三瓶山 (さんべさん)

(1,126m、島根)  189座

女三瓶山から見た男三瓶山


定の松〜男三瓶山〜女三瓶山〜孫三瓶山〜子三瓶山〜定の松

2010年11月4日(木)

蒜山IC1150−(米子道・中国道)−三次IC−R54−R184−R40−三瓶温泉−1520西の原・定の松−北の原キャンプ場

 今日は上蒜山を登ってからの移動である。
 蒜山SAで昼食を摂ってから三瓶温泉へ向かって行った。米子道は片側一車線の区間が多く飛ばせないが、中国道は飛ばせる。
 三次ICからもほぼ順調だった。

 三瓶温泉で国民宿舎・さんべ荘を確認してから、登山口である西の原にある定の松へ向かって行った。

 西の原からは2つの山が見えた。急いでクロスカントリーの前にあった無料駐車場へ車を止めた。ここにはレストランもあり大勢の人で賑わっていた。

 近くに山から下って来たばかりの御仁がいたので訊いて見ると、左側の山が三瓶山で右が三瓶山だという。そもそも三瓶山は、外輪山として男三瓶山、三瓶山、子三瓶山、まご三瓶山の4座からなり、真ん中に火口湖の室内むろのうち池がある。そのうち、ここから見えているのが男と子で、女と孫は隠れて見えないという。

 コ−スについても男三瓶山の登りがキツイことや、4座を周遊した場合はアップダウンが多いことなどを教えてくれた。


(左が男三瓶山、右が子三瓶山)

(定の松)

(男三瓶山の登りはキツそうだ)

 北の原キャンプ場でもオ−トキャンプ場を借りた。車が近くにあると何かと便利なので奮発してしまったのだ。しかも連泊である。
 このキャンプ場も設備や環境は申し分ないが、今日も周りには誰もいなかった。一人ぼっちで熱燗を飲み、日没と同時に就寝。


2010年11月5日(金)

北の原キャンプ場−定の松645〜704分岐〜854男三瓶山912〜1007女三瓶山1020〜1118孫三瓶山1145〜1218子三瓶山1235〜1252十字路の分岐〜(扇谷コース)〜1320分岐〜1334定の松

 朝4時前に目が覚めてしまい、5時になるのを待って外へ出た。今日も満天の星だ。
 真っ暗い中でヘッドランプを点けて湯を沸かし、熱いコ−ヒ−を飲みながら夜明けを待った。今朝は昨日の蒜山のような寒さではない。車のフロントも凍っていなかった。

 西の原の駐車場は100台以上も置けそうな所に2、3台しか止まっていなかった。
 私が車の脇で登山靴を履いていると、ぶつかりそうになりながら1台の車が入って来た。慌てて飛びのいた。これだけ広くガラガラなのに、何も隣へ止めなくても良いと思うのだが・・・。

 その運転手(オジさん)曰く、「今日は島根県のグランドゴルフ大会があってねぇ・・・。500人位来るんですよ!」とのこと。私には全く関係ないことだ。

 定の松駐車場、6時45分発。まずは芝生の中を歩いて行く。芝生の中を歩くのは気が引けたが、40〜50mで登山道へ出た。
 この山も高度は余り感じないが、登山道を見上げると登りがメチャクッチャ急であることが分かる。昨日登った人も「凄い急坂とアップダウンが多い」と言っていた。ナメずに心して行こう。

 牧場の中を歩いて行くと、所々に大きな牛の排泄物があった。
 すぐに登山道になった。道幅が広く歩きやすい。

 案内板が立った分岐へ7時4分着。右奥に小屋が見えた。(ここが扇谷コースとの分岐だった)
 標識には男三瓶山まで3.0kmと書いてあり、ここから本格的な登山道になった。

 太いカラマツと雑木林になったが、登山道は明るい。
 左へトラバースしながら登って行き、やがて右へトラバースするようになり、また左と大きくジグを切って行く。

 ちょうど1時間も歩いた時、熊かイノシシが堀った跡があった。昨夜から今朝にかけて堀ったらしく、登山道に新しい土がモッコリと盛り上がっていた。犯人はイノシシだと思うが熊でないことを祈ろう。

 しばらくすると、2か所目の堀返しあった。そして、そこから数10mも行くと背後の展望が一気に開ける。定の松周辺が見え、駐車場の一番手前に止めた私の車も見えた。
 ここまでは思ったほどの急登ではなかった。どこにでもある登りである。この程度なら急登とは言わない。

 すでに森林限界を過ぎたようで、低木とススキになった。そして、ポツンポツンと紅葉も見られるようになって来た。
 登山道の両脇には白い菊の花が並んで咲いていた。まるで誰かが植えたようだ。

 しばらくすると、ピンク色の綺麗なナデシコが・・・。咲き終わったヤマハハコもあった。ここはガイドブックに「山頂までお花畑」と書いてあったが、それも頷ける。
 そして、今まで右手の尾根に隠れていた太陽がついに顔を出した。

 道端にはリンドウやナデシコ、ヤマラッキョウなどが見られるようになり、タテヤマウツボグサもあった。そう言えばこの三瓶山はヤマラッキョウが「花の百名山」に選ばれている。この季節に花が見られなんて嬉しい。


(リュウノウギクだと思う)

(カワラナデシコ)

(ヤマラッキョウ)

 標高1,000mの標識を過ぎると、瓦礫の道になりアルペン的になって来た。

 稜線の一角へ出ると、子三瓶山と孫三瓶山が眼下に見えるようになり、かなり高度が上がったことが分かる。
 すぐに広々とした大地のような所へ出た。一面がススキに覆われていた。今まで登って来たあの岩と瓦礫の上に、こんな開けた大地があるなんて信じられない。


(瓦礫の道)

(正面が子、左奥が孫三瓶山)

(ススキに覆われた頂稜)

 道端にハクサンフウロが咲いていた。今頃咲いているなんて感激だ!(これはハクサンフウロではなく、シコクフウロかゲンノショウコだったかも知れない)

 花を見ながら、いや花を探しながら歩いているうちに、広々とした山頂へ着いた。山頂には標識やベンチ、テラスなどがあり、「佐田比売大神」が祀られていた。昨日登った上蒜山とはエライ違いだと思った。(上蒜山にはなにもなかった)。


(シコクフウロ、ゲンノショウコ?)

(アキノキリンソウ)

(広々とした山頂)


(山頂にはテラスまである)
 山頂には人っ子一人いなかった。風が強く寒いので、すぐ下の避難小屋で休憩することにした。

(新築中の避難小屋)

 避難小屋は2棟あり、1棟はピカピカだった。新築工事中で旧小屋は「老朽化のため使用禁止」になっていた。誰もいない小屋の前で一服していると、ガランガランと熊鈴を鳴らしながら若い2人の工事関係者がやって来た。この2人は毎日日帰りで仕事をしているという。

 彼らの熊鈴を見て、この辺に熊がいるのかを訊いてみると、「つい先日、広島県側で熊に襲われた人がいるので、ここに絶対にいないとは言えない」とのこと。私も熊鈴を付け、ホイッスルを首からぶら下げた。