高隈演習林の水文

 高隈演習林は,姶良,桜島等の火山活動に伴って火山砕屑物に厚く覆われている。火山砕屑物に覆われた山地は従来経験的に水もちがよいといわれる。これは,軽石のような火山砕屑物が一般的に多孔質であることから,透水性・保水性に富んだ地質構造が形成されていることに由来している。火山地域における山地流域の流出特性を解明すること,同時にこのような特異な環境条件下における森林の水源涵養機能等について検討することを目的として,演習林内ではさまざまな水文観測が行われている。
量水堰の位置

水文観測施設の設置記録

量水堰 設置年月 建設スタッフ 記  録
高隈第1号 1984年2〜3月

(研究室)下川悦郎・地頭薗隆・野元俊秀・佐伯 孝・印南義隆・谷口浩幸・谷村和人・石坂正幸・折田浩之・堀与志郎・森正一

演習林)前田利盛・岡山光秀

設計・施工計画:地頭薗隆

高隈演習林における水文観測施設(高隈第1号量水堰堤)の建設について,鹿児島大学農学部演習林報告 第14号,1986
高隈第2号 1986年5〜6月

演習林)野下治己・松元正美・田鍋 興・和田畩熊・鎌田重光・松元光盛・岡山光秀・前田利盛・田中 勇

(研究室)下川悦郎・地頭薗隆

設計・施工計画:地頭薗隆

高隈演習林における水文観測施設(高隈第2号量水堰堤)の建設について,鹿児島大学農学部演習林報告 第15号,1987
高隈第3号 1987年6月 (研究室)下川悦郎・地頭薗隆・海田和孝
設計・施工計画:地頭薗隆
高隈演習林内の森林理水試験流域における水文観測−高隈第3号試験流域の設定と試験流域の地形・地質・植生−,鹿児島大学農学部演習林報告 第16号,1988
高隈第4号 1987年10月

(研究室)下川悦郎・地頭薗隆・海田和孝・鍋田寛志・高野 茂

設計・施工計画:地頭薗隆

高隈演習林における量水施設(高隈第4号)の建設,鹿児島大学農学部演習林報告 第17号,1989
高隈第5号 1988年8〜9月

(研究室)下川悦郎・地頭薗隆・海田和孝・鍋田寛志・高野 茂・枦木敏仁・原口勝則

設計・施工計画:地頭薗隆

高隈演習林における量水施設(高隈第5号)の建設,鹿児島大学農学部演習林報告 第17号,1989
1994年11〜12月

(研究室)下川悦郎・地頭薗隆・内野弘之・寺本行芳・宮園徹雄・森田真二・岩元賢司・加藤昭一・三浦郁人

演習林)前田利盛

設計・施工計画:地頭薗隆

高隈演習林における量水施設(高隈第5号)の1993年豪雨災害復旧,鹿児島大学農学部演習林報告 第23号,1995