大岳山(おおだけさん)

(1,267m、東京)  113座

馬頭刈(まずかり)山頂から見た大岳山。


御岳神社〜大岳山〜馬頭刈山縦走

2003年4月13日(日)

相模原500−八王子−立川−御獄−滝本−ロープウェイ830〜御岳神社〜938芥場峠〜1018大岳山荘〜1048大岳山1125〜1420馬頭刈山1430〜軍道−武蔵五日市−拝島−八王子−相模原

 今年初めての山行は、「大岳山」である。
 大岳山は私が住む相模原からも見ることが出来る。大山(おおやま)や丹沢に比べるとはるかに遠く小さいが、丸みをおびた独特の肩にチョコンとしたピークの山容が目を惹く。私は毎日のように通勤時に駅のホームからこの山を眺め、一度は登って見たいと思っていた(写真右)。

 実は、この山が大岳山だと知ったのはごく最近で、しかもこの山が、昔、東京湾を航行する船が、丹沢の大山とともに目標にしていたということを知って、何んとしても登ろうという気になった。

 朝5時に家を出た。雨上がりで路上が濡れていた。途中のコンビニで弁当を買って行く。
 今日は、駅のホームから大岳山はモヤって見えないが、「朝霧は晴れる」というから、やがて姿を現すに違いない。

 日野駅まで来ると、やっと車窓から大岳山が見えるようになった。
 今日は日曜日のせいか電車の乗り継ぎが悪く、立川で35分、御獄駅でバス20分待ち。7時30分のロープウェイに乗りたいと思って来たが、ロープウェイ駅でも20分待。結局、御岳平へ着いたのは8時30分だった。

 予定より1時間近くも遅れてしまい、少々焦りが出た。
 ここからは、山上の集落を通り、御岳神社の長い階段を登って行く。今日は、まだ残雪があるかも知れないと思ってアイゼンを持っ来たが、残雪など全くない。それよりも初夏を思わせるような強い日差しに、すぐ汗が吹き出してきた。厚手のシャツを脱いだ。

 御岳神社(写真左)でお参りをして、すぐに引き返し、右手にあった大岳山方面の登山道へ入って行く。すぐに茶店があった。そこのオバちゃんに、大岳山へ行く一番近い道を尋ねると、
「正面に見える山が奥の院で、左が大岳山だから、奥の院を登らずに左へ行くのが一番近い」
 と教えられた。
 奥の院は三角錐の尖った山容でカッコ良いが、大岳山は何の変哲もない平凡な山だった。

 オバちゃんが、「どこまで行くのかねぇ」というので、「軍道です」と言うと、「そりゃ、遠くて大変だ!」と言われる。
 ここで、御嶽駅前でバスを待ちながらおしゃべりをした人と一緒になった。私と同年代の単独行で大岳山から鋸山を下るという。その人と一緒に歩き出した。

 左手のロックガーデンへの道を見送って進んで行くと、右手に奥の院へ行く道があった。それを見送って進んでいくと、水場があった。早速一口飲んでいく。
 やがて東屋が現れ、道も急登になった。その急登を登りきった所が、芥場(あくば)峠だった。9時38分着。
 ここで二人揃って休憩。久しぶりに健康な汗をかいたような気がする。さわやかな風が心地良かった。

 ここからは彼に先に行ってもらった。山は一人で歩く方が気楽でいい。目の前に大岳山らしい山が見えた。しかし、それはボッテリした普通の山で、とても大岳山とは思えなかった。その山を左へ廻り込むように登って行く。

 10時18分、小屋の後ろの広場へ到着。彼がベンチに座って待っていてくれた。ここまで来ても、大岳山独特の山容は見えず、山全体の地形が分かりにくい。

 鳥居を潜り、太い杉林の急斜面を登って行くと小さな神社があった。両手を合わせて安全を祈願した。
 そこから左手に曲がり、さらに急登を登って行く。上部には岩場も現れ、息を切らしながら山頂へ着いた。10時45分着。

 広い山頂には7,8人が休んでいた。目の前に三角形をした御前山が見えた(写真右)。富士山はモヤって見えなかったが、遠くに雲取山や大菩薩などが見えた。途中まで一緒に来た彼にシャッターを押してもらった。

 山頂に立っても、いつも眺めているあの大岳山のピョコンとしたピークに立っているという実感はない。予想はしていたが、やはり馬頭刈(まずかり)尾根まで行かないと雄姿は見えないようだ。

 とにかくここで昼食にしよう。弁当を広げ、湯を沸かしてコーヒーを飲んでいると、ヤマガラやシジュウカラ、コガラなどが足元まで来るので驚いた。良く見ると石の上にトウモロコシの粉が置いてあった。

 さらに驚いたのは、登山者の手の平に乗ってエサをとっていることだった。エサをやっている人に何をやっているのか聞いてみると、ピーナツパンのピーナツをあげていると言う。それにしても、野鳥がこんなに馴れるものだろうかと驚いた。

 山頂はいつの間にか20〜30人に増えていた。私はぼちぼち出掛けようることにしよう。11時25分山頂発。
小屋へ向かって引き返す。小屋へ戻る間に50〜60人とすれ違った。小屋の前にはテラスになった展望台があった。そこから、これから下る馬頭刈尾根が見えた。

 ここから馬頭尾根を下る人は少ないようで、前にも後ろにも人陰は見えない。
 白倉への分岐を過ぎ、5分も歩いて振り返ると、大岳山がやっとそれらしい山容になって見えて来た(写真右、右肩の下にある小屋が見えるだろうか)。

 急登を登り切ると狭い山頂にベンチがあった。あいにく富士山は見えなかったが、ここが富士見台だと思った。背後にあるはずの大岳山は森林に覆われて見えない。

 そのピークを下り、次のピークを登って行く。丸太の階段の急登でしんどい。そこを登りきると広々とした所に東屋とベンチがあった。ここが本当の富士見台だった。12時13分着。

 ここからやっと念願の大岳山がクッキリと見えた(写真左)。うれしい。写真では何度も見ているが、こうしてこの目で見ることが出来て本当に嬉しい。
 はるばるやって来た甲斐があった。写真を何枚も撮った。大岳山はやはりこの馬頭刈尾根に立たなければ、美しい山容は見えないようだ。
 しかし、ここまで来る人は少ない。途中会ったのは登って来た2組のパーティーだけだった。本当にもったいないと思った。

 ここでゆっくりと休憩にした。誰もいない山頂でタバコをふかしながら心ゆくまで大岳山を眺めていた。シジュウカラのさえずりだけが静寂を破っていた。

 つづら岩には、高校生ぐらいの若いクライマーが大勢いた。垂直の壁やオーバーハングを登っていた。私はあんな所は絶対に登りたくないと思った。

 ここからはコースがやたらと長く感じるようになった。小さなアップダウンを繰り返し、進んでも進んでも低くならない。途中に「馬頭刈縦走路」と書いた標識があったが、まさにここは縦走路である。今年最初の山行にしては、少し長すぎるコースを選んでしまったと思った。

 鶴脚山へ13時45分着。途中に千足へ下る道があった。それを下るべきだったかも知れないと思った。しかし、千足からのバス便を調べていなかったので、下る訳にはいかなかった。
 山頂からは、すぐ目の前に馬頭刈山らしい頂きが見えた。とにかくあの山頂までは行ってみようと思った。

 馬頭刈山頂へ14時20分着。誰もいないだだっ広い山頂だった。ガイドブックをコピーして持って来た地図を広げて見ると、軍道まであと2kmぐらいである。「よし頑張ろう」、という気になった。14時30分発。

 気合を入れて歩き出すが、スピードは落ちるばかりだった。
 次のピークを下ると森林地帯の急坂となった。その坂を下って行くと石灯篭が2つ並んで見えて来た。そこは高明神社跡地だった。ここからも急坂が続く。長い長い坂道でウンザリした頃、やっと林道へ出た。15時25分。

 ここからもバス停まで長かった。しかし、山里は散りかけた桜と、赤や白のモモの花がいっぱい咲いていた。今日は少々ヘバったが、充分春を満喫することが出来た。
 バス停があるお店で、早速、缶ビールを買って飲みながらバスを待った。