カンダハール
この映画はアメリカのアフガン空爆が始まる前に作られた映画と聞いて
いる。だからそれがどうしたということもないのだが。
感想としては、素人が作った映画という印象である。
話の筋が何というか訴えるものが弱い。
主人公の妹が皆既日食の日に自殺するとか言うのだけれどなぜ死な
なければという背景が分からない。
話が完結しているとも思われない。
そうは言ってもやっぱりアフガンを舞台にした映画であれば無視できな
い。この映画を見てアラブの生活とか市民の生活状況がかいま見られ
たのは収穫だ。
そういえば、この映画には音楽が全くなかったと思うのだが違ってるかな。
常々映画を見て違和感があるのは、日常生活では決して映画で流す
ようなバックグラウンドの音楽はない。にもかかわらずなぜ映画ではそう
したものが堂々とまかり通るのだろうかと思うことが時々ある。
それはその時の音楽がいかにもと思わせるときなのだが。
たまにはこんな時に映画のようにバックに音楽でも流れてくれればいいのに
思うことがある。ま、所詮あり得ないことだけれど。
というわけで(どういう訳?)いまいちな映画だった。
(2002.10.14)
最近、この映画で主役を演じていたニルファー・バジーラさんのインタビュー記事を読んだ。それによるとこの映画は完結したものではないとのこと。撮影はイランで行われ、ラストシーンはアフガニスタンで撮る予定が入国ビザが下りず結局後半部分は撮れなかったというのだ。この映画を見たとき、尻切れトンボのようなという印象があったがこれで納得した。そんな具合でも公開するという神経は見上げたものだが、その一方で高く評価する批評家がいることは摩訶不思議だ。
(2002.11.24)
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