(935m、神奈川県)
2011年4月17日(日)
煤(すす)ケ谷バス停733〜741登山口〜845物見峠との分岐854〜911山ノ神〜928物見峠との合流点935〜1035北峰〜1103山頂1130〜1150南峰〜1249大山分岐〜1302谷太郎林道分岐〜1333林道〜1417煤ケ谷バス停 |
丹沢山塊には、大山の北東部にある「三峰山」と、丹沢山から宮ケ瀬に延びる尾根に「三ツ峰」と呼ばれるピークがある。この2つを区別するため前者を「大山三峰山」、後者を「丹沢三峰山」と呼んでいるそうだ。
大山は毎年清掃登山で登っているが、その前山であるこの三峰山はまだ登ったことがない。一度は登ってみたいと思っていた。この山は標高こそ1000mにも満たないが、鎖場が多く変化に富んでいるという。
今日は天気も良いいので、早速出かけることにした。
まずは厚木市へ出て、R60で飯山温泉をめざして行き、R64で清川村役場へ行った。役場の前にある広い駐車場へ車を止めようとしたが、今日は日曜日のせいか閉まっていた。しかたがなく、とある場所へ止めた。(場所を書くとお叱りのメールが来ちゃうので省略)
登山口となる煤(すす)ケ谷バス停から谷太郎川沿いに歩いて行くと、4、5分で標識が立った分岐へ出た。帰りに通る不動尻との分岐である。標識に従って右の道を登って行く。
民家の軒先を3、4分も登ると登山者カードのポストがあった。早速、カードを記入して行く。
(バス停から谷太郎川沿いに行く) |
(不動尻との分岐) |
(登山者ポスト) |
畑を過ぎると登山道らしくなり、すぐに杉の植林地へ入って行く。シカやイノシシ除けの防護扉を潜った所に「三峰山4.8km、物見峠3.0km」の標識があった。
杉林の中を行くと、すぐに雑木林になり、マムシソウのような変な花があった。しばらくは杉林と雑木林を繰り返す。
8時20分、やっと落葉樹林帯へ出た。わずかに芽ぶきが始まった樹木の奥に、稜線が見えた。
物見峠との分岐へ8時45分着。ベンチがあったのでここで休憩。すっかり汗をかいてしまったので薄手のシャツを脱ぎ、水分を補給。
(やっと稜線が見えて来た) |
(分岐にはこんな看板と・・) |
(こんな看板が・・・) |
ここからは左手の道を登って行く。物見峠に用は無いからだ。
10分も登り、「稜線へ出た!」と思った所が山ノ神(写真左)だった。せっかくなので安全祈願をして行く。 ここからはルンルンの稜線歩きかと思ったが甘かった。まだまだ登りが続く。右手後方に先月登った仏果山が見えた。 |
正面のボッテリした山(748mピーク)を左へトラバースして行くと、物見峠からの道と合流した。ベンチがあったのでここでも休憩。
ここから歩き出すと、すぐに分岐があって立ち止まる。真っ直ぐ稜線沿いに行く道と、右手の杉林の中を行く道があった。途中で合流するかも知れないが、少しでも展望がいい稜線を行くことにした。(正解だった。右の道は合流しなかった)
やっと稜線のルンルン歩きになって来た。桜が咲いていた。山桜だろうか。
ヤセ尾根を下り、木の階段を登り切った所はだだっ広い頂稜になっていた。そこからわずかに下って登り返して行くと、右側が崩壊し丹沢の展望が一気に開ける。ここからは「丹沢三峰山」が見事に見えた。 ここで写真を撮っていると、若い男性が追い越して行った。 |
正面に三角形の山が見えて来た。あれが三峰山の山頂だろうか? その山の取っ付きまで行くとベンチがあり、先ほどの青年が休んでいた。 |
私が、目の前に見える山を指さしながら、「あれが山頂ですかねぇ・・?」と訊くと、彼は、
「私も初めてなので良く分かりませんが、ガイドブックでは最初のピークが北峰で、中峰、南峰とあって、頂上は中峰のようですよ!」
と教えてくれた。
確かにここは三峰山というぐらいだから、三つの峰があるのだろう。そして、最初のピークが北峰ということか。
実は、私が分かったのはこの北峰と標識が立った山頂だけで、中峰(中央峰?)も南峰も分からなかった。山頂が中峰だったのか南峰だったのかも分からない。
いずれにしても正面に見える北峰を登って行く。まずは木の階段を登り、ロープを伝って登って行く。 狭い山頂へ10時35分着(写真右)。しかし標識も何もない。せっかく登った山頂だ。せめて標識ぐらいはあってほしいものだ。 |
北峰から30〜40mほど緩やかに下って行くと鎖場が現われた。鎖に掴らなくても下れそうだが、右側がストーンと切れ落ちている。足でも滑らせると取り返しがつかない。鎖に掴りながら慎重に下って行った。
鎖場を2つ越えた所の小さいピークに石仏とお札があった。ここからの下りから正面に2つのピークが見えた。この時は右手前が中峰で左奥が南峰だろうと思ったが、実際は左が山頂で右のピークには「三峰山100m」の標識が立っていた。
ここからが三峰山の核心部のようで、ガレたヤセ尾根に鎖と木の階段が続く。
そして、登り詰めた所に「三峰山100m」と書かれた標識があった。ここが中峰だろうか?
(三峰山100mの標識) |
そこから一旦下り、鎖場を登り詰めて行くと、石垣のようなものが現われた。これを巻きながら木の階段を登ると三峰山の山頂だった。山頂着11時3分。 山頂には2人の男性がいた。一人は私を追い越して行った青年で、もう一人は不動尻から登って来たのだろう。 2人が食事中だったので私も昼食にした。食事をしている間にも次から次と登山者が登って来る。狭い山頂は腰を下ろす場所もなくなり団体さんは不動尻側へ下った所で休んでいた。 |
私の隣で湯を沸かしていたご婦人は、「不動尻からの往復ですが、南峰が山頂だと思ってそこでお昼を食べちゃいました」と言っていた。と言うことは、ここは南峰ではなく中峰ということになるのだが・・・。
そこで私は、せめて自分が歩いて来たピークを確認しようと思い、樹木であまり展望が利かない中で目をキョロキョロさせた。 (左の図は今回歩いたピークを描いたもの。大きなピークは大きな三角、小さいピークは小さい三角で表しているが、コンパス等は使わず、あくまでもフィーリングで描いたのでアテにはなりません) |
11時30分下山。
ここからも鎖場の急斜面が続く。慎重に下って行った。
山頂から南側に見えたピークが南峰だろうと思っていたが甘かった。その奥にどしりとした山があった。見るからに堂々としている。あれこそが南峰に違いないと思った。
南峰へ向かう途中で振り返ると、今登って来たばかりの最高峰が見えた(写真左)。
南峰(写真右)にも標識はなかったが、小広い山頂なのでここが三峰山の山頂だと思っても不思議ではない。先ほどのオバさんがここが山頂だと思って弁当を食べてしまったというのも頷ける。 もっともこれが本当に南峰かどうかは分からないが、南峰ということにしておこう。 |
ここからも鎖が付いたガレた道を下って行く。すぐになだらかになり、稜線から離れて左のガレた急斜面を下るようになる。すさまじい下りだ。木の階段になっているが、階段がガレで埋もれているので無いのと同じだ。足を滑らせないように一歩ずづ慎重に下って行く。
沢沿いまで下ればもう安心だ。ホッとした時、足元にヒトリシズカが咲いていた。嬉しい。特に美しいとか可愛いとは思わなかったが、とにかく初めて見ることができた。 ヒトリシズカ(一人静)とは「静御前」から名付けられたというが、その名前の響きには何か気品と憂い感じる。 私はヒトリシズカというイメージから、一輪でひっそりと咲いているのかと思ったが、10本位の群落で咲いていた。今日はこの花を見ただけでも来た甲斐があった。 |
大山との分岐まで来ると、不動尻の広場やトイレが見えた。 ここからは舗装された林道を歩いて行く。10分ほどで谷太郎林道との分岐へ着いた。ここから林道と分かれて谷太郎川沿いの登山道へ入って行く。杉と雑木林の道で、何となく熊が出て来そうな感じだ。 鎖場(写真左)を越え、歌を歌いながら歩いて行く。熊も私のオンチな歌を聞けば呆れて逃げて行くだろう。 |
木の橋を何度か渡り返すと、小広くなった所に若い2人連れがいた。登山者ではないので車で来たのだろう。林道はもう近いはずだ。
やっと林道へ出た。13時33分。そこには広い駐車場があり3台の車があった。尾張小牧ナンバーもあった。
林道へ出たのでもう熊の心配はないだろう。左手にマス釣場を見ながら歩いて行く。道端に咲いているヤマブキの花が綺麗だった。
右手にリバーランドを見れば、もう煤ケ谷の登山口は近い。