★★路盤の取り付けとレール敷設★★
模型の雑誌で最初に読むのは、レイアウトの記事ですし、レイアウト特集の増刊は穴があくほど読みふけっていましたので、いつのまにか知識だけは頭に詰まっていたようです。まずベースボードに脚の板材(以下ライザーと称します)をたてる位置をけがき、ビスどめしたいところにキリかピンバイスで穴をあけておきます。そして木工用接着剤で仮どめしたあと、ひっくり返して、穴をガイドにビスを締めていきました。(この方法がどの雑誌または本に掲載されていたかは忘れました)ライザーが固定されたら、路盤のベニヤ板を乗せるのですが、その前に交差となっている線路で下にくるものを先に敷設する必要があります。直接ベースボードにケガキした路線図どおり、線路を固定。通常道床付きの線路を固定する場合、犬釘などの小釘を使いますが、あえて接着剤を多用しました。トラブルがあったときに簡単には取り替えができないのはわかっていましたが、ユニトラックへの信頼と、トラブルがあったら全面的に作り直す気でいましたので、完全に固定してしまいした。そして通電して車輌の走行をチェックした後、高架の路盤をライザーの上にのせます。一旦ライザーの接着面に薄く木工用接着剤を塗り、路盤を位置をあわせてそっと置いてからすぐにはずして裏返すと、接着剤が路盤の裏側にマーキングとしてつきます。その中にビスどめの位置の小穴をあけ、今度はきちんと接着剤を塗布して、路盤をしっかりとのせてビスで固定しました。高架の路盤ができたところで、その部分の線路を敷設。この際、ポイントやフィーダーのコードは、ベースボードに穴をあけ、下へ出しておくのはもちろんのことです。
★★舞台裏の配線引き回しと
接続プラグ★★
ベースボードの裏へ出した配線は、最終的にひとつにまとめて、各ブロックのフレームにとりつけた接続用のプラグ(コネクター)に集まるようにしました。昔から言われているように、コードを真っ直ぐにブラグにもってくるのではなく、まずブラグのある側のフレームまで、それと直角に交差するようにのばします。そしてフレームの裏に沿って次々と他のコードが合流し、プラグにだとりつくようにしています。この辺りは言葉で説明するのが非常にむずかしいのですが、要するにプラグから放射状に一直線で結ぶのではなく、フレームに沿った本線から最寄の地点で枝別れをさせていく感じです。そしてコードをベースボード裏に這わせるには、垂れ下がらないように固定する必要がありますが、これにはホームセンターで売っている金属製で裏に両面テープのついている配線固定用のフックを多用しました。安価ですので、大・小ふたつの種類を袋入りで売っているのを購入。両面テープだけでは不安ですので接着剤を併用して裏面に固定し、最後にフックにコードを通して爪を折り曲げていけばOKです。
接続用のプラグをつけている理由は、分割して収納する際にコントロールボックスと切り離さなければならないからで、また一本ずつ接続するのは面倒だからですが、この接続ブラグは、実は25年ぐらい前に最初のレイアウトを作りかけた頃、大阪・日本橋の電気パーツ店で買ったものをずっと残してあったものです。当時よりレイアウトが大きくなったため当然数が足りず、またまた日本橋に出かけることになり、なんと25年前と同じ店(だと思っている)に行くと、ほとんど同じブラグが数個売られていました。びっくりして店員に問い合わせたところ、生産中止となり店頭とメーカーに在庫があるだけとのこと。すぐに必要な数をメーカーへ発注して取り寄せてもらい、過去の遺物?も活躍の場を得ることができました。最近のプラグはオーディオ用やバソコン用のピンの細いものしかなく、あまりに細いとコードをハンダづけするのがやっかいと思っていましたので、これには大変助かりました。
★★コントロールボードと
そこまでの配線★★
レイアウト設計のコンセプトでも述べましたが、複雑な運転方法はとらない方針でしたので、単純なブロックコントロール方式にしてあります。本線4本と旧線・ヤード引込線の計6線に、それぞれ1台ずつパワーパックを割りあててあり、いわば独立したブロックの路線にしました。ポイントで各線の間を移る場合は、進行方向と出力電流を合わせてからポイントを切り替えるという、極めてアナログ的運転をしており、ひとりで運転するならこれで充分と思っています。最近はDCCなどという便利なコントロール方式も普及しつつありますが、当時はその名前すら知りませんでした。もし知っていて現在のレベルまで広まっていたなら、検討の余地はあったかもしれません。それから、フィーダーについては、これだけの線路長があり、またブロック間の線路の接続をスライド線路でする以上電圧低下は免れず、1ケ所では足りませんので、ほぼ対角線上に各線2ケ所としました。
ポイントの切り替えも極力シンブルにと、スイッチはKATOのユニトラック用を使用し、パワーパック3台の横にずらりとつなげてあります。ただ、これだけの数のポイントがあると、どのスイッチがどのポイントのものなのか、分かりづらくなります。当初、ポイントだけは路線図に組み込んだスイッチでしようと考えたのですが、なにしろ電気には疎いので自作にも不安があり、またKATOのスイッチは大きいため路線図には組み込めず、あっさりとあきらめました。そこで駅の各線への入口・出口や渡り線など、ふたつ以上のポイントが「対」になるものは、配線をひとつにまとめ極力スイッチの数を減らしました。路線図につけた各ポイント番号をスイッチにもつけて、照合しながら切り替えています。実物の操作と同じく指差確認しながらで、結構おもしろいと感じております。
コントロールボードは、ペニヤ合板で作成し、ケント紙に色分けして書いた路線図には透明アクリルでカバーをしています。そして、足元にはキャスターをつけて移動しやすくしてありますが、これは、部屋の周囲を走行するレイアウトでは、固定してしまうと首を何度もひねることになるので、それをなくすためです。各ブロックのフレームにあるプラグからは、ケーブルをのばし、コントロールボードの裏側から入り、スイッチ等につながっています。電気に詳しい方からみればなんともお粗末と思われるでしょうが、私の電気の知識では、このぐらいがメンテを行う際もシンプルでよいのではないでしょうか。
(次回からはブロックごとの製作記に移ります。実際の製作もブロックごとに行いました。)