情婦
NHKの世界名作劇場で40数年ぶりに見た。
新聞のTV欄によると1957年制作とある。おそらく高校生の時に
見たと思う。見終わったあとの興奮を今でも思い出す。
実に鮮やかなどんでん返しだった。
その後見たいと思いつつなかなかその機会がなかった。
夜たまたまTV欄を見たら「情婦」をやるというのに気が付いたときには
すでに半分ほど経過していた。見ようかどうしようかなと迷いつつチャンネルを
回すと法廷の場面。ここからが面白くなるところだとそのまま見終えた。
原作がアガサクリスティで監督はビリーワイルダーだったとは当時は全く
知らなかった。ただ、マレーネ・デートリッヒの怪しい魅力とチャールズ・ロートン
の演技の凄さの記憶はあった。
さすがですねこの映画は。
法廷場面が秀逸。チャールズ・ロートンがやっぱり凄い。
原作もだけれど脚本もよくできている。あちこちにちりばめられたユーモアが
何とも言えない薬味になっている。最後に魔法瓶の中身がブランデーと
知っていながら知らん振りをしていた看護婦なんて言うのは涙ものだ。
主役の一人はタイロンパワーなんだけれど、デートリッヒとチャールズ・ロートンに
は食われて全くいいとこなし。単なる二枚目俳優って感じ。
昔この映画の監督はてっきりヒッチコックだとばかり思っていた。
ビリーワイルダーとはね。彼のまだ初期の作品になるのだろうか。
「お熱いのがお好き」なんかいいね。マリリンモンローの魅力たっぷりだし。
ジャックレモンとトーニーカーチス(だったと思ったが)の掛け合いがすごく
楽しい映画だった。才能があるんですね。
余談だが私のパソコンの辞書には情婦などという言葉はないらしい。
文部科学省の検閲にでも引っかかっているのだろうか。
仕方がないので辞書登録しておいた。
(2003.2.25)
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