| 「千葉県子ども人権条例(素案)」ができるまで | |
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2000 年12月県内の子ども活動団体や市民が集まり、千葉県内の子どもたちの状況について様々な話し合いを重ねた結果、千葉に子どもの人権条例がどうしても必要であるということになり、「千葉県子ども人権条例を実現する会」が立ち上がりました。このことを県内の各団体に呼びかけたところ、52の団体が賛同を表明しました。 多くの人たちが賛同を表明したのは、大人たちが守り育てようとしている千葉の子どもたちの多くが、いま傷ついて苦しんでいてSOSを発していること、子育てや教育や福祉の今のあり方のままでは子どもの将来に大きな不安があることなどの危機感を持った事にありました。 「辛く悲しいことの中で困っていたり」、「自分を見いだせなくて悩んでいたり」している子どもたちに笑顔が戻り、21 世紀を生き生きと生きていくためには、今なにが社会に求められているのか。子どもたちが豊かに育ちうる千葉の「土壌」には何が必要なのか。多くの議論を重ねました。その結果、成績がよくても悪くても、よその子と育ち方が違っていても、親がいてもいなくても、障害があってもなくても、学校に行っていても行ってなくても、どこで生まれようとも、どんな状態であっても分け隔てなく「ありのままで」一人の子どもとして尊重されるという「人権の確立と人権を守るためのシステムづくり」が子どもたちの育つ為の根っこに必要ではないか、という共通の理解になりました。 2001 年度には毎月勉強会を開き、県内の子どもがどんな事で苦しんでいるのか、どんな事で悩んでいるのか、子ども当事者、親、専門家などから学びました。 2002年度には県民集会を県内4ヶ所で開催し、広く県民の声を集めました。千葉市において「子ども集会」も開き、子どもの意見を集めました。2003年度には子ども関係団体との交流を通じて子どもの人権について意見交換をしました。同時に、子どもの「人権意識調査」を行いました。 一方で、「子どもの人権条例づくり」の作業部会を立ち上げ、1年をかけて作成してきました。参加者は子ども当事者、親、教員、児童福祉ワーカー、弁護士、学生などでした。つねに土台として、世界の「子どもの権利条約」を据えてきました。全国には、すでにこのことについて先行する自治体があります。子どもの権利に関する救済機関の設置を含む条例化を、兵庫県川西市、川崎市、北海道奈井江町、富山県小杉町、岐阜県多治見市、埼玉県は行っています。私たちは先進的な業績に学びながら、千葉県独自の「千葉方式の条例」が出来るといいなと願っております。 時あたかも、日本政府が国連の「子どもの権利委員会」に提出した「子どもの権利条約」の実施状況についての報告書に対する委員会からの「総括所見」が、2004 年1月に発表されました。その中の「主要な懸念事項及び勧告」において、子どもの人権に対する不充分な取り組みについて極めてきびしい指摘がなされています。日本の政府や社会が子どもの人権についての施策を早急に推進すべき事が求められています。 しっかりと作られた家は100年200年と崩れる事はないといいます。そのような条例にこの素案が育つことを切望します。 2004年2月14日
「千葉県子ども人権条例」を実現する会 | |
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・私たちは祝福されて生まれたい。 ・私たちは自分であることを否定されたくない。 ・私たちはありのままで愛されたい。 ・私たちは自分の意志で生きていたい。 ・私たちはどんな暴力も受けたくない。 ・私たちはどんな差別もされたくない。 ・私たちはおとなともいっしょに話し合っていきたい。 ・私たちは意見を出していきたい。 ・私たちは自分に必要なことを知りたい。 ・私たちは自分が持っている権利を知りたい。 ・私たちが困っている時は手伝ってほしい。 ・私たちは温かいご飯を食べ、温かい布団でしっかり守られながら眠りたい。 ・私たちはゆっくり育ちたい。 ・私たちの話を聞いてほしい。伝えられない気持ちがあることを知ってほしい。 ・私たち子どもにはプライバシーがあります。 ・私たちが間違うことを認めてほしい。やり直すことを応援してほしい。 ・私たちのいろんな生き方を応援してほしい。 ・私たち子どもを一人の人間として大事にしてほしい。 これが私たち子どもから社会へのメッセージ【手紙】です。 | |
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わが国の政府は1994年に国際的な取り決めである「子どもの権利条約」を批准しました。その事は同時に、本条約の規定に沿って国内体制を整備する義務を負ったことになります。日本政府は同条約第44条により国連子どもの権利委員会に報告書を提出しました。同委員会は1998年6月に「第1回日本政府報告審査最終所見」を採択し、日本政府に示しました。その中で、「主な懸念事項」の第10項において「委員会は児童の権利の実施を監視する為の権限を持った独立機関が存在しない事を懸念する」と述べ、「提案及び勧告」として「委員会は、締約国が現在の子どもの人権専門委員制度を改良し、予防する事により、あるいはオンブズパーソンまたは児童の権利委員を創設する事により、独立の監視システムを確立するために必要な措置をとるよう勧告する。(第32項)」と述べています。 このことは子どもの人権を尊重する文化国家として、日本の社会にとって子どもの人権を守る為の独立した権限を持った機関と制度の創設が急務である事を示しています。日本の国全体の法律、制度の整備とともに、地域の実情に即した自治体における「子どもの権利条約」の実体化が求められている事を意味しています。千葉の子どもたちの人権状況をふまえ、千葉の子どもにとって必要なシステムが整えられる事が大事です。 一方、今日のわが国の子ども政策において最も重視されているのが少子化対策としての「次世代育成」であります。千葉県の出生率は1.24人という現状にあり、このことは千葉県社会の将来にとって大きな不安要因となっています。 この背景には、近い将来の高齢化社会の「支え手」がいなくなるとか労働力の不足といった事以上に、子どもたちが祝福されて社会に迎えられていない事、子どもが安心して育ちにくい、安心して親が育てにくい状況にあることの問題があります。子育ての孤立化、子育て環境の未整備、家庭の経済的な問題、親や学校の競争的な価値観などにより子どもたちは生き生きと育つ事が困難であり、中には危険な状況に追い込まれることになっています。 今日、子育ち支援、子育て支援が重要な施策となっていますが、なによりも子どもが育ち得るためには、社会それ自体に子どもの人権を尊重する考え方が普及し、子どもたちが「辛く悲しい思い」をせず、安心して育つ事ができるための実効性のある人権擁護のシステムがセーフティーネットとして必要です。子どもの養育、教育、福祉、医療などのあらゆる営みの土台に、子どもの人権を守る為の約束事とシステムが整えられねばなりません。 この千葉の地で暮らし育っている子どもたちに必要な人権とシステムとはどのようなものでしょうか。このことを明らかにする為には、千葉の子どもたちの人権の実態を明らかにしなければなりません。 | |
| 差別について 同和地区の子どもや、在日外国人の子どもへの差別は、なお根強く県内に存在しており、差別的な人権侵害や社会的な諸権利の不平等などの改善が図られねばなりません。 | |
| 知る権利について 国や地方自治体には、「子どもの権利条約」第42条で、条約の原則および規定を広報する義務があるにもかかわらず、その対応が充分なされておらず、特に条約の趣旨に沿って、「子どもは権利の全面的主体者であるという子ども観」に基づく条約の広報の必要性が、国連子どもの権利委員会から指摘されており、子ども自身が自らの権利を知るために、この条約の子ども観を社会全体に普及させる努力が国や地方自治体には求められています。 | |
| 虐待について 2002 年度に県内6ヶ所の児童相談所で受け付けた児童虐待の件数は815件(内千葉市153件)で、身体的虐待が最も多く(368件)、ネグレクト(290件)、心理的虐待(134件)、性的虐待(23件)と続きます。虐待を受けた子どもたちは学齢が上がるほど長期にわたって虐待を受けていた事が明らかになっており、児童相談所が関わりながら命を落とすという痛ましい事態も起きています。苦しくとも声を発する事が出来ない子どもたちの叫びを受け止めていく事が急務となっています。 | |
| 親の保護を受けられない子どもについて 千葉県内には親による保護を受けられなくなった子どもたちがいます。今、県下には2,130人(2003年3月31日現在)の子どもたちが児童福祉施設に措置され、あるいは里親に委託されて暮らしています。現在多くの施設においては現場の支え手の努力によって支えられながらも、子どもたちは生まれ育った地域から離れ、一つ屋根の下で大勢の子どもたちが雑居状態で暮らしているのが実情です。戦後の孤児院形態から脱却して、より家庭に近い、より地域生活が保障され、より差別的ではないあたりまえの暮らしと育ち行く支援が受けられる体制の整備が「子どもの最善の利益」の実現を明確にした課題となっています。 | |
| 障害のある子どもについて 千葉県内の障害を持つ子どもたちは、保育所、幼稚園、学童保育所、学校などに入るときに断られ、あるいは別な場所に分けられるという差別を受け、一人の子どもとしてあたりまえにみんなの中で育ち、学ぶ事が出来にくい状況にあります。 | |
| 不登校について 現在の学校制度によってもたらされる学校生活上の亀裂によって、誰でもが不登校になりうる事は文部科学省が1992年に発表しているところです。 子どもの状態を無視した登校指導は子どもたちを追い込み、自己否定と社会不信を招いています。学校に行くか行かないかについての選択は子ども自身に委ね、学校以外の場所で育つ事を選んだ子どもの選択と社会的な諸権利を認めるべきです。 | |
| 学校生活について 千葉県の子どもたちは学校に通う事によって、仲間とともに教師を信頼しながら学び育つ事の喜びを感じる事が出来ているでしょうか。「勉強が分からないままの苦しさ」や「自分たちの意見が聞かれない事の不満」や「教師による暴力や性虐待の恐怖」や「競争によるプレッシャー」に苦しんでいないでしょうか。不登校や非行やいじめなどは子どもからの問題提起なのです。これらの問題を克服して、安心と信頼と魅力のある学びの場の回復をはからねばなりません。 | |
| 子どもの社会参加について 子どもたちが住むまちには子どもたちが豊かに遊べる場があるでしょうか。子ども同士が群れ集まって活動できる場があるでしょうか。地域の子どもの活動は大人が支配しすぎてないでしょうか。子どもたちを社会の一員ととらえ、街づくりや地域の活動に子どもの参加をより活発にしていく事、子どもの自治的な活動を支援していくことなどが課題となっています。 | |
| 非行について 県内の少年による刑法犯検挙数は6,557件(2002年千葉県警察犯罪概要)であり、児童相談所に寄せられた非行相談は千葉県の児童相談所だけで356件となっており、戦後続いてきた減少傾向から、若干増加に転じ、低年齢化傾向を示し、子どもや親にとって大きな不安要因となっています。この社会的な不安に対して昨今社会防衛的な観点からの「厳罰化」が叫ばれるとともに、制度改革もなされています。非行は子どもたちが健康に育つ事が出来ない苦しさの表明でもあります。地域の教育力を高めるとともに、再び子どもが立ち直れる為に、教育、生活支援、自立支援、社会再統合などの支援を地道に積み上げていく事こそが今求められており、このことが子どもの人権の視点から求められる社会の責任です。 | |
| このような千葉県内の子どもの人権状況下にあって、千葉の子どもが希望をもって自分らしく生きていけるために今必要な社会的なしくみは何でしょうか。
第一に、子どもの人権の基準を明らかにし、その事を県民や子どもを支援するすべての諸機関が承認し、守っていく事です。子どもたちが自分に付与されている人権とは何であるか、を知る事によって自分が人としての尊厳を持っていることを自覚できる事が重要です。そして、大人社会はその人権基準に沿って社会のしくみを整え、約束事として守っていく事が求められます。 第二に、子どもの人権を守る為の実効性のあるシステムを作る事です。具体的には「子どものためのオンブズパーソン制度」です。このことによって、子どもの意見表明が確実に保障される事や、社会の中で弱い存在である子どもの人権侵害のリスクを回避あるいは避難できるようにする事です。この制度はその意味で、子どもの人権に関する社会のセーフティーネットというべきものです。 子どもは大人のパートナーであり、未来を築くかけがえのない市民です。21世紀を子どもの人権が特別の事ではなく、高らかに掲げられる時代にしたいものです。 | |
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| 差別について | |
| 1、 | すべての子どもは、人種、国籍、性別、障害、門地、社会的経済的状態、考え方、能力などによって差別されない。 |
| 知る権利について | |
| 1、 | すべての子どもは、「子どもの権利条約」及び「本条例」に示された人権の内容、および社会的な諸権利について知る権利を持っている。 |
| 虐待について | |
| 1、 | 子どもは暴力を受けず、暴力を見せられない権利を有する。 |
| 2、 | 子どもは安心して生活し、命を守られる権利を有する。 |
| 3、 | 子どもは健康を維持し成長するために必要な衣・食・住が保障されなければならない。 |
| 4、 | 子どもは愛情要求に応えられ、信頼が裏切られない親もしくはそれに代わる大人との関係を保障されなければならない。 |
| 5、 | 子どもがさまざまな暴力やネグレクトにより、つらい状況に置かれ命が脅かされるなど子どもの人権が侵害される事態から速やかに救済されるように、あらゆる必要な手だてが施されなければならない。 |
| 6、 | 子どもの人権は、たとえ親といえども侵すことのできない普遍的な権利である。親は第一義的な子どもの養育権者であるが、子どもの人権がその親によって損なわれる時は、社会が責任を持って子どもの人権を守らなければならない。 |
| 7、 | 親が虐待の事実を認めず、親子分離や親子関係の改善に不同意の場合は、司法の介入も含めてあらゆる手段を講じて、子どもの救済に努めなければならない。 |
| 8、 | 司法介入の判断基準には、子どもの人権尊重を第一に据えること。 |
| 9、 | 虐待を受けた子どもが親から分離された場合は、家庭に代わる安心して生活し成長できる環境を、地域社会の中に与えられなければならない。 |
| 10、 | 親子分離や施設入所・里親委託等に当たっては、当事者の子どもの気持ちが十分に聞き取られ、可能な限り本人の意思が尊重されなければならない。 |
| 11、 | 虐待によって生じた子どもの身体的・心理的痛手からの回復に向け、必要な対応がなされなければならない。 |
| 12、 | 虐待をする親に必要な教育・治療体制を整備し、可能な限り再統合に向けた支援がなされなければならない。 |
| 13、 | 子どもが成長して自立できるまで、必要な援助が与えられなければならない。 |
| 14、 | 虐待が放置されるのを防ぐために、どのような状況が虐待に当たるのか、子どもに関わる職務の者だけでなく、地域住民への周知を徹底し、虐待が早期に発見され、必要な対応が速やかに行われるよう体制づくりがなされなければならない。 |
| 親の保護を受けられない子どもについて | |
| 1、 | 親の保護を受けられない子どもは、20歳になるまで社会による保護を受ける権利を有する。 |
| 2、 | 親の保護を受けられない子どもは、自立のために必要な支援を受ける権利を有する。 |
| 3、 | 親の保護を受けられない子どもは、できるだけ家庭に近い環境を保障される権利を有する。 |
| 4、 | 成長の途中にあって親の保護を受けられなくなった子どもは、それまでの地域生活が破壊されず継続されるための支援を受ける権利を有する。 |
| 5、 | 親の保護を受けられなくなった子どもが施設で暮らすかどうかについては、子どもの意思が尊重されねばならない。施設以外の暮らし方を希望した時は、速やかにそのための場を用意しなければならない。 |
| 6、 | 施設で暮らす子どものプライバシーは、保障されなければならない。 |
| 7、 | 施設で暮らす子どもの通信の自由は、保障されなければならない。 |
| 8、 | 施設で暮らす子どもの教育については、本人が希望するならば、大学教育を受ける権利まで保障されなければならない。 |
| 9、 | 施設で暮らす子どもがその生活内容を強制されることなく、自ら選択していける自由を保障されなければならない。 |
| 10、 | 施設で暮らす子どもたちがいかなる虐待にもあわないための保障がなければならない。そのために、施設職員は全員、「子どもの権利条約」及び「本条例」を学び、その趣旨に沿って子どものケアーをしなければならない。 |
| 11、 | 施設で暮らす全ての子どもは、自分がどのような権利を持っているかについて、知らされる権利を有する。 |
| 12、 | 施設の運営に子どもの意見が取り入れられる仕組みが保障されなければならない。 |
| 13、 | 施設においては、親の保護を受けられないことの悲しみを受け止められる基本的な子どもとおとなの信頼関係が保障されなければならない。 |
| 14、 | 子どもの人権を保障するためのオンブズパーソンシステムが保障されなければならない。 |
| 障害のある子どもについて | |
| 1、 | 障害をもつ子どもとは、長期的または一時的、あるいは過去や将来に予想される身体的、知的、精神的な特徴や疾病により、日常生活又は社会生活において制限を受け、あるいは受けうる状況にある子どもをいう。 |
| 2、 | 障害をもつ子どもに対する差別とはすべての生活分野において、身体的、精神的、知的な特徴や疾病により、他の子どもと同等の生活水準と生活の質の保障に不平等があり、また、他の子どもと対等な立場で社会参加する機会が奪われ、または制限され、その自由が束縛されている状態にあることをいう。また障害をもつ子どもへの無知・無理解・偏見によって、結果として障害をもつ子どもが何らかの不利益をこうむり、不当な扱いを受けている、意図しない差別も差別である。 |
| 3、 | 障害をもつ子どもは、出生において差別を受けない権利を有する。 |
| 4、 | 障害をもつ子どもは、すべての生活分野とその社会的関係において、排除や差別的取り扱いを受けない権利を有する。 |
| 5、 | 障害をもつ子どもは、設置者および運営者の公私を問わず、保育所・幼稚園・学校・学童保育などあらゆる子どもに対するサービスから、排除や差別的な取り扱いを受けない権利を有する。 |
| 6、 | 障害をもつ子どもは、いかなる就職に関する排除や差別的取り扱いも受けない権利を有する。 |
| 7、 | 障害をもつ子どもは、一人の人間、一人の子どもとして尊重され、分け隔てられることなく地域に中で当たり前に暮らす権利を有する。 |
| 8、 | 障害をもつ子どもは、子ども時代のどの段階においても、同世代の障害を持たない子どもと場を分けられずに統合された環境の元で保育・教育を受ける権利を有する。 |
| 9、 | 障害をもつ子どもは保育・教育を受け、地域生活を送るため、あるいは地域活動に参加するための必要な設備上のあるいは人的支援を受ける権利を有する。 |
| 10、 | 障害をもつ子どもは、その種別・程度にかかわらず、障害を持たない子どもと同等に自由に移動する権利を有する。 |
| 11、 | 障害をもつ子どもは、他の子どもと同等に情報を得、利用し、享受し、また表現し、意見表明を含むコミュニケーションを行う権利を有する。 |
| 12、 | 障害をもつ子どもは、心身の体調を良好に保ち、日常生活と社会参加を果たすために必要な医療およびリハビリテーションを受ける権利を有する。 |
| 不登校の子どもについて | |
| 1、 | 不登校であることにより偏見と差別を受けることがなく、すべての社会的な諸権利は保護される。 |
| 1-1 | 不登校の子どもは、自らが育つ場を尊重され、学校外に安心して休息し、自己回復を図るための場所を自ら求める権利を有する。 |
| 1-2 | 不登校の子どもが、不登校であることを理由に、義務教育過程において進級や卒業を妨げられない。 |
| 2、 | 不登校の子どもが、学校外で成育を受ける際、在学中と同等の諸権利が保護される。 |
| 2-1 | 学校外で成育を受ける事を選択した子どもは、必要な教育的支援を受ける権利を有する。 |
| 2-2 | 学校以外の活動の場(ホームエデュケーションやフリースペースなど)を選択した子どもは、義務教育及び高校教育を享受した場合と同等の援助を受ける権利を有する。 |
| 3、 | 不登校の子どもは、不登校に関わる県の政策について、当事者として関与する権利を有し、県は不登校を巡る課題について検討する場合は、当事者の参加を義務付けなければならない。 |
| 学校生活における子どもについて | |
| 1、 | 全ての子どもには教育の機会均等が保障され、人種、障害、若年労働者等に関わらず普通教育から排除される事があってはならない。 |
| 2、 | 教育を施す義務は国や地方自治体に課せられた義務であり、子どもに課せられた義務ではなく、子どもには受ける権利があり、かつ受けない権利、教育内容を選ぶ権利もあることが明確にならねばならない。 |
| 3、 | 学校はそこを利用する全ての子どもたちに対して、子どもたちに付与されている普遍的な人権は何であるか、および侵されてはならない人権とは何であるかについて、明示しなければならない。 |
| 4、 | 全ての教職員は「子どもの権利条約」及び「本条例」について学習し、その趣旨に沿って教育活動を行わなければならない。 |
| 5、 | 子どもは教育の主体者として、学校の運営に対して意見を表明する機会が保障され、その意見が正当に反映される事が保障されねばならない。 |
| 6、 | 授業の内容および進め方について、子どもの意見が聞かれ、その目的について子どもが理解し、主体的に参加できるように行われなければならない。 |
| 7、 | 学校の行事の計画、実施にあたっては、子どもの意見表明や参加が保障されるべきである。教師はその支援者である事が明確にされねばならない。 |
| 8、 | 学校生活上、子どもに困ったことが生じた時、そのことについて子どもが相談できる時間と機会が保証され,かつ、相談する対象は子どもが選びうるものでなければならない。 |
| 9、 | 学校生活上の「校則」などの、規則については学校が一方的に子どもに要求すべきものではなく、学校生活上の問題については子ども同士や教師が充分話し合いながら、解決していくべきものである。 |
| 10、 | 病気、忌引き以外に学校を休む事も保障されなければならない。 |
| 11、 | (虐待行為の禁止) |
| 11-1 | 教職員による子どもに対する体罰・言葉の暴力・わいせつ行為などの虐待行為は、子どもの人権への直接的な侵害であるばかりか、被害を受けた子ども自身の暴力などの他人への人権侵害行為を肯定する事になり、結果的に二重の意味で人権の基本理念に反するものであるから、全面的に禁止をすること。 |
| 11-2 | 体罰・言葉の暴力・わいせつなどの虐待行為は、当該教職員個人の問題のみならず、所属する学校・教育委員会そのものの問題である事を認識し、組織全体で根絶に取り組まねばならないと同時に、子どもの権利擁護のための対応・予防プログラムを実施すること。 |
| 11-3 | 教師による懲戒権乱用の禁止のために、その基準を明確化し、教師・子ども・親・地域住民に公表し、周知徹底すること。 |
| 12、 | (第三者委員会の設置) |
| 12-1 | 子どもに対する虐待行為を行った教師や所属する学校・教育委員会などの当事者以外の者が第三者の立場で、子どもからの訴えを直接受け付け、子どもの人権擁護のための調整活動を行う委員会を設置すること。 |
| 12-2 | 同委員会は調整活動の結果、子どもの人権擁護の観点から問題があると思われる時は、その是正のために勧告することができること。 |
| 子どもの社会参加権について | |
| 1、 | 子どもに関わる全ての社会の活動で物事が決められる時は、必ず当事者である子どもの意見が聞かれる場が用意され、出された意見は誠実に受け止められ、尊重されねばならない。 |
| 2、 | 子どもが参加するあらゆる活動においては、大人が決めた事を子どもに従わせるのではなく、子どもも含めた話し合いで決められる事が必要である。 |
| 3、 | 街づくりや行政による子ども政策においては、その計画、推進、評価のあらゆる場面において子どもの参加が必要である。 |
| 4、 | 学校活動や地域活動においては、子どもの活動は子ども自身で運営されることが承認され、大人はその支援者になる事が必要である。 |
| 非行を犯した子どもについて | |
| 1、 | 非行を犯した子どもたちは、他人に害を与えたと言う事において加害者であるけれど、非行を犯すに至った背景を考慮し、彼らは同時に被害者である事が認められなければならない。 |
| 2、 | 非行を犯した子どもたちは、再び立ち直る為の教育や生活支援を受け、成長の為に必要であった支援を改めて受ける事ができる。 |
| 3、 | 非行を犯した子どもたちは、可能な限り地域の学校や家庭や児童福祉機関が協力して、その立ち直りを図るべきものであり、地域から隔離する事は、他のあらゆる努力をした上での最後の方法でなければならない。 |
| 4、 | 非行を犯した子どもに対する「自由の制限」は、社会や本人の危険、危機回避と回復の為にやむを得ない状況によっては必要な事ではあるが、その事は厳正なルールによって決められるべきものであり、かつ、できる限り短期間に押さえられねばならない。 |
| 5、 | 非行を犯した子どもたちが立ち直る為には、必ず信頼できる相談者(ソーシャルワーカー)が必要である。 |
| 6、 | 子どもを非行に至らしめた環境上の要因については、再発防止のためにも、子ども自身の回復の為にも、社会が責任をもってその改善に努めなければならない。 |
| 7、 | 法を犯して司法上の取り扱いを受ける場合は、たとえ罪が確定した子どもであっても、人としての尊厳が損なわれるような取り扱いをしてはならない。 |
| 8、 | 子どもが犯した非行についての取調べは、子どもの恐怖を与えることなく、懇切丁寧に行われるべきであり、子どもの人権侵害や不利益を防ぐ為に、弁護人、保護者その他の適切な付添い人による弁護活動が保証されねばならない。 |
| 9、 | 冤罪を防止すると共に、立ち直りの為の適切な支援が行われるためにも、教育、福祉、司法の全ての手続きにおいて子どもの意見表明の機会が必ず保障されねばならない。 |
| 10、 | 非行を犯した子どもに対する少年司法が行う「処分」については、法に基づく公平で適正な捜査と審理による非行事実の認定がなされた上で、非行事実以外にも、過去の成育歴や子どもの気持ちや意見、生活環境などが総合的に判断され、立ち直りの為の最善の方向づけがなされると共に、そのために必要なプログラムが確認されるものでなければならない。 |
| 11、 | 法律に基づいて有罪とされるまでは無罪と推定される事。 |
| 12、 | 非行を犯した子どもたちがやむを得ず、地域以外の専門施設においてその立ち直りの為の支援を受ける時は、一般的な生活水準が保障され、一人一人の個別的な事情や気持ちが尊重されねばならない。 |
| 13、 | 非行を犯した子どもの立ち直りについては教育、生活支援、精神的なケアー、自立支援、社会再統合への支援が必要である。 |
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| 1、(県子どもの人権擁護推進センターの設置) | |
| 千葉県は、子どもの人権問題に総合的に対応し、子どもの人権擁護を推進するために、子どもの人権オンブズパーソンをもって構成する「千葉県子どもの人権擁護推進センター」を設置する。 ただし、本センターは原則として、各地域の権利擁護の第三者機関や学校、児童養護施設などに設置された権利擁護の第三者機関において、解決することが困難な事由についての権利擁護活動を行う。 | |
| @ | 同センターは、子どもの人権問題を監視するために、相談、支援、調査、調整、勧告、意見表明、要請、公表により、子どもの人権侵害の救済及び防止を行い、また子どもの人権擁護推進のための啓発・提言活動を行う知事の附属機関(地方自治法第138条の4第3項)である。 |
| A | 同センターに、代表・子どもの人権オンブズパーソンを置き、同オンブズパーソンの互選よりこれを定める。 |
| B | 子どもの人権オンブズパーソンは、一人の人間として信頼され、子どもの人権問題に関し優れた見識と経験を有し、その職務を遂行するに当たり利害関係を有しない者のうちから、知事が委嘱する。 |
| C | 子どもの人権オンブズパーソンの任期は、3年とする。ただし、1回に限り再任されることができる。 |
| D | 子どもの人権オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も、同様とする。 |
| E | 知事は、子どもの人権オンブズパーソンが次の各号の一つに該当する場合に限り、解職することができる。 |
| @ 心身の故障のため職務の遂行ができないと認める場合。 | |
| A 職務上の義務違反を行ったと認める場合。 | |
| B その他オンブズパーソンの地位にふさわしくない行為があると認める場合。 | |
| 2、(こどもの人権オンブズパーソンの職務) | |
| 子どもの人権オンブズパーソンは、子どもの人権を擁護し、相談者及び救済の申し立て者に不利益にならないよう、公正かつ適切にその職務を遂行する。 | |
| 3、(支援) | |
| @ | だれでも子どもの人権問題に関し、子どもの人権擁護推進センターに相談することができる。 |
| A | 同センターは、相談者に対し、必要な助言及び支援を行う。 |
| B | 同センターは、調査相談専門員に命じて、この相談・支援を行わせることができる。 |
| 4、(救済の申し立て) | |
| だれでも(代理人を含む)、子どもの人権擁護推進センターに対し、口頭及び文書で、子どもの人権侵害の救済の申し立てを行うことができる。 | |
| 5、(調査等) | |
| @ | 同センターは、救済の申し立てを審査し、必要があると認めるときは、調査しなければならない。 |
| A | 同センターは、調査相談専門委員に命じて、この調査を行わせることができる。 |
| B | 同センターは、必要があると認めるときは、専門的機関に対し、専門的調査を依頼することができる。 |
| C | 同センターは、現に子どもの人権が侵害され、その救済のために必要があると認めるときは、自己の発意により調査しなければならない。 |
| D | 同センターは、子どもの人権救済の申し立てが、当事者(子ども・保護者)以外の者からの申し立ての場合は、当事者の同意を得て調査しなければならない。 ただし、同センターは、当事者の置かれている状況を考慮して、特別に必要があると認めるときは、独自の判断で調査することができる。 |
| 6、(調査の方法) | |
| 同センターは、調査のため必要があると認めるときは、県民等の関係者に対し、資料の提出、説明その他必要な協力を求めることができる。 | |
| 7、(県の機関に対する調査等) | |
| @ | 県の機関は、同センターの職務の遂行に関して、その独立性を尊重し、積極的に協力、援助しなければならない。 |
| A | 同センターは、調査のため必要があると認めるときは、関係する県の機関に対し、説明を求め、その保有する関係資料その他の記録の閲覧し、またはその写しの提出、実地調査を求めることができる。 |
| 8、(県以外の機関に対する調査等) | |
| 同センターは、調査のため必要があると認めるときは、県以外の機関に対し、資料の提出、説明、実地調査等その他必要な協力を求めることができる。 | |
| 9、(調整等) | |
| @ | 同センターは、調査の結果、子どもの人権擁護及び救済のために必要があると認めるときは、人権侵害の是正のためのあっせん調整を行わなければならない。 |
| A | 同センターは、調査及び調整の結果について、申し立人等に速やかに通知しなければならない。 |
| 10、(県の機関に対する勧告・公表等) | |
| @ | 同センターは、調査の結果、子どもの人権擁護及び救済のために必要があると認めるときは、関係する県の機関に対し、是正等の措置を講ずるよう勧告し、または、制度改善を求める意見表明を行うことができる。 |
| A | 勧告または意見表明を受けた県の機関は、この勧告または意見表明を尊重しなければならず、是正等の措置について、同センターに報告しなければならない。 |
| B | 同センターは、関係する県の機関のとった是正等の措置が不十分であると認めるときは、勧告・意見表明及び県の機関の報告の内容を公表することができる。 |
| C | 同センターは、勧告・意見表明をしたとき、これに対する県の機関からの報告があった場合は、その内容及び県の機関のとった対応を申し立人等に速やかに通知しなければならない。 |
| 11、(県以外の機関に対する要請・公表等) | |
| @ | 同センターは、調査・調整の結果、関係する県以外の機関が子どもの人権擁護及び救済のための必要な措置を講じない場合は、関係機関に対し是正するよう要請することができる。 |
| A | 同センターは、関係機関が理由なく要請に応じない場合並びに、関係機関のとった是正等の措置が不十分であると認めるときは、その要請の内容及び関係機関のとった是正等の措置の内容を公表することができる。 |
| B | 同センターは、県以外の機関に要請したときは、その内容及び関係機関の対応を申し立人等に速やかに通知しなければならない。 |
| 12、(子どもの人権擁護推進のための啓発・提言) | |
| 同センターは、子どもの人権擁護推進のため、県民に対し啓発を行い、提言を公表することができる。 | |
| 13、(運営状況等の報告・公表) | |
| 同センターは、毎年、運営状況について、知事に報告するとともに、その内容を公表する。 | |