大室山 (おおむろやま)

(1,588m、神奈川県・山梨県)


道志みち(R413)から見た大室山


2007年1月14日(日)
道志の湯登山口〜加入道山〜大室山往復

自宅705−R413(道志みち)−820道志の湯登山口P830〜910東屋〜935展望所945〜1030稜線(白石峠との分岐)〜1043加入道山1055〜1220大室山1250〜 1354加入道山1405〜1513道志の湯登山口

 この山は、道志みち(R413)を橋本から山中湖方面へ向かって走っていると、右に左にとカッコ良く見える。一度は登ってみたいと思っていた山である。

 その大室山へ登るには、西丹沢から登る方法と道志側から登る方法があるが、我が家から近い道志側から登ることにした。

 7時5分に家を出た。近くのコンビニで弁当を買って行く。
 R413を走っていると、右手に大室山がカッコ良く見えて来た(TOPの写真)。今日は先週の爆弾低気圧が降らせた新雪のせいか一段と立派に見えた。

 久保吊橋の所で大勢の登山者が体操をしているのが目に留まり、あわてて車を止めた。マイクロバスで 来た20人位の団体さんだった。私もついここから登りたくなったが、ここからでは早く着き過ぎてしまい トレーニングにならないと思い、予定通り道志の湯まで行くことにした。

 途中から道路脇にも残雪が現れて来た。

 道志の湯の広い駐車場へ車を止めた。しかし良く見ると「道志の湯専用」と書いてあった。こりゃあマズイ!と思って 右手の沢沿いの道を進んで行く。

 すぐに分岐点があり標識に従って左折して行くと、40台位置けそうな広い駐車場があり、車が1台止めてあった。しかし、そこが登山口かどうか分からないのでノロノロ進んで行くと、20〜30mほど先に加入道山・登山口の標識があった。慌ててバックで戻って駐車場へ車を止めた。

(写真は帰りに撮ったもの)

 8時30分、駐車場発。
 わずかばかりの残雪と霜柱の中に、今朝歩いたと思われる足跡があった。駐車場へ止めた先客だろう。
 ここは横浜市の水源を守るため植樹をしたようで、横浜市の各区名が表示してあった。

 駐車場から15分も歩くと南斜面になり、雪も霜柱もなくなった。まるで秋のようなブナの落葉を踏みながら、なだらかな斜面を登って行った。

 途中に東屋があった。ここは白石峠との分岐になっていた。せっかくなので白石峠へ寄って行こうかと思ったが、地図を見ると点線になっており、しかも北斜面で雪も多かったので、雪のない左の道を登っ て行くことにした。
 5分も登ると左手後方に真っ白い富士山が現れた。富士山はいつ見てもすばらしい。
 富士山が右手後方に見えるようになった時、その右側に御正体(みしょうたい)山が 見えた。日本200名山だけあって堂々としている。写真を撮りながら登って行くと、 大きな松の木がある見晴らしのいい所へ出た。少し朽ちかけたベンチがあったので、そこへザック を置いて富士山を眺めながら一服タイムとした。

(右奥が御正体山)

 少しずつ残雪が現れて来た。下りはアイゼンが必要だろうと思いながらも、そのまま登って行った。

 途中で下山者にあった。ストック2本を使って雪道を慎重に下って来た。加入道山の往復だという。

 北斜面のツルツルした雪道を過ぎ、少し回り込むと稜線へ出た。そこは白石峠との分岐になっており、 標識に「白石峠へ0.3Km、加入道山へ0.3Km」と書いてあった。

 加入道山の山頂を目の前にした時、大室山から来たという青年に会った。彼は用水沢出合から犬越路、大室山、加入道山と周って白石峠を下ると言う。たぶん地元の人だろうと思った。

 加入道山の山頂へ10時43分着。誰もいない平凡な山頂だったが、樹木の間から南アルプスがすばらしく見えた。真っ白くなった白峰三山に対し、雪も寄せ付けない躍動感溢れる甲斐駒が気に入った。

 それに八ケ岳の赤岳が目を惹いた。富士山はもちろんデッカイ。ただ樹木が多くて写真が撮れないのが残念だった。

 すぐ近くに避難小屋があったので覗いてみようと思ったが、引き戸が硬くて開かなかった。(テコでも使えば開くかもしれない)

 大室山へ向かって歩き出すと、アカゲラかクマゲラが、さかんに木を 突っつく音がした。それにウソがいっぱいいた。久しぶりに綺麗なウソを見た。

 稜線を歩いていると、さすがに風が冷たい。
 下りになると、単独行の青年と空身でピッケルだけを持ったオジさんに会った。

 ここから見る大室山はフツーの山でしかなかった。道志みちから見たあの雄姿は面影もない。(写真右)

 雪が着いたイヤラシイ道を下りながら、ぼちぼちアイゼンを着けた方がいいかな、と思っているうちに「破風口」という鞍部へ着いた。ここからは登りになるので、そのまま登って行く。

 しばらくして右手の樹木が切れ、ササが生えた一角へ出た。やっと後方の展望が利くようになり南アルプスの写真が撮れた。

(左の写真を拡大してご覧下さい。右端の甲斐駒ケ岳が見えるだろうか?)

 なだらかな斜面を登り、やっと山頂かと思ったら奥にもう一つボッテリしたピークがあった。騙された!

 しばらくすると、右手前方に丹沢の最高峰である蛭ケ岳がカッコ良く見えて来た。バンザ〜イ! 蛭ケ岳を見てやっと丹沢へやって来たという実感が湧いて来た。

 犬越路(いぬごえじ)との分岐へ着くと、ベンチにザックが一つデポしてあった。先ほど会った空身のオジさんのだろう。

 12時20分、大室山頂着。
 先客のご夫婦がいた。私が着くと同時に、奥さんが「コーヒーを飲みませんか」と、暖かいコーヒーをご馳走してくれた。寒い時は暖かいものが最高のご馳走である。

 旦那さんに左手に見える山が蛭ケ岳で間違いないかを確認すると、「あれは袖平山で、右奥が蛭ケ岳です。そして一番右端が檜洞丸(ひのきぼらまる)です」と教えてくれた。つまり蛭ケ岳だと思っていたピークは袖平山だったらしい。


大室山の山頂

左が袖平山と蛭ケ岳(らしい)、右端が檜洞丸
拡大できます。

 私が弁当を食べている間にも、日蔭沢から登って来たという青年と、昨夜、犬越路の避難小屋へ泊まったという中年のオジさんが登って来た。丹沢はこの時期でもけっこう人が多い。

 山頂から丹沢湖が光って見えた。感激! 私は丹沢湖を見るのは初めてだった。地元ともいえる丹沢だが、今まで西丹沢には全く縁がなかったからだ。今年はシロヤシオが咲く頃に、自然教室から檜洞丸、犬越路を歩こうと思っている。

 大室山12時50分発。
 食事を済ませて早々に下山することにした。とにかくじっとしていると寒いのだ。念のため軽アイゼンを着けた。こんな所で転んで捻挫でもしたら元もこもないからだ。

 加入道山へ13時54分着。ここで一本。
 ここから檜洞丸の写真を撮りたいと思ったが、樹木が多くてなかなか撮れない。やっと避難小屋の屋根越しに撮ることが出来た。

(写真右:一番高い山が檜洞丸→拡大できます)

 天気が下り坂なのか、日差しがなくなり日没のように薄く暗くなって来た。寒くなる前に下ろう。

 足元ばかり見て下っていると、突然、目の前に白い犬が現れてビックリした。野犬かと思って立ち止まり、犬とニラメッコ になったが、首輪を見て安堵した。犬もビックリしたようで、慌てて白石峠の方へ逃げて行った。とにかくクマやイノシシでなくて良かった。

 白石峠との分岐で、西丹沢の山々とサヨナラして道志へ向かって下って行った。
 東屋で一服してから、アイゼンを外す。
 15時13分、駐車場着。広い駐車場にポツンと私の車だけがあった。

 帰り道、右手にカッコいい山が見えた。急いで車を止めて写真を撮った。地図で調べてみるとどうも袖平山のようだ。(黍殻山だったかも知れない)

 独特の山頂を見上げながら、「よし、次はあの山へ登ろう!」と決めた。