ニューシネマパラダイス 

この映画の完全版というのがビデオで出ているらしいが、
驚いたことに話がかなり違っているとか。インターネットで
見ていたらそんなことが出ていて、完全版の評判が
すこぶる悪い。オヤジが見たのは映画館だからそれでは
ないんだが。映画館で見たバージョンは凄くいいね。

何がって映画好きをくすぐる映画だよこれは。
話の筋は省略。まず映写室が出てくるけど、オヤジは
昔映写機を扱かったことがあるんだ。本当だよ。
いっぱいやったのは8ミリだけど、16ミリの映写機までは
操作したことがある。映写機のあの「ジ・・・」という音は
何ともいえんね。今映画館は禁煙だけど昔はたばこを
吸ってたと思う。だから映写機からの光がたばこの煙を
くぐり抜けてスクリーンに届くんだが、映画館の中に光の
筋がはっきり出来るんだ。あの映画館の中はまさにそれ
だね。映画を見ながらぐしゃぐしゃ音を立てながらものを
食べたりして。

外の建物をスクリーンにして映画を映すて言うのがあっ
たけど、昔は結構屋外で映画をやることがあったね。
でかいスクリーンを外に張って、夕涼みしながら。寄って
くる蚊を叩きながら。あのシーンを見て思わず、
「ある、ある!」だった。

この映画の見せ所はなんといってもラストシーンだ。
あれはなかなかのもんだ。キスシーンがあんなに続くのは
初めてだね。名画のカットがいっぱい出ていた。アイデア
の勝利だ。

一つ気に入らないところがあるんだけれど。
話の中程で高校生くらいのところの話があるんだが、
このあたりが締まらず、冗長だ。あの若いの、演技が下
手。あの部分は無くったって良いんじゃないかと思ったが
だめかな。

ところでこの映画を3回目かに見た時に気が付いたのだ
が、主人公のトトの大人役がジャックペラン。彼は「鞄を
持った女」でクラウディア・カルディナーレと共演したのが
たぶんデビュー作。あの時は美少年だったよ。ほんと。
この映画でも当時の面影があったぞ。

何度見ても見飽きない映画だ。