山の郵便配達 

オヤジを演じる俳優が日本の誰かに似ていると映画を見ながら
ずっと考えていた。映画館を出て「そうだ、宮口精二だ」と納得。
あの七人の侍の。それが分かってほっとした。
映画は裸の島に似た感じだ。裸の島のようにせりふが全く無い映画
ではないが少ない。にぎやかなシーンはおまつりのところだけ。
静かな映画だ。

中国の山奥で郵便配達を長く続けた父親が、子供にその仕事を
引き継ぐ3日間を映画は描いていく。

山道を重い荷物を背負いながら黙々と歩く。
歩く場面が多いのはこの仕事の性格をよく物語っている。
川を渡るときに息子に背負われる父。息子の背で涙をこらえる。
見ている方も涙をこらえるようなシーン。  

紙飛行機を飛ばすシーンがいい。でもちょっと長すぎたね。

こういう物言いは失礼だが、中国でもこういう映画が作れるんだと
感心した。