午前2時に出発し、2時間後には琵琶湖に到着。午前6時から釣り出し、予めチェックしておいたポイントを5つほどまわるが午後3時までアタリひとつ無し。今日はボウズかと考えていた。
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こっ、この顔は・・・!まさか船長・・・!?
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決してグチなわけではないが、同行したS本主任は10cm程のバスを3匹釣るも仕掛けがセコい。ワームもクリ○リスほどしかないちっちゃなものだ。私はそのような仕掛けを用意しているわけでもなく、またそのようなバスに用事があって来たわけでもない。ポイント変更の意思を伝えるも、『ここ、おんでぇ〜』とオムツを交換してもらった赤子のような表情でセコ仕掛けをキャストしている。馬耳東風だ。密かにドライバーにさせている以上何も言えなく、脳細胞は『これでいいのかよ?』と無限ループを繰り返す。日も落ちてきた。気持ちも焦る。バス釣りって精神的にもダメージ食うなぁ・・・。
こうなったらセコ釣りに走るしかない。とりあえず1本だ。そこら辺に捨てられたワームが落ちている。私は美化運動に協力しようとそのワームを拾い、そしておもむろにビチビチとちぎり始めた。するとなぜかそれはS主任が愛用しているセコワームと同じ大きさになっていた。いつの間にかS主任がフックを持ってきていた。『これを使え』、『S主任・・・』私は涙した。『いいんだ、さぁ早く、、、』涙を拭いながらキャストした。するとあろうことかヒット!ピョ〜ンと上げると、それは小さな子ギルであった。子ギルはうつろな目で『やるな、兄さん』と言わんばかりに私の目を見ている。「ちょっと楽しいぞ」「いや確かに楽しい」悟りを開いた気持ちになった。
日も下り、そろそろ潮時かと感じはじめたが、ひとつ気になるポイントに戻りちょっとだけやってみようと準備をした。ここにはバスがいると本能が訴えかけてきたからだ。使用ルアーは「CB200」。心の叫びと共に『飛んでけぇ〜!』と、ちょっと恥ずかしい叫びをしてしまった。が、ジャストキャスト!「来る!」本能がまたもや疼きだした。そして『ヒット〜っっ!』ラインがありえない動きをしている。冷静な私はエビぞりのように3回も合わせていた。それでも過去数十回のバラシを経験している私は安心できず、バスの唇がちぎれる位のスピードで巻いた。決して焦っているわけではない。私は冷静だ。『うりゃぁ〜!』またもや恥ずかしい叫びを発しながら、バスを上げることに成功した。
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本日のライターhiro。なかなかグッドサイズだ。ルアーも付けっぱなし
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ゲットしたバスは32cm。オスっぽくナイスガイなバスは何か言いたげだ。「お前もなかなかナイスガイやで」。バスは私に釣られたことを誇りに思っている事を後に知った。
気配を感じた場所にキャスト、そしてヒット。戦略ゲームでもあるバス釣りの理想ではないか。気を良くした私は怒涛の攻撃を日本一の琵琶湖に仕掛けた。が、その後バスが上がる事はなかった。
教訓 「人の振り見て釣りするな 自分に正直な釣りをしろ」
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