仙ノ倉山(せんのくらやま)

(2,026m、群馬、新潟)  115座


平標山ノ家から見た仙ノ倉山。ガスっているのが残念。


平標登山口〜松手山〜平標山〜仙ノ倉山〜平標山ノ家〜平標登山口

2003年7月27日(日)

相模原430−川越IC−湯沢IC−(R17)−745平標登山口755〜952松手山〜1152平標山1215〜1313仙ノ倉山〜1407平標山〜1435平標山ノ家〜平標登山口

 6月中旬頃から梅雨の晴れ間を縫って山へ行こうと思いながら、週末になると天気が思わしくなかったり、転勤などもあって、ついに7月最後の週末になってしまった。
 もう雨など気にしてはいられない。無性に花が見たくなり、花が多いといわれる上越国境にある平標(たいらっぴょう)山と仙ノ倉山へ行くことにした。

 朝4時30分に車で家を出発。16号線で信号待ちをしている時、正面に先月登ったばかりの大岳山がクッキリと見えて嬉しくなった。
 東の空が朝焼けに染まっていた。朝焼けは悪天気の兆しというので嫌な予感がしたが、それがまさに的中。川越ICから関越自動車道に乗るとすぐに雨が降ってきた。雨に降られることも覚悟はしていたが、本当に降ってくるとガッカリする。

 雨はいつの間にか止んだ。湯沢インターで降りて17号線を南下して行く。元橋の平標登山口へ7時45分着。駐車場にはすでに50台ほど止めてあった。ここは高山植物のメッカといわれるので人気があるのだろう。

 車から降りると、いつの間にか頭上には紺碧の空が広がっていた。久しぶりに見る紺碧の空に、つい嬉しくなってカメラを取り出し、駐車場やその脇にあったトイレなどを撮ってしまった。

 7時55分駐車場発。
 駐車場から20メートルも行くと、平標山ノ家方面と松手山方面の分岐があり、私は左手の松手山へ向かった。

 橋を渡ると右手にテニスコートがあり、すぐに登山道になった。カンパの樹林帯の急登。薄暗くて気味悪い。木の階段を一段ずつ登って行く。今朝降った雨のせいでいたる所がぬかるんでいた。

 25分ほど登って一汗かいた時、展望のよい高台へ出た。前方に鉄塔が見え、背後には苗場山が見えた。
 ここからも急な木の階段が続く。しかし、時々さわやかな風が吹き渡る。汗ばんだ身体には心地良い。久しぶりに気持のいい汗をかいたような気がする。

 急登を登りきると大きな鉄塔があった(9時2分着)。鉄塔の脚の陰で先客3人が休んでいた。私は強い日差しを浴びながら腰を下ろして一服。この鉄塔は高さが120メートルもあり、柏崎の原発から首都圏に送る100万ボルトの送電線だという。
 私が一服している間にも、続々と登山者が登って来た。みんなお花を見たい一心に登って来たのだろう。

 正面に立ちふさがるボッテリした山が松手山だろうか。それにしてはちょっと近すぎるような気がする。
 そのボッテリした森林に覆われた山を登って行くと、白いヤマアジサイや紫色のイブキトラノオ、ハクサンフウロなどが咲いていた。しかし、写真を撮るほどではなかった。

そこを登り切ると、前方(写真右)に日高連峰の幌尻岳のような山容が目の前に広がり、思わず目をみはる。あれが平標山だろうか。それにしても幌尻岳に似ていると思った。

 そこから平坦な道を5分も行くと松手山の山頂だった、9時52分着。出発してちょうど2時間だった。

 山頂には5、6人の先客がいた。私もここで大休止とする。
 隣でラーメンを作っていた中年のご夫婦が、
「お花がいっぱい咲いてましたよ」、というので、
「そうですか、どの辺に咲いてましたか」と聞くと、山を指さしながら、
「あの山頂近くからハクサンフウロがいっぱい咲いてますよ。それに仙ノ倉へ行くとニッコウキスゲも咲いてましたよ」との言葉に、が然ファイトが湧いてきた。


(松手山の山頂)

(松手山から平標山を望む)

 ここから急な稜線を歩いて行くと、クルマユリやハクサンフウロなどが咲いていた。

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 ペースは落ち、ヨタヨタしながら平標の山頂へ着いた。11時52分着。広い山頂には5、60人もいて驚いた。座る場所もないほどだった。山頂へ立った時はガスがかかってしまい肝心な仙ノ倉山は見えなかった。

 山頂には座る場所がないこともあったが、一瞬でも晴れたら仙ノ倉岳を見逃さないように木の階段を少し下った所で弁当を広げる。

 12時15分発。仙ノ倉山を目指して下って行く。視界が200メートルぐらいから100メ−トルと悪くなって来た。
 途中にお花畑があったが、ほとんど咲いていなかった。

 鞍部まで下り、今度は仙ノ倉への登りにかかる。登り出してすぐニッコウキスゲの群落があった。思わずヤッター!! 写真を何枚も撮った。


(平標山頂からガスの切れ間にわずかに見えた仙ノ倉山)

(ニッコウキスゲが咲くお花畑)

 ややなだらかになった斜面を登って行くと、こんどは木道になった。周りは湿原のような草原になっていた。あいにくお花は咲いていなかった。振り向くと平標がガスに霞んで見えた。

 途中にシャクナゲが咲いていた。背丈が低く、白い花だった。目指す仙ノ倉山は目の前にあるはずだが未だに姿を現さない。

 山頂近くなるとハクサンフウロの群落があった。嬉しくて何枚も写真を撮った。


(仙ノ倉方面から返り見た平標山)

(ハクサンフウロ)

(シャクナゲ)

 ピークを登り詰め、山頂かと思ったがニセピークだった。ここは本当にニセピークが多い山である。

 何も見えない山頂へ13時13分着。平標山からちょうど1時間だった。山頂には5、6人の先客がいた。若い二人連れにシャッターを押してもらった。
 山頂では立ったまま一服して、すぐに引き返した。何も見えない山頂に長居は無用である。

 鞍部まで下った時、背後に仙ノ倉がボンヤリと姿を見せた。しかし、シャッターは押せなかった。

 再び平標山の山頂へ立った。(14時7分)。山頂には2人しかおらず先ほどの混雑がウソのようだった。私も写真を1枚撮っただけで、すぐに平標山ノ家を目指して下って行った。

 下り出して10分も過ぎないうちに頭上に青空が広がって来た。マッタク!腹が立つなあ・・・。

(写真は平標山からの下り。平標山ノ家の背後の山が格好いい。大源太山だろうか?)

 14時35分、小屋着。庭先にザックを放り出し、缶ビールを買って飲んだ。うまい、最高! これがあるから止められない。

 小屋前でビールを飲み、残った弁当を食べ、テルモス(魔法瓶)のお湯でコーヒーを飲みながら仙ノ倉山が見えるのを待ったが、一向にガスが切れないので下ることにした。

 ここからは樹林帯の中を下って行く。ここも木の階段だった。松手山に比べるとこちらの方が斜面が緩いようだった。約30分程で林道へ出た。

 ガイドブックには林道へ出た所に「水場」と書いてあったが、水場はなかった。ガッカリしたが、2、30メートルほど歩いた所に小さな沢があった。
 林道は舗装されていなかったので歩きやすくて助かった。しかし、原生林の中の一本道なのでクマが出やしないかと心配だった。

 この山は確かにお花が多かった。決して期待を裏切らなかったが、時期を6月下旬か7月上旬にすれば、もっとすばらしいお花見が出来ただろう、と思った。