●県内に9千人
法務省入国管理局によると、07年末現在で全国の外国人登録者約215万人のうち、中国籍の人は28・2%にあたる約60万人と、韓国・朝鮮籍(27・6%)を抜いて最も多くなった。
県華僑・華人総会によると、県内には約9千人の中国人が在住しているという。劉会長は「同胞の大半は日本語が話せるが、来日から日の浅い留学生らは日本語での試験は困難」と、中国語での試験の必要性を訴えている。また、導入される場合には「力になれる部分があれば、協力したい」と話している。
●3県警で実施
警察庁によると、外国語による運転免許の学科試験については「各都道府県警が判断して実施している」という。同庁のまとめでは、現在、英語での学科試験は29都道府県警が実施している一方、中国語で受験可能なのは宮城、徳島、熊本の3県警だけ。中国語の導入が進まない理由として、同庁は「必要な翻訳経費や中国語を話せる試験官の確保が困難なことなどが考えられる」としている。
熊本県警は同県内在住の外国人からの要望を受け、04年から普通免許、普通仮免許、原付き運転免許の学科試験に中国語を導入。徳島県警は00年から中国語と韓国語を学科試験に導入している。99年に全国で初めて中国語の試験を導入したという宮城県警では、07年に延べ1755人が受験。02年からは、試験を円滑に進めるため、中国語のできる試験官も配置している。
●昨年から英語
岡山県警は昨年から、英語での試験を導入している。中国語の試験を実施していない理由として、さらなる財政負担が必要▽中国語のできる試験官の確保が困難――などを挙げている。要望書を受けた山部課長は「予算の問題がある中、即答は難しい」とし、「まずは外国免許の切り替えの制度を活用してほしい」と求めた。
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