ギャング・オブ・ニューヨーク
これはできの悪いやくざ映画だ。
舞台は南北戦争さなかのニューヨーク。ネイティブとアイルランド移民の
抗争を描いたもの。
血なまぐさい場面が多く気色悪かったが、2つのことを考えさせられた。
一つはアメリカという国の生い立ち。どういう歴史的な背景を持ちながら
今に至っているか。自明の事ながらこの映画にあるような多くの移民から
なる多民族国家であると云うこと。そのことはアメリカを考えるときにまず
中心軸として頭に置いておかねばならない。
そしてもう一つは、そうした生い立ちを持つアメリカが、いまイラクに侵攻を
かけようとしている。そこにどういう接点があるのかと言うことを映画を見な
がらぼんやり考えていた。
アメリカのネイティブはインディアンと思うんだが、当事者達はそう思って
いないようだ。映画の製作者達もそう思っていないのではないか。
ネイティブとはアメリカに少しでも先に移住してきた者達だと考える。
先に住んだものが先住権みたいな権利・縄張りを主張する。
混沌とした世の中で、自分の身は自分で守るしかない。これがアメリカの
原点だろう。従って先進諸国では大ぴらに銃所持を認めている国だ。
銃に基ずく事件が多発しても、銃の放棄をしようとしない。自分で自分の
身を守るという意識は変わらない。そう言う国なんだ。
やくざ映画でよくある仇討ちの映画ですこれは。デカプリオの魅力が出て
いたかと云えば、NOでしょう。見終わった後でこれといった感慨もない。
(2002.1.31)
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