〔車、日帰り、メンバー5人〕 志津乗越1005〜1035三合目1040〜1115五合目付近1125〜1240山頂1350〜1552志津乗越 |
先月、女峰山へ登ったが天気が悪く、どこをどう歩いて来たのか良く分からなかった。そのため、その女峰山が見たくて仲間を誘って男体山へ行くことにした。
女峰山を見るだけなら、大真名子(おおまなご)山の方がいいかも知れないが、どうせ登るならやはり一番高い男体山だろう。それに私も10年振りに男体山へ登ってみたくなった。前回は中禅寺湖側から登ったので裏側の志津乗越から登るのも良いだろうと思った。
4日ほど前に、仲間の一人から、「男体山はもう閉山祭が終わったので登れないのでは?」という連絡を受けた。我々は裏男体林道の志津乗越から登るので閉山祭が終わっても問題ないと思いながらも、念のため二荒山(ふたらさん)神社へ電話を入れた。
すると、「昨日(10月25日)、閉山祭をしましたので登ってほしくないですねぇ・・・。登るなとは言えませんが・・・、登るなら来年の開山祭の後にしてくれませんか・・・?」と、暗に登ってくれるナ、と言わんばかりだった。
しかし裏男体林道が閉鎖されていないことを確認したのでまずは安堵した。そういえば、10年前に二荒山神社側から登った時も登山道が朱塗りの板塀で塞がれていたのを思い出した。私は登山口が分からずに20分近くもウロウロした。
(男体山は有料入山で、期間は5月5日〜10月25日まで。ただし志津からならいつでも登れる)
朝4時45分にMOさんと待ち合わせて、MOさんのベンツに乗り込んだ。ベンツで山へ行くとはリッチだ。
R16で川越ICへ向かい、途中、拝島駅でNさんを乗せて関越道に乗り、高坂SAでMさんと合流した。
天気が心配だった。関東地方は「曇り時々晴れ」と報じていたが、黒く重たい雲が覆い、今にも雨が落ちて来そうだった。
しかし、北へ向かって走っていると、少しずつ雲が切れて青空が見えるようになって来た。赤城山や榛名山も見える。次第に期待が膨らんだ。
沼田ICで降り、白根山ロープウェイから菅沼を過ぎると、紅葉が見られるようになって来た。もうとっくに落葉しているだろうと諦めていたが、今年は一週間ほど遅れているというのでラッキーだった。金精道路を走っていると歓声を上げたくなるほど見事な紅葉だった。
その紅葉も金精峠まで行くとすでに落葉していたが、湯元まで下って来ると再び見られるようになった。
(写真左:湯ノ湖の紅葉←拡大できます)
三本松でトイレ休憩をしてから裏男体林道へ入って行く。
林道は紅葉真っ盛りだった。カラマツの紅葉が見事だった。車の中から写真を撮った。
(写真右:写真はイマイチだが実際はもっと綺麗だった)
志津乗越には車が10台ほど止まっていた。先月来た時よりはるかに少なく、車も楽に止めることが出来た。
(写真左:志津乗越から見た男体山)
一週間前に降ったという雪は、山頂部にわずかに見えるだけだったのでアイゼンは置いていくことにした。
10時5分出発。予定していたより1時間も遅くなってしまった。
ここから山頂までのコースタイムが、「ヤマケイ発行のガイドブック」では2時間10分となっているが、「山と高原地図」では2時間50分となっている。何んでこんなにバラツキがあるのだろう。我々中高年メンバーは休憩を含めて3時間半みているので、昼食を含めると戻ってくるのが日没ぎりぎりになってしまうかも知れない。
乗越から林道を70〜80mも歩くと右手に古ぼけた標識と登山道が現れた。その道を4、5分も行くと、丸太造りの志津小屋があった。
小屋を覗いてみると、かなり小奇麗な小屋でマットレスが2枚と布団一組があった。ここは「志津宮社務所」というから管理人用かも知れない。
ここから、なだらかな登りになり、すぐに一つ目の砂防提が現れる。道はコメツガなどの針葉樹林帯となった。
しばらくすると、パーと視界が開け、背後に堂々とした太郎山が見えた(写真左)。
ここからは本格的な荒れた登山道になった。ドロ土の窪んだ登山道と、それを塞ぐように張り出した木の根っこ。その根を巻く様に新しい道がつけられているが、歩きにくいことに変わりはない。とにかく足元を一歩一歩確かめながら登って行く。下ばかり見ていると木の枝や倒木に頭をぶつける。
「お〜い、少し早過ぎるんじゃないか」
と、後ろから声がかかる。いつもは一番足が遅い私だが、今日は「何としても日没までに戻らなくては」という思いが、つい足を速めてしまうようだ。少しペースを落とす。
30分ほど歩くと3合目の標識があった。ここで休憩。ここまで1合目、2合目の標識があったのだろうか。全く気づかなかった。
4合目の標識でも小休止。
次は5合目で休憩しようと思いながらも、なかなか標識が現れない。道もかなり急登になってシンドイ。
適当なところを選んで休憩した。さっき我々を追い越して行った男性2人組も近くで休んでいた。(標識は3合目と4合目だけしか見当たらなかった)
時々背後を振り返る。すると待望の女峰山がクッキリと見えた。鋭く尖った山頂とボッテリした帝釈山。やっと見えた。あの稜線を歩いたのかと思うと嬉しかった。しかし、樹木が多すぎて写真は撮れなかった。もう少し登れば見晴らしが利く所があるだろう、と登って行った。
それにしても太郎山がすばらしい。あんなにカッコいい山とは知らなかった。
女峰山はなかなか撮れなかった。やっと見晴らしのいい所へ出た時は、這い昇ってきた雲に覆われていた。それでもカメラを構え一瞬の切れ間を捉えてシャッターを押した。
(写真右:やっと撮った女峰山。手前の尾根は大真名子山)
ここはシャクナゲの木が多かった。花時はさぞかし見事だろうと思った。
一等三角点があり、神剣が立った山頂へ12時40分着。思ったより早く着いた。これで日没までには戻ることができる。やっと時間から開放された。
(写真左:神剣が立った山頂と二荒山神社奥宮の社務所←拡大できます)
山頂からは大パノラマが広がっていた。東側の女峰山がガスで見えないのが残念だが、北側には長女の大真名子、左には堂々とした長男の太郎山が見えた。ぜひ一度は登ってみたいと思った。
西側から南側の眼下には戦場ヶ原の大地が広がり、その奥に日光白根山が見えた。
山頂で昼食を摂った。Mさんが持って来たワインをご馳走になりながら眺望を楽しみ、弁当を広げる。今日は天気も眺望も良く、最高だ!
左が太郎山、右が大真名子山 |
戦場ヶ原の奥にそそり立つ日光白根山 |
食後は奥宮の方へ行ってみた。奥宮の社務所はさすがに閉じられていた。(隣にある避難小屋はほとんど使用できない状態だった)。
ご神体像(?)が建つ高台からは、眼下に中禅寺湖が見えた。湖面が眩しく光って神秘的だった。日光白根山の左奥に見えるのは皇海(すかい)山だろうか。
奥宮の高台に建つ像 |
反射鏡かと思うほど眩しく光る中禅寺湖の湖面 |
眺望の良さに仲間から感嘆の声が上がる。日光の山はアルプスとも奥多摩とも違う良さがあると思った。また好きな山が増えた。
帰りに志津小屋の水場を確認したが、とても飲める水ではなかった。単なる水溜りで沸騰させても飲む気にはなれない。
奥男体林道の紅葉が見事だった。逆光を浴びてきらめく紅葉が一段と目に染みた。光が弱く写真が撮れなかったのが残念だった。今度、太郎山へ登る時も紅葉の季節に来ようと思った。