地震・防災・災害関連用語集

基本用語

地 質

地殻を構成する岩石・地層の性質や状態を地質といいます。


地質と土質はよく似た用語ですが、地質が古い過去(地質時代)からの生成過程など成因的・歴史的背景を前提とした岩石や地層の性質や状態を指すのに対して、土質は土で構成される地層や地盤の性質や状態を指します。 また、調査対象が岩石であるか土であるかによって生成時代(火山岩を除いて第四紀以前と以後)が異なり、地形(山地と平野)が異なるのが普通です。


地質調査は、岩石・地層の分布、相互関係、形成年代や地質構造などを把握するために行われる調査であり、ダム、トンネル、道路等の構造物の施工や保守・点検、住宅地や工業団地の造成、地すべりや斜面の安定化対策、道路斜面の危険箇所の調査や点検・保守などを目的として実施されます。なお、調査技術者は対象となるフィールドの地質構造発達史という履歴を意識しています。履歴を意識しなければ地質分布や地質構造を正しく把握できないからです。

地質調査で最も基本になるのは岩石ハンマーとクリノメーター(地層の走行や傾きを測る道具)を用いて山野を巡る肉眼観察です。この調査を地表地質調査あるいは地質踏査といいます。
 地表からの肉眼による調査には限界があることから、地質調査はボーリング調査、ボーリング孔を利用した各種試験、物理探査などが伴うのが普通です。


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土 質

土の性質や状態を土質といい、土で構成されている地盤が土質調査の対象となります。
 土で構成されている地盤の大部分は新しい地質時代である第四紀に堆積した粘土〜砂礫であり、都市や水田の広がる低地や台地に分布しています。低地や台地は丘陵地や山地と比べて人の生活と係わりが大きく、多くの構造物や施設が集中しています。
 建築物・道路・鉄道・空港・港湾などを設計・施工するためには前もってその基礎となる土の性質を調べる必要があり、土質調査や土質試験が行われます。

土は固体部分と液体・気体の三相からなり、土粒子、間隙水、間隙空気で構成されます。
 土を粒子の大きさで分類すると、粒子の細かい順に、粘土、シルト、砂、礫に分類されます。
 土の構成粒子が砂や礫などの粗粒分を多く含む場合、その工学的性質は粒子の大きさ(粒度)が支配的です。一方、粘土やシルトなどの細粒分を多く含む場合は、含水比によってその工学的性質が大きく異なり、含水比の変化に伴って液体、塑性、半固体、固体に変化します。このように、含水比によって土の硬さや変形抵抗が変化する性質をコンシステンシーといいます。

特に、シルトや粘土よりなる軟弱な地層(沖積層)が厚く分布している場合は、地下水位の低下および盛土や構造物などによって地盤に新たな荷重が加わると、地盤から水分が絞り出されて圧密沈下を起こします。また、構造物などからの荷重が均一でない場合は不同沈下を起こす場合があり、土(あるいは地層、地盤)の土質工学的性質を明らかにして、より安全で、より経済的な施工方法を検討する必要があります。


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土と土壌

土は身近な存在で一般にはどこにでも存在しています。土は岩石の風化によって形成されたものであり、風化形成後もそのままの位置に存在している定積土と流水などによって運搬された後に堆積した運搬土(堆積土)に区分されます。一般に、山地の地表は定積土、平野の地表は運搬土で被われています。
 定積土の代表としては花崗岩の風化によって形成されたマサ土があり、山全体の大部分がマサ土である場合もあります。運搬土の代表としては崩積土や崖錐および河成堆積土や海成堆積土などがあります。
 土は固体(土粒子)、液体(水)、気体(空気)の3相より成るものとして理解され、3相の比率や状態によって土の性質が決まります。

土は岩石に対比した用語であり、地下深部まで分布するすることがありますが、土壌は植物の生育が可能な地表付近の土を指します。
 植物が生育しやすい物理的環境としては土壌の固体相・液体相・気体相の比率が順に50%・25%・25%程度が目安になるとされ、固相率が大きいと根を張り巡らすことが困難になり、液体相が大きいと根が湿害を起こしたり反対に小さいと水不足となります。
 土壌には多量の有機物が含まれており、これを分解する細菌(バクテリア)などが生存しています。細菌は有機物を植物に利用される栄養分に分解する働きをしていますが、土の酸性化が進むと細菌の活動が低下して有機物が分解されにくくなります。土壌に石灰を混ぜるのは土壌の酸性化対応策です。


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地 盤

 地盤は厳密な意味で定義されているわけではありませんが、一般には、建物などの構造物を支持する層をイメージして、人間の生活と関わりのある比較的浅い部分(地表面〜深度数mないし数10m程度)を指すものとされております。日常的にも地盤が良いとか悪いというように使われ方をします。
 岩石で構成されている場合を岩盤というのに対して、土で構成されている場合を地盤という言い方もします。地表付近は岩盤が露出していることは少ないので生活との関連では地盤という言葉が一般的です。

 構造物の基礎としての地盤は、構造物支える必要があるため、構造物に応じた強度(支持力)を持っている必要があります。そのため、構造物(高速道路、橋梁、マンションなどのビル)は地盤の性質に応じた基礎が必要になります。一般の木造住宅は重量が小さいので、地盤の上(地表)に直接基礎(鉄筋布基礎、べた基礎)を置くだけで問題がない場合が多いですが、時には地盤沈下、不同沈下など地盤が原因となる問題が生じることがあります。沖積層の厚さと木造住宅の被害率を示すグラフ

 日本の大都市は平坦あるいは緩やかな場所に広がっており、その地盤は最も新しい地質時代である新生代第四紀の地層(洪積層、沖積層)で構成されている場合がほとんどです。特に沖積層は過去約2万年前の最終氷期が終了してから現在までに形成された地層であり、未固結の新しい堆積物よりなる地盤であるからこそ、問題となる特徴を持っています。
 地震災害として問題となりやすい地盤には、軟弱地盤、砂質地盤、異種地盤、盛土地盤などがあります。
 軟弱地盤は通常時の地盤沈下や不同沈下に加えて地震時の震動の増幅作用や建物の共振作用によって被害が拡大することがあります。N値による軟弱地盤の基準として、粘土や粘性土の場合はその厚さに応じて4から6以下、砂または砂質土の場合10以下とすることがあります。一方、砂質地盤では液状化による被害が生じることがあります。

 右の図は沖積層の厚さと木造住宅の被害率(関東大震災 1923年)の関係を示しており、沖積層の厚さが厚いほど被害率が増加しています。(大崎順彦「地震と建築」 岩波新書より)

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岩 盤

 一般に、平野には軟弱な堆積物が分布し、山地には風化土が分布しており岩肌が露出するのは一部に限られますが、堆積物や風化土砂の下位には固結した岩体である岩盤が分布します。
 構造物の基礎として土であるか岩であるかによって地盤と岩盤に区別して対比的に用いられることもあります。
 岩盤は安山岩や流紋岩などの火山岩、花崗岩などの火成岩および第三紀以前の堆積岩(第三紀層、中世層、古生層)であり、現在では平野の地下深く、あるいは山体として存在しています。

 岩石や岩が総称的に用いられるのに対して岩盤はある広がりを持った概念です。
 岩盤から試料として採集した岩石とこれを採集したもとの岩盤は強度が大きく異なります。岩盤の強度は岩盤に含まれている亀裂などの不連続面の性質に大きく影響されるからです。
 
 ダムやトンネルなどの構造物の基礎としては、岩石自体の性質の他に岩盤に含まれている不連続面(節理や断層などの亀裂や地質境界)の性質が重要です。亀裂などの状態によって岩盤強度や透水性に大きな違いが生じることから岩盤の調査は不連続面の性質や分布状況に重きがおかれます。

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地 殻

 地球は地震波の伝播速度の研究により地表から中心に向かって地殻、マントル、核(外殻、内核)に区分されています。
 20世紀の初め、地震観測から得られた走時曲線(距離と伝播時間の関係を示すグラフ)から地下数十kmの深さに地震波の伝播速度が異なる境界があることがモホロビチッチによって見出されました。この不連続面をモホロビチッチ不連続面(略してモホ面)と呼びます。モホ面は地殻とマントルの境界面であり、モホ面から地表までの層が地殻です。地殻内のP波速度は6〜7km/s程度であるのに対してモホ面の下の最上部マントルでは8km/s程度に増加しています。

 地殻の厚さすなわちモホ面までの深度は大洋底で6km前後、大陸で30〜50km程度であり、日本列島の下では約30kmです。
 大陸地域での地殻を地震波の伝播速度の違いから2つに分けてその境界面をコンラッド不連続面と呼ぶことがあります。コンラッド不連続面は地域によっては明瞭であり、花崗岩質層と玄武岩質層の境界ではないかと考えられていますが確かではありません。
 大洋地域と大陸地域では地殻の厚さや構成される岩石に大きな違いがあり、地殻は海洋地殻と大陸地殻に区分されます。海洋地殻は玄武岩層、大陸地殻の上層部は花崗岩層で特徴づけられています。 
 地表に花崗岩が分布している区域は特別多いといえませんが、堆積岩が分布している地域を除くと花崗岩および花崗岩に近い組成の岩石が分布してることから、大陸地殻の上部層を花崗岩層と呼んでいます。

 風化していない花崗岩は硬質な岩であり建築物の床や壁材あるいは道路の縁石や墓石などに広く使用されていますが、他の岩石と比べて風化しやすく、風化するとマサ土という土に変わります。神戸のポートアイランドは花崗岩よりなる六甲山の風化土砂を海に埋め立てて造成された土地です。

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温 泉

 科学的には、その土地の年平均気温より高い水温を持つ湧水と定義されます。
 温泉は循環水が地下にあるときに地熱により温められ、周囲の岩石・堆積物との相互作用の結果、多様な化学成分を含むようになったものと考えられ、溶存成分だけではなくガスを伴うものが多くあります。同位体地球化学的方法により、温泉水に対する初生水の寄与はたかだか数%以内であることが明らかになっており、かけ湯といってもそのほとんどは循環水です。
 
 温泉法は昭和23年に制定された法律であり、温泉を保護し、その利用方法の適正を図り、公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。
 温泉法で言うところの温泉は、地中から湧出する温水・鉱水および水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温泉源から採取されるときの温度が25°C以上あるいは一定以上の溶存物質等の物質を有するものと規定されています。なお、温度が25℃というのはこれ以上であれば普通の地下水と違って温度異常を有するという考え方に基づいています。

 温泉によっては細菌にとって有害な溶存成分を含んでいるため、現代のような治療薬がない時代においては武士の刀傷などの化膿した傷の治療には絶大な効果があったものと思われます。
 温泉には体をリラックスさせる効果がありますが、他にも人体にとっても有害な成分が微量に含まれていることが体に刺激を与え免疫力を高める効果になっているのかもしれません。
 同様に、放射能泉ではラジウムなどの微量の放射能が細胞を活性化させて自然治癒力を高める効果(ホルミシス効果=低線量被爆効果)があることが知られています。

 温泉は火山地帯に集中しており、現在の火山活動に伴う熱が温泉の熱源となっている場合が多いですが、温泉の一部では、新第三紀中新世のグリーンタフ活動や中生代白亜紀の花崗岩を生成した活動の熱が温泉の熱源となっている可能性があると考えられており、地下深部では数千万年にわたって活動時の熱が保持されているようです。
 一方、地下の平均的な温度上昇率は、100mで3°C程度であるので、地表の温度を20°Cとすれば、地下1000mの深度では50°Cの地下温度となります。最近開発された温泉では地下深部に賦存する地下水をくみ上げたものが多くあります。

 大地震の前後に温泉の湧出量が変化したり大地震の後に突然温泉が湧出するような例があります。関東大地震の前には熱海温泉の間欠泉が活動を停止するほど衰退していたものが地震の前日になって急に活発化し、地震直後はさらに激しい噴湯活動を示したと言われています。

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崖錐
穂高岳涸沢の崖錐
上の岩盤からはがれた岩屑が落下して、きれいな直線状の斜面をつくる
写真・説明文とも「日本の山はなぜ美しい」 小泉武栄著 1993 より
出版社古今書院
http://www.kokon.co.jp/

風 化

 岩石が砂や粘土に変化することを風化といいます。
  表面がざらついた感になって刻まれた文字が判読できなくなった古い石碑や目鼻のはっきりしない石地蔵を見かけるように、硬い岩石もいつかは風化して砂や粘土に変わっていきます。
 風化には物理的風化と化学的風化に分けられ、物理風化が化学風化を促進させながら同時的に進行します。

 物理風化は主に温度変化による作用であり、岩石構成組織の膨張と収縮や水の凍結膨張によって亀裂の拡大と砕片化が進行します。
 山岳地帯では化学的風化に対して物理的風化が目立ちます。化学風化が進行する前に物理風化(凍結破砕作用)によって生じた亀裂が分離面となり急崖から脱落します。脱落した岩片が堆積することによって崖錐斜面が形成されます。過去から現在までの物理風化の影響を強く受けることによって荒々しい岩肌とガレ場のような山岳独特の景観が生まれています。(右の写真参照)
 化学風化は主に雨水や流水との接触による変質作用であり、岩石の構成組織が分解して粘土化が進行します。
 なお、植物の根が岩石を破砕したり根が腐食することによって生じる炭酸や有機酸が岩石・鉱物を溶解したりすることを分けて生物的風化ということがあります。

 地表部は地下に対して温度変化が大きく雨水や河川水などと接触することが多い環境であるので激しい風化作用が働いています。このため、地表には風化によって生じた風化土、あるいは風化が進行して生じたボロボロの風化岩が分布することになります。 
 一般に地下深部までは風化が及ぶことはほとんどありませんが、地殻変動や火山活動などに伴い、地下深い岩盤にも断層に伴う破砕帯や熱水変質作用による変質帯などが分布しています。また、花崗岩地帯では深層風化と呼ばれるように地下深くまで風化が及んでいることがあります。これらは性状としては風化作用が働いたのと似ていますが、多くは地質時代を経て形成されたものと考えられています。

 ところで、風化によって刻まれた文字が判読できなくなった石碑などがある一方で、カールなど二万年前の氷河時代に形成された岩壁がほとんど風化することなく地形として残っている事実は何を意味するものでしょうか。石碑と岩壁ではスケールが違いすぎて直接的な比較は無理でしょうが、新鮮岩の風化速度は風化皮膜の形成の研究から想像するとかなり遅いようです。石碑などの加工物は、原石山からの石の切り出し・運搬・加工を経て完成するまでに目に見えない亀裂が無数に入るような現象を第一とし、最近の都市部の大気環境が風化に関与しているかもしれません。

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侵 食

 雨・流水・風・波・雪・氷河などの作用によって地球の表面が削られることを侵食といい、それぞれ雨食・河食・風食・波食または海食・雪食・氷食といい、この作用を侵食作用といいます。なお、雨水や地下水の溶解作用による侵食は溶食といって侵食と区別されます。

 身近にある侵食には流水による河食や波浪による海食などがあります。
 山間部の谷のほとんどは渓流による河食であり河食による谷を侵食谷と呼びます。
 波浪の作用で形成される地形には海食崖や波食台があります。海食台が地殻変動によって上昇すると平坦な磯が生じることがあります。これが波で再び侵食されると凹凸の激しい磯を経て新たな海食台として海面に没します。
 
 侵食と堆積は対を成す作用であり、上流の山間部で侵食された土砂は主に谷の出口や河口で堆積して扇状地三角州などの独特の地形を形成します。
 河川による山地の侵食は大雨で渓流が増水したとき激しくなります。通常は清流が静かに下る渓流でも豪雨の際は激流が渓流の両岸を洗い土砂を巻き込んだ濁流となって流下します。侵食作用が激しければ運搬作用や堆積作用も激しくなって一般には扇状地や三角州が拡大します。
 山地斜面の崩壊土砂が渓流に流れ込むことなどによって発生する土石流は谷底に堆積している土砂を巻き込み両岸を侵食しながら急速度で流下するため、急激な侵食・運搬・堆積作用を伴います。

侵食と浸食 どちらが正しい?
結論からいうとどちらも正しく、使い分けはされていません。
侵は侵害、侵犯、侵入などに用いられ、おかす、そこなうという意味合いであるのに対して、浸は浸出、浸入、浸透、浸水など水や液体がにじむ意味合です。意味合いから考えると、浸食よりも侵食のほうが広い意味合になり、風食や氷食をなどを含めると侵食の方が妥当と思われます。また、学校教育でも侵食が用いられているので、侵食が正しいようにも思えますが、辞典や専門書などにも浸透が用いられていることがあります。特に、最新の地学辞典(平凡社1996)が浸透を採用していることから、混沌としています。日本では砂漠や氷河がないので、水が関与する侵食がほとんどを占めることから、侵食=浸食であるともいえそうです。

【参考】
・文部科学省関連 
中・高等学校(教科書)では侵食、学術用語集 地学編 文部省(日本学術振興会発行) 1984 でも侵食
・一般
広辞苑(第二版1973)では侵食・浸食、広辞苑(最新版2008)では侵食で、解説文に「浸食に同じ」
・地学分野
新版 地学辞典 古今書院 1970 では侵食
増補改訂版 地学辞典 平凡社 1981 では侵食
新版 地学辞典 平凡社 1996 では浸食

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堆 積

狭い意味では土砂などが積み重なることを堆積といいますが、地質の分野では堆積物(地層)の形成する過程を総称して堆積といいます。
 海は堆積物が積み重なる場所であり、陸起源の泥などが届かない外洋でもプランクトンの遺骸や空気中を漂う微細な粒子が堆積しています。河口に続く海域は河川から供給される土砂が盛んに堆積している場所であり、河川の流れによって河口近くに砂などの粗粒の堆積物が堆積し、粘土などの微細な粒子は沿岸流などによって遠くまで運ばれ堆積します。
 海で堆積した堆積物は地質時代を経ることによって圧縮・脱水・変形などを受けながら固結して礫岩・砂岩・泥岩やチャート(遠洋性堆積物)あるいは凝灰岩(火山性堆積物)などの堆積岩となります。新生代第三紀以前の堆積物は固結して堆積岩として存在しますが、それより新しい第四紀の堆積物は礫・砂・粘土などの状態で多くの場合固結しないまま存在しています。

新生代第三紀の堆積岩は比較的新しい地質時代の生成物であり、軟らかい岩であることから軟岩と呼ばれます。これに対し、中生代や古生代に堆積した堆積岩は長い地質時代を経ることによって硬く固結しているので硬岩と呼びます。これらの硬岩も風化によって軟化すれば風化軟岩に分類されます。
 軟岩や硬岩などは聴きなれない言葉ですが、岩掘削の施工性を考慮して、軟岩・中硬岩・硬岩に区分されることがあります。岩掘削の施工性はこのような軟硬のほかにも剥離性のある層理面の状態、亀裂間隔や亀裂が密着しているか開いているかなどの状態が大きく影響します。なお、一般には硬い岩ほど割れ目は多いという傾向があります。

陸上部での堆積作用によって形成された地形には谷の出口付近の扇状地や河川中流から河口に至る付近の中州および河口付近の三角州などがあります。

山地斜面の崩壊土砂が渓流に流れ込むことなどによって発生する土石流は谷底に堆積している土砂を巻き込み急速度で流下して谷の出口などで大量の土砂や岩石を堆積させます。


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溶 岩

岩石を構成する物質が溶融状態にあるもの、または溶融状態にあったものが固結して生じた岩石を溶岩といいます。普通、火山の活動により、地下のマグマが地表または地下浅所に噴出して急冷固結した火山岩を指し、大部分が非晶質か細粒結晶質です。

特徴的な構造を示す溶岩に枕状溶岩があります。枕状溶岩は、玄武岩などの粘性の低い溶岩が水中または沼地や湿地を流れたときに生じる溶岩で楕円体またはそれに近い丸みを帯びた特異な形状の団塊が折り重なったものです。表面は急冷されてガラス質になっており、内部に放射状の割れ目(節理)が発達しています。一般に、各団塊は独立して分離しており、間隙は変質した火山ガラスや他の堆積物で埋められています。多くの団塊は生成固結時に塑性変形した跡を残し、重力によって下方の隙間に垂れ下がるような形を示すことから、堆積時の上下方向を判定することが可能です。枕状溶岩は、ハワイなどの海洋火山島の海岸近く、また、中央海嶺の中軸谷、海山の斜面などに見られます。

インドのデカン高原や北アメリカのコロンビア川台地はほぼ水平な玄武岩質の溶岩が数多く重なり合ってつくられている大規模の台地であり、これを台地玄武岩と呼びます。また、海洋ではオントンジャワ海台やケルゲレン海台など広大な地域が玄武岩溶岩で被われています。これらの地域は過去の爆発的な火山活動によって生み出されたもので火成岩石区と呼ばれています。
 火成岩石区の急速な成長と溶岩の噴出総量はプレートテクトニクス理論におけるマントル対流だけでは説明できないことから、深い根を持ち細長い形態をした高温のプルームという上昇流によるとする仮説によって説明されています。
 火成岩石区の形成場所が陸上と海洋では、地球環境に与える影響は異なるでしょうが、いずれにせよ大量の火山性粒子や二酸化炭素、イオウ、ハロゲン等のガスが放出されるので、地球環境を大きく変化させたと考えられます。例えば、白亜紀-第三紀境界はデカン高原を形成した台地溶岩をはじめとする一連の火山活動が勃発した時期に相当しており、生物の大量絶滅との関連が指摘されています。

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テフラ

テフラは空中を介して移動した火山砕屑物の総称であり、溶岩に対して用いられます。溶岩は溶岩流として火山体の斜面を流下したり、貫入岩として火山体周辺に貫入するのでその分布は狭い範囲に限られます。これに対し、特に粒径の小さいテフラは風によって遠くまで運搬され、噴火当時の地表面を被い、堆積環境の水中などでは薄層として地層間に取り込まれます。

テフラはその形成期間が地形や地層の形成期間と比べて極めて短く、その分布範囲が広いという特徴があり、鍵層として地形面や地層の対比に利用されています。また、テフラに含まれているジルコンや黒曜石を用いてフィッショントラック法という年代測定法でテフラの噴出年代が求められています。テフラの堆積状況を解読して地史を編んでいくことをテフロクロノロジーといいます。

関東ローム層は更新世中期〜後期に堆積したテフラが幾重にも堆積したものであり、南関東では上位から立川ローム層・武蔵野ローム層・下末吉ローム層・多摩ローム層の4層に分けられています。立川面・武蔵野面・下末吉面・多摩面と呼ばれる形成時代の異なる地形面の分布や高度はテフラの層序区分を相互に対比することによって明らかになりました。地形面の分布状況は地形面が形成された時代の海水面と大きな関係があり、地形は汎世界的な海水変動と地殻変動とが関連して形成・発達してきたものと認識されています。
また、立川ローム層の中に多量の火山ガラスの混じった白色火山灰層が含まれているのが知られていましたが、これが南九州から飛来したテフラ(姶良Tn火山灰層(AT))であり、東北地方の北部より北を除いた本州・四国・九州の全域を被っていることが分かりました。このような広域を被うテフラは広域的な地史の解明に役立っています。仙台平野を中心とした貞観地震(869年)の津波堆積物の同定には915年に降下堆積した十和田aというテフラが使用されているのがその例です。


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地球内部の不連続面など

 地球の内部の不連続面は地震波(自然の地震や地下核実験による爆破の震動)の伝播状況を観測することによって発見されました。
 地球の内部を伝わる波には実体波とよばれるP波とS波がありますが、S波は液体中を伝播することはできません。震央から観測点までの距離を横軸に、震源から観測点に到達する時間を縦軸にして多くの観測データをプロットすると距離と伝播時間の関係を示す走時曲線が得られ、これからP波とS波の速度分布が求められます。
 地球の大構造を示す不連続面にはコンラッド不連続面、モホロビチッチ不連続面、グーテンベルグ不連続面、レーマン面があり、プレートの沈み込みを示す深発地震面があります。
 
 現在では地震波トモグラヒィーの解析技術(画像化)により、地球を輪切りにした構造やマントル内の不均一構造などが視覚的に捉えられるようになっています。

 コンラッド不連続面
 大陸地殻を2つに分けたときの境界面。花崗岩質層と玄武岩質層の境界ではないかと考えられていますが確かではありません。

 モホロビチッチ不連続面(モホ面)
 地殻とマントルの境界面。深さは大洋底で6km前後、大陸で30〜50km程度。日本列島の下では約30km。
 
 グーテンベルグ不連続面
 マントルと外核の境界面で深さは2,900km。この不連続面を越えるとS波が伝わらないことから液体であることが判明しました。
 
 レーマン面
 外殻と内核の境界面で深さは5,100km。外殻が液体で内核は固体です。内核は隕石との比較から鉄とニッケルの合金であると考えられています。

 深発地震面(和達・ベニオフゾーン)
 深発地震およびやや深発地震の発生するゾーンは海溝の内側から大陸側に向かって傾いて深さ数百キロまで達しています。この地発地震面は沈み込むプレートの形状を表しています。

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