FIRST CONTACT
俺の心が変わっていく・・・。何処か冷めた心だったのに・・・―― 。
あいつが現れてから、おかしい。この衝動が抑えられない。
あいつは、俺の心の融解剤・・・―― 。
青春学園中等部・テニス部。中学テニス界において名の知れたこのテニス部に嵐が起こった。
「お疲れ様でしたぁ。」
いつもの練習が終わり、中1はコートの整備をしている。その様子をじっと眺める男が一人。
テニス部部長・手塚国光だった。
コートの整備が終わったのか、中1はコートから出て行く。皆、手塚に頭を下げていく。
最後に一人、中1とは思えない程の態度で頭を下げる少年―― 越前リョ―マ。
「越前、話がある。」
「なんすか?」
「ここでは話し難いから、部室へ来い。」
手塚はリョ―マの返事を待たずに部室へ向かった。リョ―マは部長に呼ばれる理由がわからない
という表情でついていった。
―― 部室 ――
「越前、今度の日曜日また、試合をしようと思う。」
「部長とですか?」
「ああ、そうだ。前の試合の俺の言った事がどれだけ役に立っているか知りたいしな。」
「わかりました。」
心の中では「めんどくせぇ〜〜。」という気持ちと「楽しそうだ」という気持ちが交じり合っている
リョ―マは、普段通りの興味なさ気な表情で答える。
「話はそれだけっすか?」
「ああ。」
「失礼します。」
ラケットケースを持ち上げて、ロッカーへ向かおうとしたリョ―マはその行動を遮られる。
「なっ!?」
力強い勢いで、振り向かされたリョ―マは身に起こった事を理解できなかった。
彼の身長に合わせて腰をまげて、リョ―マの唇に己がそれを重ねる手塚。
頭で危険信号が鳴り響いているのに、体を動かす事ができなくなったリョ―マ。
彼が拒絶反応を起こさないと思った手塚は、舌でリョ―マの唇を舐めて開くように促す。
その瞬間、呪縛から解き放たれたかのように、リョ―マが手塚を突き放した。
「なっ、何するんすか!?」
羞恥で顔を赤くしながら、リョ―マは不平の声をあげる。
「キス、しただけだ。」
謝る素振りも見せずに、手塚は答えた。
「どうして俺と?俺は男だ!!」
ゲーム中以外は滅多に感情を表に出さないリョ―マが、これ程までに感情をむき出す事は珍しい。
「君が男だったら何だって言うんだ?」
いつもの冷めた表情で訊ねる手塚に苛立たしさを覚えたリョ―マは
「失礼します!!」
未だに冷めない頬の熱を振り払うように首を振り、今日2度目となる言葉を告げる。
「待てよ。」
手塚もまた、今日2度目となる行動を起こす。
「放して下さい。俺、失望したっす。俺の中で部長はとても大きな存在だった。
同じぐらいの歳のプレイヤーで初めて、俺を負かした人だからだ。
だけど、今の部長がした事は・・・・んぅ。」
リョ―マはまたも手塚に唇を塞がれる。しかも今回は、話していた途中だったため塞がれると同時に
入ってきた手塚の舌を受け入れてしまった。
必死に逃げようと試みるが、力で適うわけもなく逃げ出すどころか手塚のペースにのせられていく。
「ふぁ、、、はぁはぁ、、、。」
初めてのディープ・キス、うまく息をすることさえできない。息苦しいと思った瞬間、唇は離れた。
そして・・・
「パシ―――――ン」
と、空気を切り裂くような音が部室に響く。
リョ―マが手塚の頬を叩いたのだ。二人を包む沈黙。
先に沈黙をやぶったのは手塚だった。リョ―マを押し倒すと両手を交差させて、上へあげる。
リョ―マは床に縫い付けられてしまったかのように、身動きができなくなる。
「手がダメなら、足で!」と思った瞬間、大きく足を開かされてその間に手塚が入り込んで、閉じないようにした。
「確か、俺が君にとって大きな存在になったと言ったな。なら、もっと大きな存在にしてやるよ。」
そう言うや否や、青学レギュラーのユニフォームである上着を脱がされる。
上着で腕と部室備え付けの机につながれた。
「はずせ!」
「ダメだ。」
しきりに首を振って抵抗してみるが、手塚は構わず、ユニフォームを脱がせていった。
上半身を裸にされたリョ―マは顔を真っ赤にして目をつぶる。自分のこんな姿を同性である手塚に
晒しているのかと思うと羞恥で、逃げ出したくなる。
リョ―マは12歳の少年ではあったが、今から自分の身の上に起こる事などわかりきっている。
そうこうしている内に、手塚がリョ―マの首筋に顔をうずめる。
「ひゅぅ、、、や、、、だ。」
首筋を蹂躙する舌の動きにリョ―マは初め、不快感を覚える。
体全体で不快感を露にしてみた。しかし、手塚はそんな事など気にも止めずに首筋から鎖骨、胸へと赤い跡を残していく。
「やぁ、、、んぅ、、、んぅ、、、。」
手塚の唇が下へ移動している間に、リョ―マの不快感がいつのまにか快感にすりかわっていた。
「んぅ、、、んぅ、、、。」
何とか声を出さないように努めてみたものの、手塚の攻めは容赦がなく、声が出てしまう。
「あんなに嫌がっていたクセに、もう可愛い声出してるな。」
手塚に耳元で甘く囁かれ、体中の熱がまたも上昇した。と、思った瞬間、いきなりリョ―マは下半身に
肌寒さを感じた。それもそのはず、手塚がリョ―マのズボンと下着を一挙に脱がしたのだ。
これには熱と快感のために薄れていっていた意識もはっきりしてしまった。
「何するんすか!やめ、、、はぅ。」
抗議の声を上げていたリョ―マはいきなり手塚に自身を掴まれて、息を詰めた。
「上の口は正直じゃないね。こっちはこんなに反応してる。」
そう言って手塚は、早くも体積を増し始めているリョ―マ自身を口に含んだ。
「いやぁ、、、あぅ、、、あぁ、、、。」
自分でもその場所にこんな刺激を与えた事がないリョ―マにとって、手塚の行為は虐待に近かった。
どうにか解放されたいと必死に声を上げる。そんな時・・・
突然、手塚がその行為をやめてリョ―マの口を手で塞ぐ。驚いたリョ―マは閉じていた目を恐る恐る開けてみる。
すると、手塚が口元に人差し指を立てて「静かに!」のポーズをとっている。
一体どうなっているのかわからないという表情のリョ―マの耳に聞き慣れた先輩たちの声が聞こえてくる。
「英二、忘れ物?」
「うん、部室かコートにラケットケース忘れたんだ。」
「ラケット?どうしてそんな大事な物を・・・。」
青学テニス部のゴールデンコンビ、大石と菊丸だった。
リョ―マは高鳴る鼓動までも2人に聴こえるのではないか?と思うほど、怯え始める。
自分の下で小さく震えているリョ―マに気付いた手塚は
「安心しろ、黙っていれば気付かない。」
と告げた。
「あれぇ?コートにないね。やっぱり部室かな??」
「鍵かかってるかもしれないぞ。」
「うにゃ〜〜ん、それは困るな。これから、練習に行けないよ。」
「諦めて、今日は俺のを使えよ、英二。」
「でも、試してみる。しまってたら、大石の借りる。」
その言葉を聞いたリョ―マは「これで終わりだ」と思った。
菊丸がドアに手をかけて、ノブを回す。もちろん、鍵はかかっているはずもなく、素直にノブはまわった。
「大石、ラッキー!!開いてるよ。」
「まだ、部長残ってたんだな。」
そして菊丸がドアを押し開けようとする・・・リョ―マは、絶体絶命の大ピンチ。それは手塚も同じはずだが、
いつもの冷めた表情でドアをねめつけている。
「英二せんぱ〜〜〜い!」
そこへ桃城のバカでかい声が響く。その声に驚いて菊丸はドアノブから手を離した。
「英二先輩、探しましたよ。部室にラケットケース忘れてたでしょ。どうぞ。」
桃城が菊丸の元に駆け寄り、ラケットを差し出す。
「サンキュー、桃。これで大石の借りずに済む。にゃは。」
「早く練習行くぞ、英二。」
「うん。あっ、部長。お騒がせしました。」
菊丸、大石、桃城の3人はナイター営業もしているテニススクールへ向かった。
「全くだ・・・。」
手塚は3人が部室から離れていくのを確認してから、リョ―マの口元を抑えていた手をはずして、
大きく溜息をつく。その溜息は安堵したものではなく、半分呆れたものだった。
リョ―マはやっとまともに息つくことができ、こちらは至って素直に安堵の溜息をつく。
しかし、そんな溜息は無駄な物になってしまう。
手塚がまた、先程の続きを始めたのだ。
「あぁ、、、はぅ、、、はぅ、、、。」
胸の突起を強弱をつけながら吸われると、直接的刺激を与えられたわけでもないのに、
リョ―マ自身はあさましく反応してしまう。手塚はその様を一瞥しただけで、自身への直接的刺激を与えない。
リョ―マの中にもどかしい気持ちが充満する。
「あぅ、、、あぁ、、、くる、、、しぃ、、、。」
「何が苦しいんだ?」
「俺の、、、モノ、、、、。」
「達きたいか?」
「ああ、、、達き、、、た、、、い、、、。」
「じゃあ、お願いするんだな。」
「お、、、ねがい、、、?」
潤んだ瞳を上目使いにして、手塚に問いかける。
「ああ、『どうか、俺のモノを達かしてください。』ってな。」
「言え、、、なぁ、、、、あぅ、、、い。」
「じゃあ、そのままだな。」
「やだ、、、言う、、、ゆうから!、、、どうか、、、達かして、、、。」
「ちゃんと言うんだ。」
「どうか、、俺の、、、モノ、、、達かして、、、ください。」
「よく言えた。」
手塚は満足げな言葉を返し、リョ―マ自身をパクリと口におさめる。
先走りの雫をこぼしていたそれは、手塚が口で2、3回上下へ扱くだけで欲望を吐き出した。
手塚はそれを余す所無く嚥下してしまう。リョ―マは荒い息をつきながら、その様子を見ていた。
「もしかして、初めてか?」
「何が・・・?」
空ろな瞳で問い返してきたリョ―マ。
「自慰とかした事ないだろ?」
「あるわけ、、、ないでしょ!」
少しずつ呼吸が整ってきたリョ―マは、突拍子もない手塚の問いに怒った。
「じゃあ、初モノか。」
「な、、、何が、初、、、モノって!!」
「五月蝿い、俺もそろそろ本格的に。」
リョ―マが未だ、話すのも構わずに彼の体を反転させる。
そして、尻を高く上げさせて腕で固定した。
「素直に反応しているココは可愛いな。」
手塚はそう揶揄すると、リョ―マの秘部に舌をはわせる。
「やぁん、、、あぅ、、、あん、、、。」
一度おさまっていた快感をまたも感じ、リョ―マは嬌声を上げてしまう。
手塚は舌で充分に濡らすと、人差し指をいれてきた。
最初は、「異物が混入してきた!」と体が反応して外へ押し出そうとするが、
リョ―マの放った体液と手塚の唾液がローションの代わりになったのか、
いつのまにかすんなりと飲み込んでしまった。手塚はリョ―マの中でぬきさしをくり返した。
「あぅ、、、あぁ、、、ぅあぁ、、、。」
最初の方こそ痛みを感じていたが、今では快感しかやってこない。
「指、増やすぞ。」
手塚は一度、人差し指を抜き出すと中指を副えてまた、リョ―マの中を犯す。
「やぁ、、、やめ、、、てぇ、、、。」
リョ―マの体を襲う快感と痛みに、彼はSTOPの声を上げる。が、そんな事だど構わずに
手塚はぬきさしをくり返す。
「あぅ、、、あん、、あん、、、。」
指をリョ―マの中から抜き出すと、ついに手塚は己のズボンをおろし、自身をリョ―マの秘部にあてがった。
「少し、キツイかもしれないが気を抜いておけ。」
手塚はそう言い捨てて、リョ―マの中へ強引に入り込む。
「あぁぁ――、やぁ、、、」
リョ―マの体に今までの快感を吹き飛ばす程の激痛が走る。
「やだ、、、痛いよぅ、、、。」
そんなリョ―マの涙まじりの声を手塚は無視して、己が欲望の塊を進める。
少しでもリョ―マの気を楽にしようと、彼の快感を引き出す所を突いてみるが、痛みが勝っているようで、
リョ―マは悲鳴を上げつづけた。
そして、手塚自身に生暖かい液体がつたって床に落ちた。それはリョ―マの血だった。
無理に押し広げたため、粘膜が切れてしまったのだ。
しかし、手塚は血が流れるのも構わずに続けた。
「あぅ、、、痛い、、、、はぅ、、、。」
手塚は自身をすっぽりとリョ―マの中におさめると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
リョ―マのイイ所を突いては、快感を煽り立てる。
「やぁ、、、あん、、、あん、、、。」
リョ―マも再び、嬌声を上げ始め、快感を感じている証拠にリョ―マ自身も体積を増し始めている。
それを見た手塚は腰の動きを速める。
「ぅあ、、、あぁ、、、あん、、、。」
それに比例するように、リョ―マの声も高くなった。そして・・・
「あぁぁぁぁ――――。」
手塚はリョ―マの中で精を解放させた。
それと同時に、リョ―マも絶頂に登りつめ本日2度目の精を吐き出す。
リョ―マはその後、力なく崩れ気絶してしまった。
「越前?ちょっと・・・やり過ぎたか?」
荒い呼吸の合間に自問を混ぜて、手塚はリョ―マを見下ろした。
―― 数十分後 ――
「んぅ、、、ふぁ!」
リョ―マが目覚めてみると、制服をキッチリ着せられていた。
「あれ・・・?俺は確か・・・痛ぅ!」
リョ―マはあらぬ所に痛みを感じる。
「越前、目覚めたか?」
手塚は着替えを済ませて、現れた。
「部長!」
「謝るつもりはないからな。」
きっぱりと言われて、リョ―マは返答に窮してしまった。
またも2人を包む沈黙・・・。今度、それをやぶったのはリョ―マだった。
リョ―マは一生懸命、背伸びして手塚の唇に喰らいついた。
いきなりのリョ―マの行動に最初は手塚も驚いたが、すぐにリョ―マの舌を絡めとリ、
リョ―マの快楽を誘う。
「ふぁ、、、、はぁ、、、。」
最初のキスとはまるで違う、手塚の舌の動きにリョ―マは・・・
「俺、達きそう。」
と、離れた唇の間で答えた。
「達かせてやろうか?」
「ジョーダン!それよりも部長。」
真正面からリョ―マは手塚を見上げて。
「SEXの時ぐらい、その筋肉痛になりそうな顔、やめて下さいよ。」
と言って、二カッと笑ってみせた。
今度は手塚が返答に窮する番で、珍しく、リョ―マが言う「筋肉痛になりそうな顔」を崩してしまった。
「五月蝿い!」
「そんな顔で犯られたら、快感も半減しちゃいます。」
さらっと言ってのけるリョ―マは、先程まで手塚の下で泣いていた人物とは思えない。
「俺の貞操、奪ったんだから、責任とって下さいよ。」
「今度はもっと泣かしてやる。」
手塚も負けじと言葉を返してはみせたものの、リョ―マにはあまり利いていないようだ。
「それじゃあ俺、帰ります。じゃあ、また明日。国光。」
極上の笑みを副えて、リョ―マは言うと部屋を出た。
その言葉に唖然とした手塚は少々、固まっていたが、年に一度あるかないかの苦笑を浮かべた。
「大変な奴かもな、リョ―マ。」
リョ―マから送られたキスを思い出すように、口元に手をあてて手塚はひとりごちた。
「痛〜〜〜い。痛すぎる!!」
リョ―マは暗くなった道を歩きながら、叫んだ。
「でも、部長があんな事するとはな・・・・。」
実はリョ―マ、手塚への尊敬の念の中に、恋心を抱いていたのだ。
「俺、あんなに泣いたけど、本当はうれしかったんだよな。まあ、この事は当分、部長には
秘密だけど・・・。」
リョ―マは先程の情事を一瞬思い出し、頬を染めた。そして・・・
「にゃろ〜〜〜本当に、痛ぇ〜〜〜。」
と、また叫び、(近所迷惑・・・)バス停に向かって走っていった。
青春学園テニス部に嵐どころか、台風が近付き始めた・・・。
―― あとがき ――
はぁ〜〜〜やっと終わった。「初!テニプリ!!」。途中で風邪引いて、喉痛める、声、出ない。と災難に襲われましたが、
何とか終了!!しかし、「この手塚、何?」というぐらいしゃべりまくりな手塚。「リョ―マも何?」というぐらい鳴いて(あえてこの字!)
ましたけど・・・。今回はほぼ初めからやりっぱなし・・・。う〜〜ん、いかにHシーンを描くかで体力の使い方がかわってくる事を
実感しました。リクエスト者の陽様に好評だったら、次回も書きたいです。そして最後は陽様のイラストで発刊!なんて如何?
(無理だろうね・・・。)まあ、これに懲りず木精の小説を読んでやって下さい、陽様。
ということで、これからも「塚×リョ」路線を爆走してしまうであろう神崎 木精でした。
FROM.神崎 木精