ウニ採り



祝島のウニの口開けは6月の終わりから7月の初めで期間は二潮ですが、
大潮のときしか採ることは難しいので実質は8〜10日です

ウニ採りの権利は、本来は漁協の正組合員にしかありませんが、
祝島では昔から島の人たちはウニを採っていたので
正組合員でない人も歩金を漁協に支払えば入漁権を得る事ができ
その年はウニ採りができるようになっています
(ただし祝島の人に限ります)

種類は主にバフンウニで、あまり大きくありませんが
甘味が強く、味はとてもいいです



年に一度のウニ採りなので、島の人たちはとても楽しみにしています
そのため、少々天気が悪くても出かけます

体力のある人は少し沖に出て潜り、体力の無い人は海岸近くで採ります
それでも半身海に浸かりながら石をひっくり返したりするので、とても疲れるそうです



採ったウニの殻を割って中身を取り出すことを祝島では「しご」と言います
これはウニだけでなく、魚をさばくときなどにも使います
用例・「アジのしごをせる」→「アジをさばいて刺身などにする」

左の写真の下の鋏ののようなものでまずウニの殻を割り、
上の耳掻きのようなもので中の身を取り出します

殻を割って身を取り出す作業はたいてい家の庭などでします



まずウニの口(裏側)に先を突っ込んで割ります
通常の鋏とは逆に、柄を握ると先が開く仕掛けになっています



中に詰まっている身を内臓ごとボウルの中に掻き出します



すべてのウニの中身を掻き出したら、それをもって浜辺へ出ます

まず穴の空いたボウルに中身をある程度入れ、それを海水で洗います
これは絶対に海水で無いと駄目で、
真水でウニを洗うと味も素っ気も無くなってしまいます



海水で洗うと、当然海水に汁や細かい内臓などが流れ出ます
それを目当てに魚がたくさん集まってきます

左の写真ではちょっと見えにくいかもしれませんが、ボラが集まってきています
右の写真ではボウルに頭をくっつけるほど近づいてきています



洗い終わると、ボウルの中には身と大きな内臓だけが残ります

残った内臓は箸でひとつひとつつまんで海に捨てます



海に捨てた内臓は、ボラなどの魚がきちんと食べてくれます



ボウルに残った身をざるに上げます

これだけの身をとるにはかなりの量のバフンウニが必要です



とれた身は、生でそのまま食べるか、生のまま冷凍保存するか、
塩漬けにして瓶詰めします

このウニを食べられるのは、島の人か、島の人に送ってもらった人だけ
ウニ採りは、本当に島の人たちだけの楽しみと言えるのかもしれません
(祝島漁協ではウニは販売していませんのであしからず)




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