった。少し下った小広くなった所にベンチが沢山あった。そこが中央峰かと思ったが、何の標識もなかった。


 そこを下ると「御堂峠」という鞍部へ出た。そこの標識には、正面のピーク(地図では西峰)が中央峰と書いてあった。地図と実際の標識が違うとは、一体どうなってんだろう。

 とにかく標識にしたがって正面の中央峰を登って行くと、広い山頂には三頭山の標識やテーブルがいっぱいあっり、いかにも山頂らしかった。

 その山頂からは富士山が正面にドカーンと見えた。「オー!凄い!」と、思わず歓声を上げた。
 山頂には20人ぐらいが休んでいた。私も富士山や雲取山の写真を撮ってから昼食にした。

 しかし、食事をしていても落ち着かない。標識はここが「中央峰」となっているが、地図では「西峰」になっているからだ。ここが中央峰とするならば、西峰はどこにあるのだろうか? 逆にここを「西峰」とするならば、「中央峰」はどこにあったのだろうか。とにかく解せない。

 ここから見る雲取山(左端)もいい。また富士山の近くには道志の山々も見えた。(拡大できます)

 昼食後、周りの人に「西峰がどれなのか」を聞いてみたが、「分らない」という人が多く、全く関心がない人もいた。もう諦めかけた時、中年の男性から「ここが西峰じゃあないですか。あれがムシカリ峠だから西峰でなければおかしいですよ」と言われる。たしかに地形からするとここが西峰のはずだ。

 とにかく地形と地図と標識が違うというのはややっこしい。
 まあ、こんなこともあるだろう!と諦めつつも、せっかく登った三頭山の山頂が中央峰だったのか西峰だったのか分らないとは情けない。でも一番高そうな山頂へ立ったことで満足し、下ることにした。

 ボンヤリして御堂峠へ下ってしまい引き返す。往復約10分のアルバイト。
 再び山頂へ立って、そこからムシカリ峠をめざして下る。ムシカリとは変な名前だが、名前にどんな由来があるのだろうか。

 そのムシカリ峠で立ち止まって思案する。当初はここから下る予定だったが、1時間足らずで駐車場へ着いてしまうのでは物足りない。やはり大沢山を周って帰ろう。

 少し(2〜3分)登るとログハウスの避難小屋があった。念のため中を覗いて見ると、なかなか小綺麗になっていた。トイレも小屋の中にあった。こんな小屋なら泊まってみたいと思った。(ただ水場は無いかも知れない?)

 大沢山12時ジャスト着。ここには東京都が立てた「大沢峠」と書かれた標識があった。「???」山頂が峠? 普通は峠は鞍部にあるものだが山頂が峠とは珍しい。よく見ると小さな木の板に「大沢山」と書かれたものがぶら下がっていた。誰かが登山者が迷わないように付けてくれたのだろう。

 それにしても「都民の森」といいながら、何んとも分りにくく、迷わせるような標識ばかりなんだろう。こんなの初めてだ。天下の東京都は山の標識を何と考えているんだろうか。

 西原峠との分岐へ12時12分着。2人が座って休んでいた。その前を通って左手の急斜面を下って行く。

 途中で返り見すると、左手後方に三頭山らしきピークが幾つか見えた。一番左手のピークが今しがた下って来た山頂に似ているが、大沢山から続く尾根のピークかも知れない。

 小さな沢を渡渉すると、休憩舎とトイレがあった。ここで一休み。一服していると観光客らしいオジさん2人がやって来て隣で一服。

 ここは沢の音がうるさい。良く見れば、背後に有名な「三頭大滝」があった。慌てて大滝の吊橋の途中まで行って大滝の写真を撮った。滝は氷とツララがあって迫力があった。

 ここからはチップを敷いた遊歩道になっていた。東京都の財力を感じる立派な遊歩道を歩いて駐車場へ戻った。