リトル・ダンサー 

ビデオでこれを見ていたら、ラストシーンのところで我が家のチャイムが鳴った。
宅急便かと思いつつ玄関に出ると新聞の集金人。「このー」という気分
だったがそこはぐっと我慢して、金を払って「ご苦労さん」。
慌ててテレビの前に戻るともうラストもラスト。仕方がないのでラストシーンの
部分を巻き戻しここだけ見直した。
それにしてもあの最後の飛び上がるシーンは凄い。あれだけで感動する。

外国のこの手の映画を見ていて思うのは、子供の扱い方が日本といささか
違うということ。子供には違いないのだが、一人の人間として扱っている。
甘ったれとところが少ない。子供なりに自分の考えを持っている。
すべての子供がそうだと言うことではないのだろうが一般的にそうした教育を
受けて育ってくるのだろうと思わせる。

映画は少年がダンスに目覚め、その才能を家族や周囲の人が支えていくと
いうもの。周囲の人がいろいろな生活を抱えている。ダンスというものを媒介
としてそうしてものを切り取っていく。少年も変わる、そして周囲の人たちも
変わっていく様をうまく描いている。

ホモっぽい子供が出てくるなんぞは、しゃれているというか何というか。
こんな筋だてはなかなか考えつきませんね。ラストでもう一度出てくるところは
いささか頂けなかったけれど。

こういう話は日本映画の一番苦手なストーリーなんではないだろうか。
えてしてこういうテーマを日本で作ると甘ったれたものになるか、はたまた劇画
風になるかのどちらかになってしまう可能性が高い。

同じようにダンスをテーマにした映画ではあるが、ダンサーインザダークは結末が
見ていてつらい。暗い気持ちになるが、こちらはハッピーエンドだから見終わった
印象は雲泥の差がある。

 

(2002.12.18)