地球史46億年は、化石として残るような生物(硬骨格生物)の出現を境にして2つに分け、古い時代を先カンブリア時代といい、新しい時代を顕生代と呼びます。顕生代は古生代、中生代、新生代に区分され、「代」は更に「紀」、「世」と細分されています。先カンブリア時代は古生代カンブリア紀の先の時代であることから、このように呼んでいますが、地球誕生期までさかのぼります。
先カンブリア時代は地球の生成期から時代順に、冥王代、始生代(太古代ともいう)、原生代に区分されます。これらの時代の年代区分と主なできごとは次の通りです。
【冥王代】
地球生成(46億年前)から40億年前までの時代。マグマオーシャンの形成、核の形成、海洋の形成、マグマオーシャンの消滅、大陸 地殻(花崗岩)の誕生など。
地上最古の花崗岩(アスタカ片麻岩)の年代はほぼ40億年前。
地層の中から発見される生物化石の様相から相対的に定めた年代を地質年代といいます。地質年代は古い方から順に、先カンブリア代、古生代、中生代、新生代に大きく区分され、各々代・紀・世の順で細分化されています。例えば、新生代新第三紀中新世などと表現し、現在は新生代第四紀完新世になります。
地質年代は絶滅による年代区分であり、地質年代の境界では代表的な生物が絶滅し、それに変わる生物が台頭することになります。
例えば、2億5,000万年前の古生代と中生代の境界では紡錘虫やアンモナイトが絶滅しては虫類が栄え、6,600万年前の中生代と新生代の境界では恐竜が絶滅して哺乳類が台頭しました。
生物の絶滅による地質年代に元素の放射壊変から求められた放射年代を対比させた表を地質年代区分表といい、その1例を右の表(「層序と年代」 日本地質学会ヒィールドジオロジー刊行委員会 2006 から一部を抜粋編集)に示します。
右の地質年代区分表は新生代から古生代までを紀で区分し、その境界が何億年前に当たるかが放射年代で示されています。また、新生代第四紀のみ拡大表示して世で区分して数字は万年前で表示しています。
地質年代区分表はこれまでいくつも発表されていますが、国際的に統一されるまでに至っていません。そのため、日本では最新データを使用するという暫定的処置が取られています。
地質年代と同じような用語に地質時代があります。地質時代は地質年代と同じ意味で用いる他に、地質学の対象となる過去を漠然と指す場合にも用いられます。
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年代測定法のいろいろ(地質ニュース 私の20億年 −上麻生礫岩の礫− 2000より) |
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方法 |
同位体 |
半減期 |
試料 |
年代範囲 |
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K-Ar法 |
40K→40Ar |
1.25×109年 |
雲母、角閃石、火山岩、変成岩など広範 |
10万年程度よりも古い年代範囲 |
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Pb-Sr法 |
87Rb→87Sr |
4.88×1010年 |
雲母、カリ長石、深成岩、変成岩など広範 |
1000万年程度よりも古い年代範囲 |
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U,Th-Pb法 |
238U→206Pb |
4.47×109年 |
ジルコン、モナズ石、チタン石、閃ウラン鉱 |
1億年程度よりも古い年代範囲 |
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14C法 |
14C |
5730年 |
木片、泥炭、貝殻、骨 |
5万年より新しい年代範囲 |
同一岩体中の異なった鉱物、異なった測定手法からは異なった年代が得られることが普通であり、ある同位体の系がどの段階で閉じたかと関係しています。系が閉じたときに同位体が時計として動き出すことから、この不一致年代を利用して貫入・固結・冷却いった岩体の形成過程を調べることが行われています。
放射年代を解釈するにあたっては測定方法が前提条件を満足しているか、二次的な熱の影響を受けていないか、周辺環境に汚染されていないかなどの検討が必要であり、貫入・固結・冷却という地質的できごとを時間経過の中で理解することが必要だとされています。
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地質年代は古い方から順に、先カンブリア代、古生代、中生代、新生代に大きく区分されます。新生代は第三紀と第四紀に分けられ、第四紀は約180万年前から現在までの最も新しい地質時代を指します。
第四紀は氷河時代とも呼ばれ、氷河が拡大した氷期と、氷期と氷期との間の温暖で氷河が縮小した間氷期を繰り返してきました。氷期は海水面が低下して陸地が拡大したのに対し、間氷期には海水面が上昇し、陸地内部まで海水が浸入しました。
第四紀は最終氷期が終了して暖かくなった約1万年前を境に、それ以前の更新世とそれ以後の完新世に分けられます。完新世は最終氷期以後であることから後氷期ということもあります。時間的には更新世が第四紀のほとんどを占めています。最終氷期が終了した1万年前といえば、大量の溶岩を噴出して現在の富士山の骨格が形成された頃です。南関東での関東ローム層は、古箱根火山、箱根火山、古富士山などの更新世の活動による火山灰がほとんどであり、台地(洪積層)を特徴付ける堆積物です。
人類は第四紀より前の第三紀末に出現し、第四紀になって猿人、原人、旧人(旧石器時代)を経て、最終氷期にはわれわれ新人が出現して新石器時代に入りました。
新人は更新世の末に出現し、完新世の過去約1万年の間に縄文から現代の文明までを築いたことになります。
新生代第四紀は氷河時代とも呼ばれ、氷河が拡大した氷期と、氷期と氷期との間の温暖で氷河が縮小した間氷期を繰り返してきました。氷期は海水面が低下して陸地が拡大したのに対し、間氷期には海水面が上昇し、陸地内部まで海水が浸入しました。海水が浸入することによって新たな海水侵入域は河川によって運搬された砂や粘土が堆積することになります。
最終氷河期の海面低下期(約2万年前の更新世末期)以降に堆積した地層を沖積層といいます。
縄文時代早期から前期にかけては現在よりも海水面が上昇し、内陸部まで海が進入しました。これを縄文海進といいます。内陸部に浸入した海には、内湾成の堆積物が堆積しましたが、その後、海水面が低下し、海が退いた後には新しい堆積物で覆われた平坦な平野が残されました。縄文海進とその後の海退は、結果的には次の弥生時代以降の良好な米作地帯と現在の都市地盤を準備しました。この平坦で広大な平野や低地を含めて沖積層で形成されている平野を沖積平野といいます。代表的な沖積平野に海岸平野があります。
第四紀は更新世と完新世に分けられますが、完新世(沖積世)の堆積物がこのまま沖積層に相当するわけではありません。沖積層は最終氷期以後の堆積物を指し、更新世末期および完新世の堆積物に相当します。一般には更新世末期に堆積した沖積層はそれ以後の新しい時代の沖積層に被われて地下深部に埋もれています。
沖積平野の地表部を覆うのは特別な場合を除いて最も新しい堆積物です。
沖積層は工学的には軟弱な地層で特徴付けられ、構造物の基礎として注意が必要な地層です。
関東ローム層は第四紀の火山活動に由来する火山灰起源の地層群の総称であり、南関東では富士箱根火山に噴出起源をもつ火山灰が偏西風にのって堆積、風化、粘土化した土です。火山活動の時期の相違から新しい順に立川ローム層、武蔵野ローム層、下末吉ローム層、多摩ローム層の4層に区分されています。
関東ローム層は特異な団粒構造で、間隙が大きいという特徴があります。団粒間の大きい間隙と団粒内の微細間隙からなっており、間隙内に貯えられる水分は非常に多いものの自由に流動しうる水分はその一部で、他は非自由水として拘束されています。したがって、関東ローム層は非常に大きな間隙を持ちながら、保水性が良いと同時に透水性も大きいという特徴を持っています。また、冬期に乾燥状態が続くと、地面の砂が強風に煽られて土ぼこりとなります。風乾されたロームが土ぼこりになりやすいのは、土粒子が細粒である他に乾燥密度が小さい(細かくて軽い)ことが主な原因です。
関東ローム層は見かけ以上に支持力を持っており宅地の地盤としては良好ですが、掘削などによってひとたび団粒構造が破壊されると軟質で厄介な土に変わります。
地球の温度環境を大きく分けると氷河時代と無氷河時代に分けられ、氷河時代にあって氷河が拡大した時期を氷期といい、氷期と氷期との間の温暖で氷河が縮小した時期を間氷期といいます。
新生代に入ると南極大陸が他の大陸から孤立しました。南極大陸を廻る環南極海流が成立することによって南極大陸が寒冷化し、氷河時代呼ばれる時代に入りました。氷河時代でも寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期があり、氷期と間氷期を繰り返しながら、現在(間氷期)に至っていると考えられています。
最終氷期は約1万年前に終わり、現在は間氷期に相当しています。最終氷期以後の温暖化に伴って氷河が縮小し、海水準が上昇しました。この海進を縄文海進と呼んでいます。
最終氷期とそれ以後の間氷期のおよその境界は地質の時代区分では第四紀の更新世と完新世の境界(約1万年前)に対応し、旧石器時代と新石器時代・縄文時代の境界(1万数千年前)にも対応します。したがって、縄文から現在までの文明は、最終氷期以後の温暖化とそれに伴う環境変化ともに形成されたことになります。
氷河が発達し、地球上を覆う氷河の面積が増えると太陽からの熱エネルギーを反射しやすくなることからますます気温が低下します。氷期には大陸に厚い氷床が発達し、山地を削り広大な平野が形成される一方で、間氷期には氷が溶けて海水面が上昇します。海面の変動は、海峡・水道の断続や海岸地形の変化を引き起こし、動物の移動や植物の分布に大きな影響を及ぼしました。
氷河によって形成される地形には、谷頭部の侵食地形のカール、岩屑よりなるモレーン(氷堆石または氷成堆積物およびその丘)などがあります。
温暖化とともに氷河が縮小することによって海面が上昇し、陸地が海の進入(海進)を受けることになります。![]() |
過去6千5百万年間の酸素同位体比が示す気候変動 海洋表層の変動は浮遊性有孔虫化石 底層の変動は底生有孔虫化石の分布値から得られた 3千7百年前の環南極海流の成立と1千5百万年前のトンガ海溝とサモア海路の成立によって地球は急激に寒冷化してきた。氷河時代の現在に向かって、表層と底層の温度差が大きくなってきた。南極域では表層もこの底層の変動と同じ傾向を示す。増田(1996) 図・説明文とも 環境理学 −太陽から人まで− 野上道男編著 2006 より |
この項目は「環境理学 −太陽から人まで−」 野上道男編著 2006 を参照しました。