2003年8月18日（月）The Birmingham Children’s Hospital内にあるPlay Centerを訪問し、Children’s HospitalにおけるホスピタルプレイとPlay Centerの施設設備、プリパレーションツール等について、プレイスペシャリストから話を伺った。
＜はじめに＞
Children’s Hospitalには、病棟が16あり、世界各国から子どもを受け入れている。
５年前にPlay Centerができ、屋外にプレイエリアもある。Play Centerのスタッフは20名。外来100名・入院250床の両方の子どもたちをサポートしている。
明るく、広々としたPlay Centerで、プレイスペシャリストのClaire Nashさんのお話を伺った。
Nash：
＜Play Centerのスタッフ構成＞
Children’s Hospitalには13名のプレイスペシャリスト、７名のプレイワーカーと１名のコーディネーターがいる。
プレイワーカーは、子どもの発達を促進させる活動を担当している。プレイスペシャリストの仕事は感情面のサポートとプリパレーションである。コーディネーターは、サービスの管理やポリシーの作成をする管理職である。
＜Play Centerの使用状況＞
午前中は、プレイスペシャリストと子どもが１対１のホスピタルプレイを行う場として使用される。午後は、入院児や外来児にセンターを解放している。子どもが病室から出てきて、このセンターで過ごすことはとてもいいことだ。
小さな赤ちゃんがリラックスできるようなコーナーもある。
他の病院に比べれば恵まれた環境ではあるが、年長のティーンエイジャーが落ち着いて過ごすための空間が無いのが難点だ。年齢の高い子どもたちのために、このような建物がもう一つあるといいのだが。
＜プリパレーションツール等＞
センター内は、用途によっておままごとのコーナー、プリパレーションのコーナー、絵画や工作のコーナーなどがあり、様々なおもちゃが用意されている。
子どもが中に入れる大きさのテント式の救急車：これはロールプレイに使う。救急車で運ばれてきた子どもが、自分の身に何が起こったのかを理解するために使う。
実際に医療の現場で使っているものを、おもちゃと一緒に使って説明する。
鼻腔チューブをつけた人形：どのようにチューブが機能するのか、チューブがあるとどんな良いことがあるのかを、子どもに説明する時に使用する。
年長の子どもには、検査や処置の手順を写真と文章で解説したファイルを使って説明することもある。文章を読んだだけでは理解できない子どもには、視覚的な情報を与えて説明することが大切だ。
プレイスペシャリストが子どもたちに体のことを教え、学校の教師がさらにその学習を拡げ掘り下げるという連携もしている。
体に興味を持たせるために、まず大きな紙の上に、子ども自身の等身大の輪郭を描かせる。その人型をもとにプリパレーションを展開する。この人型作成は、とてもいいスタートポイントになる。
最近は、プリパレーションで使える市販のいいツールが手にはいるようになった。カタログで注文して取り寄せている。
パペットは子どもたちの感情を引き出すのに有効なツールである。パペットは子どもたちの代わりに、ドクターに文句を言う役割をすることもある。（ドクターに直接言えないことをパペットに言わせる。）
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＜ボランティアの受け入れ＞
ボランティアがロバを連れてきて、子どもたちをロバの背に乗せてプレイエリアを回るイベントがあり、好評である。道化師のグループやサッカー選手等の有名人の訪問もある。
子どもたちにはできるだけ、いろいろな経験をさせたい。