設立総会報告
「千葉県子ども人権条例」を実現する会が発足する!

2000年12月29日
千葉こどもサポートネット 代表世話人 米田修

12月10日「千葉県子ども人権条例を実現する会」の設立総会が千葉県教育会館において開かれました。午前中は設立総会が開かれ、設立の趣旨説明、会則、役員の選出、予算案、活動計画案、が準備委員会より提案され、了承され、正式に会が発足しました。代表には鎌倉淑子さんが選出されました。これから限られた時間の中で、悔いの無いように、できる限りの取り組みを行いたいと思います。また、皆さんとオープンな議論をしながら、千葉県らしい条例案を提案できればと思っています。会の発足にあたって、会場から次のような意見が寄せられました。
(高村さんから)
障害のある子どもとない子が共に育つことが出来ていない。障害のある子は保育園、幼稚園に入れていない。学校では通知票も記入されない。価値のない人間という扱いがされている。
(山田さん)
競争社会のなかで「たいへんな子」は高校に入れたくない。選抜制度は適格主義に貫かれている。点数で切られる。高校に行きたいのに点数は取れない。これは差別である。願いがかなえられるために人権条例を。
(高木さん)
国・県は、日の丸・君が代を強制しようとしている。今、3年生が卒業式を日の丸のない形でやろうとしている。強制は憲法、「権利条約」に反している。法的な擁護は出来ないか。
(竹内さん)
会自体を身近なものに感じてほしい。人権は全ての人の身近に。真実は良いことと悪いことを越えたところにある。人権が真実になってほしい。存在していること自体が人権なのだ。特別な人だけでない運動を。
(勝又さん)
立場を乗り越えての運動を喜んでいる。それぞれの会がやってきたことの結集だ。それだけ、千葉県がひどい現状にあるということ。単なる陳情ではなく、立法化を図っていくため、おとなの意識を高めていく必要がある。自分たちはチャイルドラインを通して子どもたちの声を聞いて感じようとしている。自分たちは近所のおじさんおばさんのスタンス。子どもたちの声が本当に聞かれていない。特に、学校の中での人間関係がきびしい。もっと子どもたちに届く活動を。人権教育を広めていきたい。
(西尾さん)
6月まで県会議員であった。子どもを取り巻く環境からしてこの運動は必要である。国に求めるやり方もあるが何故条例の制定なのか。
(米田さん)
国の権利条約はある。それに基づいて実施を求めていく。法律化をしていく運動もあるが、地方自治の取り組みとして任されている県全域にわたる理念を求めるのは県市の責任。最終的には市町村ごとに条例を求めることもある。
(浦島さん)
恩寵園は今も問題を引きずっている。今は、地方分権の時代。都道府県に権限が委ねられている。その県がきちんと対応できないのは問題。最終的には県民の力で行政を動かすことが必要。条例を作るだけでなく、運動を進める中で人権侵害の事実に歯止めをかける必要がある。

〈午後は恩寵園園長の新田目さんと山梨学院大学教授の荒牧さんの講演会が持たれた。〉

「恩寵園を支える会」の方々に御礼申し上げたい。
この恩寵園問題が千葉県児童福祉施設協議会の倫理綱領作成のきっかけになった。その作成の会議では、これからこうしようという前向きというより、自由意志や自己決定など尊重したら施設では指導できない、今のこどもは以前のこどもと違ってひねくれている。よしよしでは納まらない、荒れているので優しいことばでは納まらないなどの発言がある。どうやって一緒に暮らしていったらよいのか分からない現状がある。以前の恩寵園のようなところがゴロゴロある。
職員から改善要求書(17項目)が出された。内容を見ると自分が前園長とやりあった内容が入っている。一例は、こどもの意見を聞こうというと、それはわがままを認めることで無秩序になる、とか、高校に行かせたいと要望すると、高校生などにすると手におえなくなる、手間ひまかけることはないといわれた。要するに園の秩序をどう守るかが優先されていた。それが25年続いてきた。職員が自分で考えて、やろうとしていることに感動した。今の福祉は(〜のために)の福祉。上から下へ、それは力関係であり、共に生きていない。ある者がない者へ、これは強制である。
彼らと共にあるということは世間から非難され、傷つけられることを覚悟すること。指導する、良くしてやる、は大人の傲慢だ。子どもと共にいることが私たちの仕事。自分の欠点さえ直せない私たちに直す資格などない。子どもの魂に寄り添うことだ。養護施設とはなにか。「なぜ、ぼくはこんな目にあわねばならないのか」「なぜぼくはみんなと同じように親と一緒にいられないの?」だれもこの子どもからの問いかけに応えられない。このさびしい、つらい魂に寄り添うのが養護施設なのだ。
以前の恩寵園は性悪説に立った考え方。今の学校教育はまさにそれだ。子どもをダメにしている元凶。人は生まれながらにしてすばらしい賜りもの。それが人権を守る世界だ。教育の役割はそのことに目覚めさせることだ。
"自由で愛に充ちた家を!"これが私たちの目指すところです。

(荒牧さんの講演について)
少年法改正や教育改革国民会議の動きは、子どもたちのSOSをしっかり受け止めることなく、家庭にはしつけを、子どもには奉仕の義務化や、厳罰を求める傾向が打ち出されている。人権条例はそっちじゃない方向を示すことである。その中間で悩んでいる人には様々な形で示しながらそういう方向を作っていくことである。
わが国においては、「子どもの権利条約」を批准していながら、条例化していない現状がある。千葉県の現状、実態と取り組みの実態をふまえて、千葉にとって最もふさわしい、必要な条例が良い。なぜ、条約がありながら、条例化しなければならないかというと、人権侵害の実態に対して、現制度では対応できていないからだ。条例があると進むこと、条例がないと困ることを明確に。
主体である子どもの意見表明を位置づけること。SOSを受け止める機関は結構あるが、これだけでは現実は変わっていかない。オンブズマン機能を付与し、公的なものとして作られることが必要。そこには、調査・解決の権限が与えられねばならない。糾弾ではなく調整機能がとても大切。決定的に大切なのは誰がオンブズマンになるかだ。
条例は国際的基準をふまえたものにしていく必要、市民の参加を十分考えていく必要がある。権利の内容は、安心、ありのまま、参加、自己決定がキーワードとなる。 (文責 池口)

今何故、私たち実現する会が、千葉県で「子ども人権条例」を県条例として制定しようとしているのか。その必要性を、私たち実現する会に参集したものは、県民の方をはじめとして、行政・県議のかたがたにも説明し理解していただき、賛同してもらわなければなりません。今後とも継続して、皆さんお一人お一人が、この取り組みの当事者として、条例を実現する会の「賛同人」・「会員」の宣伝・募集をお願いするものです。そして、私たち県民の力を結集し、私たちの手で、千葉では「子どもの人権を尊重する」という理念を基本とする「子ども人権条例」をぜひ作りましょう。
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