蓼科山(たてしなやま)    26座目

(2,530m、 長野県)


竜源橋付近から見た蓼科山。白く見えるのは樹氷。


女神茶屋〜天祥寺原〜将軍平〜蓼科山〜蓼科登山口

1994年5月7日(土)

相模原−相模湖IC−諏訪IC−蓼科温泉(泊)−女神茶屋〜将軍平〜蓼科山〜蓼科登山口

 蓼科白樺スカイラインを走っていると、山頂部に白い雪をかぶった蓼科山が富士山のように見えた。

 蓼科山の登山口である女神茶屋の駐車場へ車を止め、山頂付近をよくみると、白く見えるのは雪ではなく樹氷のようなのでピッケルとアイゼンは車に置いていくことにした。

 車道を竜源橋まで戻り、大河原峠へ向かって進んで行った。1時間も登ると天祥寺原といわれる高原状になった所へ出た。

 しばらく行くと分岐があり、真っ直ぐ行く大河原峠への道を捨てて左手の将軍平を目指して行った。今まで左手に見えた蓼科山を右から周り込むように進んで行く。

 この辺はクマザサが生え、道はぬかるんでいた。蓼科山は車道から見えた富士山のような山容ではなく、先が尖った三角錐に見えた(写真左)。雪は全くなくピッケルとアイゼンを置いてきて正解だと思った。

 しかし、将軍平まで行くと一変した。周りは残雪で埋もれ、蓼科山は冬山のように残雪がきらめいていた。山容は丸く、全く別の山のようだった。

 それにしても、人が大勢いるのには驚いた。ここへ来るまで誰とも会わなかったのに、どうしてこんなに人がいるのだろうか。どうも、蓼科牧場からゴンドラリフトを使って来る人や、御泉水まで車で来る人が多いようだ。

 将軍平からは一気に170メートルの登りになる。しばらくは針葉樹の中を登って行くが、すぐに残雪の山になった。天まで続いているような急斜面に、滑り台のように一本道がついていた。そこを一列になって登って行く。アイゼンもピッケルもない私は、時々両手を着いて登って行った。そして、せめてここを下りにとらなくて良かったと思った。


将軍平から見る蓼科山

残雪の急斜面を登って行く

 山頂は旧い火口跡のようで3〜4mも凹んで平らになっていた。残雪はほとんどなく、野球場がスッポリと入ってしまいそうな広い山頂の真ん中に、鳥居と祠があった。

 しかし、あの神社がある所が山頂とは思えない。良く見ると外輪山に三角点があった。

(三角点でハイ、ポーズ!)

 三角点の近くで弁当を広げていると、ガスが流れ出した。
 ここはガスに巻かれると、何処を下ってよいか分からなくなりそうだ。昼飯を途中で切り上げて急いで下ることにした。

 下りは山頂から蓼科登山口へ向かって一気に下った。ここは将軍平のコースと違い雪は全くなかった。駐車場から白く見えたのはやはり樹氷だった。
        (平成6年)