阿修羅のごとく 

期待した程の映画ではなかったというのが見終わった後の印象。
原作も読んでいないしTVも見ていない。
阿修羅のような、なかなかの女たちだなーと 思いつつ見ていたのだが
映画館を出て考えてみるにちっとも阿修羅のごとくではない。
これは菩薩ではないか。男達の勝手を優しく見守る菩薩さまだ。

前半は浮気や不倫などのエピソードが次から次と展開され落ち着きが
なかった。全体的に話が散漫な感じで一本筋が入っていない。
父親の浮気がメインテーマかも知れないがそれだけではないし。
原作がそうなのかそれとも脚本が悪いのか。

次女の黒木瞳にもっと嫌らしさを出させた方が良かった。亭主の浮気を
知りながらそれにもめげず尽くすというのではなく、針で突っつくような
嫌らしさが欲しかった。
それと母親を死なせてしまったのはもったいない。あれも死なせずに
生かしておいて寝たきりかなんかにして亭主をいじめるくらいの方がおもしろ
かったなー。

見所といえば大竹しのぶと桃井かおりのからみ。これは迫力があって
この映画の一番の見所だ。さすがに嫌らしさの演技ではひけを
取らないご両人の面目躍如。

3女と4女の話はとってつけたようでいまいち。

それにつけても映画に出てくる新聞というと何で「毎朝新聞」なのだろう。
読売はからめないんですかね。「読日新聞」とか「朝売新聞」とかじゃ
駄目か。


(2003.11.21)