「多文化共生議員の会」10周年でフォーラム 三重県内6団体が発表 外国人支援など活動

【多文化共生の取り組みを紹介するフォーラム=津市一身田上津部田で】

文化や国籍などの違いを認め合う「多文化共生社会」の実現を目指す三重県内の議員らでつくる「三重多文化共生を考える議員の会」は19日、結成十周 年を記念して「多文化共生フォーラム2017inみえ」を、津市一身田上津部田の県総合文化センターで開いた。多文化共生社会の実現に向けて精力的に活動 する県内の六団体が取り組みを紹介し、約200人が来場した。

議員の会は平成20年4月に結成し、民進党系を中心に県内選出の国会議員や県議、市町の議員ら29人で構成。外国人の生活実態を調査したり、外国人の子育て支援を県や市に要望したりと、主に外国人をめぐる問題の解決に取り組んできた。

フォーラムはこれまでの取り組みを振り返り、今後に生かそうと初開催。多文化共生ネットワークエスペランサ▽県立みえ夢学園高▽笹川子ども教室▽愛伝舎▽青山里会▽牧田地区地域づくり協議会―の代表者が、それぞれの取り組みを壇上で紹介した。

このうち、エスペランサのメンバーは、外国人の貧困家庭などに食料や日用品を配布したり、運転免許試験の多言語化に向けて要望活動に努めたりしてきたことを報告。子ども医療費窓口無料化の実現を目指して取り組んでいることも紹介した。

議員の会で代表世話人を務める藤田宜三県議(新政みえ、三期、鈴鹿市選出)は開会に先立ち「違った文化の人らが尊重し合って生きることができれば、新たな豊かさが生まれる。国籍や文化を超えて交流し、ますます魅力的な県にしよう」とあいさつした。

来賓の鈴木英敬知事は「米国で人種差別が大きな問題になっている。理解し合う気持ちを育むことが大事。議員の会の活動は意義深い」と祝辞。前葉泰幸津市長は、市内在住の外国人が約7500人に上ると紹介し「違いが豊かさを生む社会にしたい」と述べた。