まぼろし
ここまで女房に思われたら亭主冥利に尽きるというものかそれとも
しつこすぎると言うことになるのか。
夫婦で出かけた海岸で突如ダンナが行方不明になる。死体があがら
ないから、死んだのかどうか分からない。しかし奥さんはダンナは死んで
しまったと思っている。しかしそれを表には出さない。一人っきりになると
亡霊ではないが幻のごとくダンナが意識の中に出てくるというわけ。
しばらくして死体が発見されるが、奥さんはそれを亭主のものとは認め
ない。認めたくないといった方がいいかも。
行方不明になっている間、亭主の素行を調べると意外な事実に出会う。
鬱だったらしい。そのことを奥さんは知らなかった。自分が知らないことが
あったことでいらだつのだが、まあ夫婦の間だっていろいろ知らないことは
あらーな。
寂しさを紛らすためか男と不倫をする。
ナニをやらかしている最中に女が突然笑い出す。「あんたは軽い」と
言う。これはなかなか意味深なセリフのようでもある。単に自分の亭主と
不倫相手の体重差を言っているだけではさそう。女にとって存在の
重みの違いを言っているようなセリフか。
女の感覚で作ったように思える映画だが、監督は女か?。
フランスの映画だろうか。まあ、アメリカでは作れない類の映画だね。
でも、見た後にうんうんとうなずくような映画でもない。
主人公の気持が多少は分かるけれど。
(2003.11.17)
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