祝島の日々 2007 4〜6月


甲イカの販売、加工
 甲イカが獲れはじめると、島では女性グループが新鮮な甲イカの販売、加工をはじめます。

 毎年、この時期になると島の人たちは自分たちが食べる分だけでなく、島の外にいる子供や孫たちのところに甲イカを送っています。

 ただ、今年は甲イカの漁獲量がかなり少ないようで、下関のほうでは例年の3分の1しか水揚げがなかったそうです。

島の女性が手作業で甲イカの「しご(処理)」をしています
 祝島でも今年の甲イカの漁獲量はかなり少なめで、刺身用甲イカや甲イカの燻製などの加工品の生産量もかなり少なくなってしまいました。
(記7/2、撮影5/31)


イカ巣籠漁の準備
 祝島では4月から6月が甲イカ漁の最盛期です。

 甲イカは、イカ巣籠漁という漁法で漁獲します。

 これは、籠の中に笹や竹の先などを入れ、これに産卵しようと入ってくる甲イカを獲るやり方で、瀬戸内海では各地で行われている漁法です。

 また甲イカだけでなくタコなども入ることがあります。

 イカ巣籠漁(漁師のお仕事)

祝島のイカ巣籠漁は、笹や竹の先を籠の中に入れる
他の地域や島では、また違った木を使うらしい
(記7/2、撮影4/19)


祝島びわの選果作業

びわの実がいい色に熟しています


痛みやすいびわの実は、ひとつひとつ丁寧に


この地面に置かれたびわは、味はいいのだけれど傷や痛みなどがあって出荷できない「くずびわ」

今後はこの「くずびわ」も、有効に活用していく取組みを行っていきます
 祝島びわの選果作業は、農家が丁寧に手作業で行っています。

 手間と時間がかかるのですが、びわはとても痛みやすい果物ですので、ひとつひとつを大事に扱います。
 

 選果作業では、傷や痛み、病気等で出荷できない実も出ますが、これを「くずびわ」と呼んでいます。

 味は良くても大きな傷があるため見た目が悪いびわ、痛んだ部分を除けば十分美味しいびわなども、出荷できないので今までは全て畑に捨てて土に戻していました。

 しかし現在、出荷できないくずびわのなかでも特に味が良いものを加工に回したり、あるいは種を取るなどして、なんとか有効に活用するよう取組んでいます。

 田布施町にある「自然菓子工房 欧舌」さんでは、こうした味は良くても出荷基準に合わない祝島のびわを使ったお菓子を製造されています。

 またびわの種は健康食品として扱われているため、祝島市場でもメールなどで予約をいただいたお客様にのみ、発送をしています。
 びわの種は今年は多少ストックがありますので、ご入用の方は祝島市場までご連絡ください。
(記7/2、撮影5/28)


祝島びわの収穫
 祝島びわはハウス栽培でなく露地栽培のため、収穫は例年は6月上旬から本格的に始まりますが、今年は春から気温が高かったため、少し早めの5月後半から始まりました。

 この春からの高温のためか、早く熟した実には「へそぐろ」と呼ばれる傷病果が多く発生し、収穫量は少なめになってしまいました。

 しかし雨もかなり少なかったためびわの甘みも十分で、味に関しては例年以上の美味しいびわが収穫されました。

摘果をしなかったびわの実は、小さい実が鈴なりに

小さいけれど美味しさは格別で、祝島ではこういった袋をかけずにならせたびわを「裸びわ」と呼びます

痛みやすくて出荷用には向かないものの、「味はこちらのほうが甘くて美味しい」と島の人は喜んで食べています
(記7/2、撮影5/24)


びわの袋かけ
 びわはとても傷みやすい果物ですので、果実に傷がつかないよう、また直射日光で皮が日焼けをしてしまわないよう、実が青い時期に一房あたりの実を2〜3個に摘果し、袋をかけていきます。

 通常は3月後半から4月あたまに袋をかけだします。

 早く袋をかければ実につく傷も少なく、また熟す時期も少し早くなるので、なるべく綺麗な実を早く収穫しようとする人は、2月後半から袋かけの作業を始めます。

 逆に袋をかける時期を遅くすると、早く袋をかけたものに比べ熟す時期は少し遅くなります。

 しかし甘さや風味は一段と増すので、多少傷ものが多くなってもより甘くより美味しいびわを収穫したい人は、ぎりぎりまで袋をかけるのを遅らせ、びわの実に太陽の日を浴びさせます。

(ちなみに祝島市場では当サイトの管理人も含め、なるべく袋かけを遅らせた生産者のびわを発送しています。)


まだ青いびわの果実(4/19に撮影)
これを一房あたり2〜3個に摘果し、袋をかけていく




この袋かけも、もちろん手作業
一個一個かけていきます

 この袋かけの作業はとても時間がかかるため、ベテランの農家でも早朝から夕方まで一日中作業をしても一人当たり800袋程度が限界だそうです。

 祝島では、ワンシーズンに2万枚以上袋をかける農家もいます。

(記7/10、撮影4/19、5/7)


祝島に「びわ」エコファーマー、誕生
 祝島にびわ栽培のエコファーマーが誕生しました。

 認定者は林市昭さんと、山戸孝(当サイト管理人、びわ農家もしています)の2名です。

 エコファーマーとは持続性の高い農業生産方式を導入する農家を認定するもので、いわゆる減・無農薬農法や有機質肥料の導入などにより、環境に付加の少ない農業方法の普及が目的となっています。

認定書を受ける2名
林さんは田んぼが忙しいため奥さんが出席

 祝島では元来、ほとんどの農家がびわの無農薬栽培を行ってきており、また肥料についても収量を増やすために化学肥料を過剰に投入することもないため(化学肥料をやりすぎるとびわの実の食感が堅くなってしまいます)、実質的にはほとんどのびわ農家がこの資格を有していると言っても過言ではないと管理人は考えます。

 ただ、びわ農家の高齢化が進む中で、書類の記入の煩雑さや、全生産者による生産方法を今の時点で完全に統一するのは難しいという判断から、祝島びわ部会全員による取得は見送り、今回の有志2名による取得となりました。

 もちろん他の生産者も今後のエコファーマーの資格の取得を視野に入れていますが、美味しく安全なびわを食べてもらうことが何より大事であるという考え方を、祝島のびわ農家は資格の有無は関係なく持っているということは、祝島のびわを心待ちにされている方々にお伝えしたいと思います。
(撮影5/9)


桂文珍さん、来島。放送は7月7日。
 NHKのハイビジョン放送番組の撮影が、今週あたまより祝島で行われています。

 島を訪れる旅人は桂文珍さんで、5/9の晩便で来島しました。

 文珍さんが定期船「いわい」から降り立つと、さっそく船着場周辺では人だかりが。

船着場前で、さっそく人だかり

 祝島の人たちや帰省客は文珍さんのところにわっと寄ってきて、携帯やデジカメで記念写真を撮る人も多いのに、いざテレビカメラを向けられると恥ずかしがって逃げてしまうので、文珍さんは「ここの人たちは遠慮なく写真を撮るわりに、カメラが向いたら照れるんやなあ。どないなってん(笑)」と笑っていました。

 撮影自体は約一週間ほど行われるとのことで、石積みの練塀や平さんの石垣、びわの袋かけの様子などが紹介されるとのことです。

 番組はNHKのBSハイビジョンで、7月7日の七夕の日に放送されるとのことですので、見られる方はぜひご覧ください。
(撮影5/9)


祝島で豚が復活!
 今年の春、島にUターンで帰ってきた氏本長一さんが、祝島で豚の放牧への挑戦を始めました。

 この日は美祢市にある山口県農林総合技術センターから母豚になる2頭が運ばれてきましたが、祝島は離島なため、もちろん運搬には船が使われ、多少、波があったこともあって豚たちは少々船酔い気味のようでした。

豚を見守る島のおばちゃんたち
豚を見て「きれいなピンクでお尻もかわいいねえ」

 しかし三浦湾に作られた柵の中に放されると船酔いはどこへ行ったのか、見物に来た島の人たちや関係者、また取材のマスコミ陣には目もくれず、ちょうど時期的に鳴らされるびわのカラス避けの爆音も気にせず、雑草を食み、ひたすら鼻で地面を掘って餌のミミズを探していました。

 氏本さんはこれまでは北海道の宗谷岬にある「宗谷岬牧場」で牧場長として勤め、ここの牧場は肉の味はもちろん、BSE問題が発生したときにも事前に飼料の問題やトレーサビリティにも取り組んでいたため、大きな評価を得ています。(管理人注:特にここのハンバーグは絶品です!本当にお勧め!)

 祝島でも以前は、特に戦中・戦後は豚だけでなく牛や鶏など家畜の飼育は盛んでしたが、現在はされていません。

 また現在は農家の高齢化に伴い耕作放棄地も多くなっており、そこで氏本さんは、自らの経験を生かし、牛よりも飼育や搬送が容易な豚の放牧に取り組み、耕作放棄地を有効活用することに着目しました。

 それだけでなく、島の豆腐屋さんの豆腐のおからや、これまで畑に戻していた無農薬栽培びわの摘果した実、またびわや早掘り甘藷などで販売できない規格外のものなど、島の中で出るものを中心に飼料にし、循環型の豚の放牧に取り組んでいくとの事で、島の人たちもこの新しい取組みに期待を寄せています。

関連リンク
氏本農園・祝島だより(氏本さんのblog)←5/9追記
祝島で放豚の循環型農業:中国新聞
【うまいものが食べたい】 宗谷黒牛:朝日
(撮影5/7)


青いびわの実
 祝島の特産品、びわの実が大きくなってきました。

 既にほとんどの畑では、びわの実に傷をつけないための袋がかけられています。

 その袋の中のびわの実は、早生の品種ではすでに黄色く色づき始めているものもあり、日ごとに強くなる日差しを浴びながら収穫のときを待っています。

袋がかけられた「びわ畑」

 昨年の台風の影響で九州地方のびわ産地では収穫量がほとんど見込めない地域もあるそうで、全国的に今年のびわは高い価格になりそうです。

 また祝島では、今年は全体的に例年より実が小粒だという農家の声が多く、特に大きなサイズのびわはかなりの貴重品になりそうです。

 当サイトでも取り扱っている「祝島びわ」は、毎年、たいへん多くのご注文をいただいていますが、今年は申し訳ありませんが大きなサイズのものに関しては、価格の変更や、ご注文数の限定をさせていただく予定です。

関連リンク:祝島のびわは世界一!
(撮影4/19、26)



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