小・中・高校生の詩賞「交野が原賞」終了とその後の活動
児童、生徒の詩を対象に年1回『交野が原賞』の作品を毎年募っていましたが、第34回をもって終了させていただきます。長年、この賞を支えてくださいましたみなさん方には心よりお礼申しあげます。ありがとうございました。また、これを機に「交野詩話会」は解散いたします。
            
――詩誌「石の森」と「交野が原賞」――
 歴代の「交野が原賞」受賞者の有志が、詩誌「石の森」を1983年に創刊し、年6回が年4回の発行になり現在に至っています。中には高校生のころから作品を「石の森」に発表し、詩集を上梓しています。HP「石の森」<おしらせ・Books>に6人の12冊の詩集を紹介しています。下記の詩集2冊は、その後のものです。また、2007年<交野が原賞>30周年記念として「交野・星田郷土史かるた<ほいさ>」を制作しました。絵札の作画は「石の森」のメンバー2人が描いています。

  四方彩瑛詩集『瓢瓢』(2005年)<福田正夫賞候補>交野が原発行所
  山田春香詩集『Simon』(2006年)交野が原発行所
          <萩原朔太郎生誕120年記念「前橋文学館賞」奨励賞受賞>
  「交野・星田郷土史かるた<ほいさ>」
          絵札の作画(2007年)大藪直美・上野彩 /字札の句(2002年)金堀則夫
  西岡彩乃詩集『双子星』(2021年)交野が原発行所
  凜々佳小詩集『リリカ・十代の詩』『リリカの詩 凜々佳』 詩誌「石の森」特別号T・U
     
 凜々佳小詩集
T 『リリカの10代の詩』
*「交野が原」子どもの詩広場」1981年中2〜
*「石の森」19号1985年 高3まで

U 『リリカの詩 凜々佳』
*「石の森」189号2020年〜193号2022年
*個人詩誌「凜々佳」2022年創刊〜7号
  
  1967年6月18日生まれ
  2022年10月16日午後ごろ、乳がんで召天。 
            享年55歳。
  


行き先
凜々佳

音もなく
蝶が飛びまわっていた

券売機の上部に掲げられた
LEDで輝く
電車の運賃路線図に
光を求めて飛びまわる

色鮮やかな
しい光に照らされて
黒い影

ひとり
ふたりと
間は

切符を求め
改札に向かう

誰か
行き先を問うてやれよ


凜として咲く
凜々佳

暗闇を抜けると
また暗闇だった
指先すら見えない闇のなかを
手を前に差し出して
ひたすらに
出口を探して歩いてゆく
東も西も
北も南も
上も下も
右も左も
わからなくなって
同じところを歩いているのかも知れなくて
ふと立ち止まると
一筋の光が見えた

ほんの微かな光
細い絹糸のような光
切れ切れの光を
たどってゆく

たどり着いた先にあったのは
くしゃくしゃの一枚の紙切れ

紙には
「死」
の言葉

死が
出口だと知ったとき
私は、凜として咲く

          詩集『双子星(ふたごぼし)
  2021年4月1日発行
  著    者  西 岡 彩 乃
  編集・制作  学習塾セモワ
  発行所    交野が原発行所

  「降臨の森」音声ドラマ、イラストつきは、
  YouTubeに公開
  http://1200orihime.web.fc2.com/index.htm1


  (表紙・デザイン 北斗七星)

星の物語/西岡彩乃

燃えている無数の石
遠すぎて距離感がない平面世界
星を繋いだ星座の中
英雄はどこにいたのだろうか
翼を持たない獣が翼を持ち
悪意のない女神が世界を滅ぼす
いつまでも繰り広げられる歴史は
文字と声が並んだ二次元世界の絵巻物
ぺたんこで そっけなく
みずみずしくない

空間は地図上にしかなく
時間は年表にしかない
名前と形と音が
幻のように世界を再現する
そこに私はいるのか
いなくてもいいだろう

私が意思を自覚したとしても
私がなにものかは
わからない

英雄は自分の功績を知っている
世界が動く
時間が進む
すべて私の目の前で起きている

空気が澄んだ夜に
命を感じない空を見上げる
壮大な星空が教えてくれるのは
いつか根拠がなくなるという安心感
世界はいつか 
誰にも知られないような

無機質な物語に帰す

表舞台/西岡彩乃

明確な輪郭をもち
ひとり 光を放っている
その存在は唯一でありながら
常に二つのうちの一つであり
選び取られ続けて そこに立っている


生み出されたときから
生き残ることを運命づけられ
片割れの選択肢を
何度も殺し続けてきた
愛されているかのように
眼差しを 温もりを 一身に引き受けて
栄光と息苦しさの中で
名前を呼ばれ続けてきた

ときには影と重なり合い

姿がより一層明らかになる
二重星

影を飲み込み
功績を得て欠陥を埋め
再び目の前に現れる
冷たいその光で
消し去ってきた他方を愛しみながら
宙を回り 追いかけて
いつか 選ばれる前の一つに戻ろうとする
二者択一を打ち破るには
選ばれたものの働きかけがなくてはならない
一対であり 双つであるからこそ
それは生き続けることができた
一人では
生き残ることはできない
 2024年6月1日発行       詩誌「石の森」200号記念・石の森 アンソロジー 2024
    詩誌「石の森」創刊 1982年
 アンソロジー 石の森 目次
 美濃 千鶴 足の生えた鈴 ノイズ 痕跡は 揺れる合掌 誰か
 石 晴香 朝の挨拶 おくるとき いのちの育てかた 君とママの日常 ふるいにかけて
 西岡 彩乃 明滅する融点 午後の小休憩 進化の過程 あなたが笑うとき アルバム
 春 香    枝 旅先 偶然また思い返さなければならない 
            羊のメタン入りゲップか
ポリエステルか
 凜々佳    怒り 卵 霧の谷 自由の庭 未来への扉
 夏山なお美 絵に描いた餅 宇宙からのレンタル ペーパーレスの系譜 素数の美 
            ジーン(ウィペット)

 編  集 交野が原ポエムKの会
 編集人 西岡彩乃 美濃千鶴
 発行人 美濃千鶴
 発行所 交野が原発行所
第34回(2011年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第34回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数98編の中から、特選8編 入選30編です。
特選 @交野・岩船小1年 油谷鷹平 『わんぱくずもう』 A交野・岩船小4年 冨田勢也 『かぼちゃ』
   B交野・長宝寺小5年 大家加凪 『畑の草』 C交野・旭小5年 前川 碧 『ローマ字』
   D交野・私市小6年 鶴岡祐介 『出陣』 E交野・私市小6年 鶴岡里菜 『雨上がりの庭で』
   F交野・第三中3年 埜辺綾香 『素直な言葉』 G大阪府立四條畷高3年 岡田哲志 『水たまり』
    特選・入選作は「交野が原」71号に発表掲載。


 わんぱくずもう
岩船小一年 油谷鷹平

くやしい

100%がんばったよ
たのしかった
おせ――って
いわれたけど
もう
ちからなかったんだよ
なみだがとまらなかった

 
 かぼちゃ
岩船小四年 冨田勢

畑でとれた でっかい かぼちゃ

パンパンに ふくらんで
かぼちゃの へそが
ニュッと こっちを にらんでる
ぼくも かぼちゃを いっぱい 食べて
ほっぺたも おなかも
ふうせんみたいに パンパンだ
ばくはつ すんぜん 三秒前
スリー ツー ワン
ドッカーン

 
畑の草 長宝寺小五年 大家加凪

畑のカボチャの苗が 元気がない
水をあげてるのに かれそうだ
水が足りないのかな
でも 草は元気いっぱいで
ぴんぴんしてる
水もやってないのに
どうしてなんだろう
草を抜くと
根っこは太くて長かった

細い根っこもいっぱいあって
筆みたいにふさふさだ
でっかいミミズに
カナブンの幼虫
茶色い虫のサナギも出てきたよ
アリの巣もある
根っこは 虫達の家だったよ
昨日小さかった草が
今日大きくなってるのも
抜いても 抜いても
生えてくるのも
きっと 根っこのおかげなんだろうね
草は強い
草は根っこに支えられて
どこまでも伸びていく
私もしっかりした根っこを持って
生きたいな

 
 ローマ字 旭小五年 前川 碧

ボク、ローマ字。
みんなボクの事覚えてくれない。
全て覚えてるのって
もしかしてあなただけかもしれないよ。
ほら、よ〜く聞いてごらん?

ローマ字って覚えんのめんどいよね。

ほら聞こえたでしょ?
ボク、ボク、
この世にいられないそんざいなのかも…
ま、それはないな。


 
出陣 私市小六年 鶴岡祐介

パチリ
パチリ
と盤の駒が響く
おじいちゃんからもらった駒は
ぼくよりずっと 将棋を知っている
ぼくは将棋の声に 耳をかたむける

「今日は『穴ぐま戦法』で行きましょうぞ」と桂馬が言う
「いやいや『角がわり戦法』がよかろう」と角行が言う
「それよりも『中飛車戦法』がよいでしょう」と飛車が言う
それを聞いて ぼくは考える
「よし決めた この戦法でいこう」

「分かった」と歩兵が言う
「了解」と香車が言う
「合点承知」と銀将が言う
「これでよし」とぼくは にやりと笑う
金将と王将がさけぶ
「出陣じゃ―」

一瞬で 将棋盤は 戦場に変わる
歩兵は大声をあげて走り出し
香車はやりを持って敵をなぎたおし
角行は馬に乗って駆けだす
あちらでもこちらでも戦いは続く

そして最後に
僕はさけぶ
「王手」


 雨上がりの庭で
 私市小六年 鶴岡里菜

庭の草花たちが
おしゃべりをしないとはかぎらない
名もない草たちが
井戸端会議をしていたり
パンジーやスミレたちが
パーティーを開いてやしないだろうか

あちらの庭のすみにかたまって
うわさ話をしている 名もない草たちが
虫に葉を食べられて
「助けてぇ〜〜」
と叫び声をあげていたり・・・

またこちらでは
パンジーやスミレの娘たちが
パーティーを開いて
踊ったり 話しこんだり
ときにはコロコロと笑っていたり

そんな景色を見下ろしていると
窓辺で人間がこっちをながめている
「おーい 見られているぞ―」
とわしがいうと
みんな ピタッと動きを止める
わしらは動いているところを
人間に見られてはならぬのだ
庭の草花たちが
話したり 遊んだりしているのを
私がながめていると
年老いた木の
「おーい 見られているぞー」
という声で みんな動きを止めた
どうやら私がいると不都合らしい
みんな ピクリとも動かない

しかたがない
私はため息をついて
窓からはなれていった


 
素直な言葉 交野・第三中三年 埜辺綾香

私は満開の桜の下 舞い落ちる花びらを見つめて心がワクワクしていた
「すごくきれい」この短い言葉に感動がすべて込められている
感動を詩にしてみようと思った瞬間
花びらは 多くの言葉に変わり私の周りを花吹雪のように包み込む
その中から言葉の花びらをつかまえて詩にしていく
難しい言葉 かっこいい言葉が選ばれ
素直な感動が包み隠されていく
感動をより強く 輝かせて伝えようと言葉で飾ると 私の感動はかくれんぼうをはじめる そしてついには伝えたかった言葉を見失う

言葉は不思議だ
本心を隠そうと言葉で飾っても顔を出す
本心を伝えようと言葉で化粧すると隠れてしまう

言葉は不思議だ
言葉を操ろうとすると言葉に操られる
目を離すと言葉だけが走り出す

言葉は不思議だ
詩を作ろうとすると毎回 言葉とのおにごっこを繰り広げる

そして疲れ果てて元の桜の木の下にもどる そこには飾らない素直な感動が座って花吹雪を見上げている
素直な飾らない言葉で詩を書き始める
「すごくきれい」が伝わることを信じて
・・・

 
 水たまり 
大阪府立四條畷高三年 岡田哲志

アスファルトの上
鑑のような水たまりが
雨が降った翌朝の出来事
君は何時生まれたの
上からの陽射しは容赦ない
明日にでもなれば
あなたはこの世から姿を消す

そう 蒸発して

お願い
お願い
どうかお願い

あなたが空へと昇るとき
この退屈な世界から
このわがままな私を
どこかへ連れて行って
私の知らない
未知なる世界へ


公園のブランコの下に
少し小さな水たまりが
水たまりよ
あなたは何者なの
覗き込むと映ったのは
見慣れた私の顔
と 一陣の風が吹き
表面に細波を立てる
その瞬間に映ったのは
私の顔じゃあない
今の顔は誰の顔
私の知らない顔
もしかして
もしかしてあなたの顔


校庭にできた水たまり
水馬が数匹
あなたはどこから来たの
あなたの生れ故郷は
知らないけれど
何者かは知っている
あなたは
そう
水たまりの化身でしょう
だったら教えて
あなたの真の姿を
私の願いを訊いてくれない訳を

あなたはポーカーフェースを装って
私の前に一人佇んでいる


学校からの帰り道
もう朝のあなたは姿を消した
わずかな湿り気を形見に残して
それはあなたから私への
メッセージなのかも


結局私の願いは一度たりとも
訊いてくれなかった

それでもいい

この世界は退屈だけど
そこに住むのもまた一興
きっとそう
あなたはそれを教えてくれた
ありがとう
心の中で呟いて
あなたをあとに立ち去ってゆく
またあなたに会える日が
やってくるのが待ちどおしい

第33回(2010年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第33回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数156編の中から、特選5編 入選28編です。
特選 @交野・私市小2年 池田逸水 『石』   A交野・岩船小3年 冨田勢也 『ザリザリくん』
   B交野・郡津小6年 原口優花 『今の私の本当の気持ち』  
   C聖母女学院高1年 川口知子 『ジューサー』
   D大阪府立大手前高2年 上野弘樹 『怯弱』
    特選・入選作は「交野が原」69号に発表掲載。


 石
  私市小二年 池田逸水

石って なぜ かたいんだろう
なぜ いろいろな形をしているんだろう
なぜ 色があるんだろう
どうやってできたんだろう
なぜ 生きていないんだろう
なぜ 手と目と体が ないんだろう
こんな石が いっぱいあるなんて
ちょっとおかしくないかと思うんだ
だから こんなふしぎな石を
くっつけたり はずしたりとか
したいと思うんだ

 
 ザリザリくん  岩船小三年 冨田勢

ぼくのザリガニ
名前は ザリザリくん
真っ赤な大きなエビフライみたいだったのに・・・ある日 ザリザリくんが だっぴした
だっぴは しっぱい・・・
かた方のハサミが ちょんぎれてしまっ
つかれて 一日 ぐったりしている
ぼくは いっぱい心配した
次の日 ザリザリくんがへんしんした
体が だんだん青くなって動きだした
ぼくは うれしくなった
ザリザリくん ぼくが にぼしを
いっぱいあげるから 大きくなるんだよ


 今の私の本当の気持ち

        郡津小六年 原口優

男の子に 死ねって言われた
家族とけんかして 死ねって言われた
けれど 私も悪い
今まで 死ね 気もい きえうせろって
何回も言われてきたけれど
勇気を持って言ってみる
死ねって言われても 負けない
私は死ねない 負けられない
だから殺して
殺せないんだったら
二度と そんなことを言わないでって
言うんだ
これが 今の私の本当の気持ち
だから 命を捨てることなんてできない


 ジューサー

      聖母女学院高一年 川口知子

ミキサーは嫌いだ
何もかもを粉々に砕き潰すから
どろどろの上に泡を浮かべて
私を窒息させるのだ

売り子を見る度に
彼女らの孤独を思い浮かべながら
なるべく聞こえないようにして
早足で通り抜けようとする

私は立ち止まれないから
ごめんね

中途半端な同情を飲み込もうと思う
まとめてスイッチを入れれば
砕かれていってくれるのだ

 
 怯弱

    大阪府立大手前高二年 上野弘樹

背筋まっすぐ
視線もまっすぐ
足跡もまっすぐ
鞄だけが揺れている
それは充実した今日が重くて
肩からすり落ちそうなほど

桜が葉の碧さに
煌々と照らされて
曇り空は淡く帯び
もこもこを増して
焼きたてのブリオッシュより甘く

のろり
向こうから自転車と制服姿
ふと探ったその顔は
見覚えのあるかおをしていた



いつも首は傾げられていた
今もこぐ足に合わせて
頭がどんぶらこ
悩んでいるのか何なのか
何か言いたげなかおをして
目を逸らす
口が開いて出るは平凡
私が思う 限りでは

そして今日
一瞬私を捉えた彼の目は
困ったように
前へと逃がされた

僕はすっと見つめた
感じは悪かったのだろうか
しかし僕は見たことがない
もちろん彼の
「何か言いたげ」はいつものことだが

後ろからすり抜けた
女子学生の顔は見れない

見れば柵の一本は抜け落ちて
桜はいつの間にか葉ばかり
見れば家の二階に
閉じ込められたヒマワリ
俯いた先に
ぼろぼろと零れたコケ
苔むした周りに散らばる
見上げれば
一点の疑いなく曇り空
小学生は急に脇を駆けていって
鬼ごっこでもないのに走れる


知っている大人に挨拶をして
家に着いたと思う

見ればあるのは
ボクの手の平

 第32回(2009年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第32回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数261編の中から、特選6編 入選31編です。
特選 @交野・郡津小3年 登 丈士 『ぼくはひがんばな』 
   A交野・長宝寺小3年 大家加凪 『トマトちゃん』
   B交野・私市小3年 池田蒼水 『わからない時』   
   C交野・第三中1年 埜辺綾香 『真っ白い侵略者』
   D大阪府立四條畷高1年 岡田哲志 『数学』 E愛知・愛知高1年 中村拓海 『無知』
     特選・入選作は「交野が原」67号に発表掲載。


 ぼくは ひがんばな

      郡津小三年 登  丈士
       (ひがんばななつお)

ぼくは あかいはな
どんないろにもまけない
ぼくは あかいはな
さいこうだ あかがだいすきだ
しろや ピンク きいろにもまけない
ぼくは あかが だいすきだからだ
くきには どくがあるが
やくそうがわりになる
ねっこのしるを こむぎことまぜたら
しっぷがわりになって きもちがよさそうだ
やっぱり ぼくは さいこう!


 トマトちゃん

     長宝寺小三年 大家 加凪

トマトを
なべのおふろに入れてにたら
きっと「あっちっち」って思うやろな
あっついトマトを
おふろから出すと
ゆげが出て
さわったらあったかい
つるつるになったトマトちゃん
あっついから
かわのタオルを
ぬがしてあげようかな
れいぞうこでひやしたトマトちゃん
つめたくて気持ちいいかな
「がぶり」
まるかじりすると
すっごくおいしかった


 わからない時

      私市小三年 池田 蒼水

テストでわからない時、
全くわからなくて
手をあげられない時、
心にあらしがおこる。
「ああ、どうしよう。」
それで、必死に考えたって
心のあらしは
どんどんひどくなる。
その時、心のあらしがやんだ。
問題がとけたのだ。
心にはにじがでて、
きぶんが明るくなってきた。
「よかった。」


 真っ白い侵略者

   交野・第三中一年 埜辺 綾香

彼らはいつ現れたのだろう
彼らはどこから来たのだろう
気が付けば山を削り、田畑をまたいで
彼らは真っ直ぐに横たわっていた
その頑丈な足はコンクリートで固められ
地面にしっかりと足を伸ばして
一歩、一歩と歩いてゆく
彼らはどこへ向かっているのだろう
彼らはどこに行きたいのだろう
天の川が流れる豊かな大地の真ん中を
真っ直ぐに広い道路が伸びてゆく


 数学

  大阪府立四條畷高一年 岡田 哲志

数学よ
数学よ
あなたはいったい何者なのでしょうか

初めてあなたに逢ったとき
あなたは神秘のヴェールに包まれていた
幼かった私にとってあなたはまさに神の化身
あなたの織りなす綺麗な数式は私を魅了
胸は感動に打ち震えた
あなたの虜になった私は
あなたを慕い追い求め続けた

年月が経つにつれ私は成長し
ヴェールに隠された部分が見えてきた
覆いが取り除かれるたびに現れるあなた
一段と美しくなり
まるでヴィーナスのよう

と同時にあなたの(かげ)なる部分も見えてき
美しさの裏にひそむそのもの
あなたの手によって生み出される美しい
だが一歩手順を間違えば
そこはミノタウロスの迷宮
たった一つの解を求めて
私は何日もさ迷う
時には半永久的に
しかし光は影があるからこそ存在するように
あなたの美しさをその部分が
よりいっそう際立たせている

あなたは私を弄ぶ
時には私があなたを弄ぶ
かつて私にとって神であったあなたは
いまや親友の存在となった
それでもヴェールは半分も取り除かれてはいない

私はあなたを追い求める
私が生きている限り永遠に

あなたの真の姿を見届ける為に
そしてあなたの恋人となる為に


 無知

   愛知・愛知高一年 中村 拓海

食べるものが無い苦しみを僕は知らない
銃を撃ち合う恐怖を僕は知らない
下痢で命を落とす辛さを僕は知らない

世界には僕の知らない事がたくさんあっ

親のいない大変さを僕は知らない
字が読めない不便さを僕は知らない
生活のために盗みをする罪悪感を僕は知らない

知らない事が幸せな事なのだとしたら

目の前で家族を殺される憎しみを僕は知らない
主張が抑圧される束縛感を僕は知らない
差別される悔しさを僕は知らない

知らずに死んでいける世界を僕は望む

第31回(2008年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第31回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数261編の中から、特選5編 入選28編 佳作6編です。
特選 @ 交野・倉治小1年 大矢涼太郎 『一年生』 A 交野・長宝寺小1年 戸田桃香 『つたえたい』
   B 交野・私市小6年 瀬川 愛 『人生』    C 交野・第二中3年  上野弘樹 『原点』
   D 大阪府立交野高1年  橋本孝平 『ある棒人間』 
      特選・入選作は「交野が原」65号に発表掲載。

 
一年生
      倉治小一年 大矢涼太郎


たのしみな小学校

でも入ってみるとふあんになった
学校はひろすぎる
こわそうなへやがある
たいいくかん ランチルーム
くらいからこわい
うんどうじょうもひろすぎる
ぼくは、大きくなりたい

 つたえたい
     長宝寺小一年 戸田 桃香
ダンスってたのしいよ
このきもちみんなにつたえたい
からだをぜんぶつかって
なんでもひょうげんできるよ
ダンスってたのしいよ
このきもちみんなにつたえたい
かなしい うれしい かっこいい
ほらみてて
かなしいきもちで タウンタウン
うれしいきもちで ウンチャー
ウンチャー
かっこいいでしょ ハイポーズ
こえとあわせてからだをうごかせば
ほら おんがくになる
わたしが がっきになる

 人生
      私市小六年 瀬川  愛


がらんとなった家の中
何処までも流れていく川
いまみたいに
静かに流れたり
うなりながら流れたり
ときには怒って
わめいて流れたり
川はあきもせず
何を考えてこうして
たえず流れているのだろう
川は自分が海へむかって
流れているのを知っているのか・・・
海へいくのが
うれしいのだろうか
自分たちも川のように
未知の世界へ移ろうとしている

原点
   交野・第二中三年 上野 弘樹
俺の目は今
赤と青を宿している
捨て犬にかけるような同情
だし抜かれた挫折感
全ては起因していた
言葉が行き着く場もなく消え去り
風さえも受け入れる余裕はなくなった
つま先から少しずつ
崩れていく
はがれていく
音はない
足音は聞こえるけれど・・・

心が石になっても
すり落ちやしない
確かにそこに在(あ)り続ける
でも僕は名を刻むしかできない
その名は文字通り
石のように眠るのだろうか
底無しの水面下に
わずかな自分を感じていたい

やはりどこかで
間違えた気がする
それでも
過ごせる時間は
過ごしてきた
やれるだけのことは
やってきた
時と場合によっては
前に進まざるをえないことがある
開き直りではなく
生き返り
されるがままに転がり落ちて
巡り着くのは
(あ)るべき場所

 ある棒人間の話
      交野高一年 橋本 孝平
何にも書いていないノートを渡された。
「そのノートには勉強ばかりじゃなくて何でも書いていいんだよ」
そう言われたから、俺は絵を描いてみた。
絵心が無いから棒人間を描くことにした。
そして出来上がった棒人間の俺は走っていた。不細工だけど、それは確かに走っていた。他の人が見たら「滑ってる」とか「転んでる」とか言われるかもしれない。
でも、棒人間の俺は確かに走っていた。表情も言葉も感情も棒人間だから見ている人には何も分からないけど。
でも、棒人間の俺は確かに走っていた。
何ページも走って棒人間はもう疲れたらしい。もうシャーペンの芯もない。よし。それじゃここからは俺が走ろう。不細工でも全力で走ろう。ずっとずっとまっ白な道、俺が色を付けて走っていこう。でも。俺も疲れたら、少し立ち止まって、木陰で休んでもいいよな。

       第30回(2007年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第30回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数261編の中から、特選6編 入選27編 佳作8編です。
特選 @ 交野・妙見坂小3年 長江優希 『いもほり』 A 交野・星田小5年 埜辺綾香 『登山』
   B 交野・第三中2年 岡田哲志 『π(パイ)』 C 交野・第四中3年橋本孝平 『きれいなもの』
   D 大阪府立四條畷高3年  上野 彩 『月極駐輪場』 
   E 東京・明星高3年  渡部真理奈 『帰路』 
      特選・入選作は「交野が原」63号に発表掲載。

いもほり
     妙見坂小三年 長江 優希

よしっ いもをほり出すぞ!
手で土をバサッとほりなげた
するとむらさき色の頭が
ひょこっと出てきた
やった!ついに出た
もっとほると
ちっちゃなだんごみたいなものだ
ちっちゃいけれど土がえいようを
おくりこんでくれたおかげだな
こんどはでっかいのが
こんにちはと顔を出した
もってみるとずっしりおもいぞ
三日月のような形のいもも出てきた
手にのせると
ゆらゆらゆれてシーソーみたいだ
まん丸っこいいもはちっちゃくて
かわいい
六ヶ月でこんなに大きく育った根は
強いんだなあ

 登山
      星田小五年 埜辺 綾香

大きな荷物を背おい急な山道を登る
頂上に広がる景色を見るために
おいしいおべんとうを食べるために
山の風をおなかいっぱい吸い込むために
達成感を味わうために

またそこから見える山の向こうに
もっとすごい景色があるかも
知らない世界が広がっているかも
新しい発見ができるかも
もっと満足感が味わえるかも

川の音にさそわれて
風に背中を押されて
期待と不安を背おい
また一歩ふみだす

π(パイ)
   交野・第三中二年 岡田 哲志

3・141592653・・・・・
無限に続くπ

他の式で表すことのできない
誇り高きπ
凛としたその姿に
ぼくは雄々しさを感じる

決して目立つことはないけれど
昔から今も変わらぬπ
慎ましやかなその姿に
ぼくはやすらぎを感じる

ならんでいる数字はバラバラなのに
πという一つの世界がつくられている
心が広いその姿に
ぼくは優しさを感じる

ぼくのからだは
手 足 胴 頭と限りがある
でもぼくだってもっている
可能性という無限だ

時には理想であり
ある時は身近に感じるπ
いつかぼくもなりたい
πのような人に

 きれいなもの
    交野・第四中三年 橋本 孝平

それは目で見るものかもしれない。
耳で聞くものかもしれない。
鼻でかぐものかもしれない。
舌で味わうものかもしれない。
手で触れるものかもしれない。
なににしても、
そのものをきれいだと思っているのは
俺だけかもしれない。
騙されてるのかもしれない。
でも今はまだ騙されててもいいんじゃな
いかな。それがレプリカでもきれいなら
それはきれいなものなんだよ。先のこと
はまだわかんなくていいから。それがい
つか汚くなっても、今はまだそれは俺の
前できれいでいてくれる。今はまだそれ
だけでいい。できるならこのきれいがず
っと続いていてほしい。

人は理屈を色々話すけど、
人は理屈では言いあらわせない何かを
探し求める時がある。
それがもともとの人間の姿なんだと
俺は信じてみたいな。

 月極駐輪場
     四條畷高三年 上野  彩

整然と並んだ
無言の列
きりっとしているくせに
足を引っ掛ければ
たちまちドミノ倒し

その中に
私の自転車がある
列はどこまでも蛇行していて
時々曲がり角に突き当たる
角の先は
曲がってみないと
何が待っているかわからない

もう十七年間
自分の自転車を探している
いつ見付かるだろうかと
雨が背中を打つ中うずくまったことも
人の自転車を
自分のものと間違えて
肩を落としたこともある

管理人のおじさんは
微笑んで
何度も元気づけてくれる
けれど
場所は教えてくれない

もうすぐ十八年
少しずつ
近づいている
理由は
無いけれど・・・

あれ?

―――あ。

 帰路
    東京・明星高三年 渡部真理奈

夕焼けは、何とも未練がましく
屋根に手を這わせながら
地平へ引きずり込まれて行くオレンジ色。
カラスがそれを嘆き鳴き
哀愁を染み渡らせてゆく。
そうして帰路につく人々が
もの悲しくなるのも仕方ない。

ああ、太陽は行ってしまう。
町からは理性を少し掴み取って
学校からは人間を奪って
美しい光のきらめきを
全てこれから外国へ持って行くんだ。
奪われて、取り残されて
家路につく今日は
何と悲しいことだろう。

ああ、行ってしまう
這わせたオレンジ色の手も
いよいよ指先だけになり
ついに、見えなくなってしまった。
太陽の残り香をかき消すように
東からは、夜の色が走ってくるだろう。

そうして私は悲しいのだ。
明日の朝になったとき、
太陽が帰って来て
町を照らして、
学校に人間を煽動すること
そんな当たり前のことが
今この時だけは、望みになるのである。

       第29回(2006年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 小・中・高校生の文芸創作を奨励するため、交野詩話会では、年1回『交野が原賞』を設け、児童・生徒の作品を広く募集しています。応募作品は、「交野が原賞選考委員会(代表・金堀則夫)」によって、三次の審査を行っています。優秀作品は、賞状と作品の掲載した詩誌『交野が原』を進呈いたします。第29回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数261編の中から、特選5編 入選39編 佳作12編です。
特選 @ 交野・妙見坂小2年 吉田 楓 『本』     A 交野・岩船小5年 高瀬直美 『寒げい古』
   B 交野・倉治小6年 櫻井美月 『たまらない』 C 交野・第二中1年 上野弘樹 『追憶』
   D 大阪府立寝屋川高2年  堂馬瑞希 『誰にもわからない世界』 
      特選・入選作は「交野が原」61号に発表掲載。

 
     妙見坂小二年 吉田  楓

本は、おしゃべり。
いつもめくると、シュッシュッ。
ぶあつい本は、いばっている。
細い本より字が、おおいから。
しゅじんこうは、とくにおしゃべり。
ほかのなかまもおしゃべり。
しゅじんこうは、大いばり。
本の中で、大きくしてもらえるから。
本を読むと、気もちがドキドキわくわく。
本の中に入りたくなる。
今日はピッピ。
明日はラモーナ。
あさってはヘンリーくん。
本には仲まがいっぱい。
・・・・・・・・・・・。
わたしも本を書きたいな。 


 寒げい古

     
岩船小五年 高瀬 直美

面!

いくら声をはりあげても
この寒さにはかなわない

もう一度
気合いを入れて
面!
歯をくいしばって
面!
もうやけくそだ

面・面・面
め―――ん!

たまらない
      倉治小六年 櫻井 美月

水の中では私は自由
周りの音なんて関係ない
泳ぎだしたらもう誰にも止められない
波なんかにゆられない
私の周りには水の道しかない
波と水はまったくちがう
波は私をこばむが
水は私を包みこむ
泳げるぐらいの水があったらもうダメだ
むしょうにたまらなくなる
それくらい泳ぐのが大好きだ

 追憶
   交野・第二中一年 上野 弘樹

公園を久しぶりに歩いた
石をけらないように
しっかり踏みしめて歩く
砂利の音や少しほこりっぽい空気は
どことなく新鮮で
それとなく懐かしい
そんな気持ちは成長したからだろう
ただ以前とはすっかり変わった
そのことに寂しさを抱く
滑り台の階段は錆びて
スロープは薄汚れた黄色だったのに
今は深い青とステンレスが輝くだけ
でもドーム状の回る遊具は
変わっていない・・・ように思えた
地球の緯線と経線みたいな外観は
同じだったが
そいつは人為的に回ることが
できなくされていた
回ることのできないそいつ
なんと勢いのないことか
単なるガランドウに見えて寂しい
・・・だから静かに願う
どうか
あの僕を覚えていてほしい
成長に寂しさを感じるから
ユメの存在でいてほしい
普遍的な名称もないそいつに託して
公園を去る

 誰にもわからない世界
     寝屋川高二年 堂馬 瑞希

大好きなあの音楽を聴くと
心は静まり洗われる
ボクはこの音楽に 心を奪われ
物思いにふけてしまう
そのとき
ボクは大好きな音楽を聴いてるのに
すごくすごくさびしい気持ちになるんだ
頭に描かれる壮大な世界に心をあそばせ
その一方で さびしい気持ちの原因を
一人ぼっちでさがしてる

なんでボクはさびしいの?

この音楽の描く世界に
どんなにがんばっても
ボクは行くことができない
あがいてもあがいても
逃れられない現実の世界
この音楽の中にだけ
ボクはそこから逃げだすことが
できたんだ
でも ここには一人ぼっちでしか
行けない
ボクしかしらないところ

他に誰も来てはくれない
この世界にのめりこんでしまう
自分に恐れながら

またボクはその音楽を聴く

       第28回(2005年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
 第28回『交野が原賞』は、総作品数254編の中から、特選6編 入選26編 佳作17編
特選 @ 交野・星田小2年 埜辺綾香 『時間』 A 交野・岩船小3年 平山瑞幾 『おまつりのかめ』
   B 交野・郡津小6年 上野弘樹 『雨雲』   C 交野・第四中3年 吉田 愛 『晴天』
   D 大阪府立四條畷高1年 上野 彩 『門』 
   E 大阪府立四條畷高3年 西岡彩乃 『深海、青い色の宝石』
       特選・入選作は「交野が原」59号に発表掲載。
 時間
      星田小三年 埜辺 綾香

時間はゴムみたい
楽しい時は、みじかくちぢむ
いやな時は、長くのびる
楽しくあそんでいて、
「もう帰る時間よ」と聞こえる
「パチーン」と
時間のゴムが、ちぢんだ
おこられていると時間のゴムは
「ビヨヨ、ヨーン」みるみるのびる
いやな時間ちぢめ、ちぢめ
楽しい時間のびろ、のびろ
心の中でそっとおねがいする。

 おまつりのかめ
      岩船小三年 平山 瑞幾

おなかを 出して
もがいてる。
たすけてぇ〜
そうはいかん!
にがさんぞ!

一番 小さい子

この子にしよう。

ふくろの中で 一人ぼっち

手のひらの 水たまり
よっこらしょ
と、顔出した。
友だち いなくて
ごめんね。

 雨雲
     
郡津小六年 上野 弘樹

雨雲がおおいかぶさる空から

激しい雨が降る
それはホコリのような灰色
これを見ると
なぜだか難関の象徴に見えてしまう
困難という大きな壁
激しい雨や霧、
うす暗い灰色で、心も暗くなる
そういうイメージのようなものが
「難関」という言葉を
思わせるのだろう
雨雲を見上げる
雨雲は空をゆっくりと流れる

その流れに
僕は乗っていると思う
難関にぶつかっても乗りこえて、
いろんな困難を突破する流れだから
・・・空が晴れてきた

 晴天
   交野・第四中三年 吉田  愛

雨が降った
いい天気になった――

子供は
水たまりを見つけると喜び
カエルは
楽しそうに散歩をはじめた。
草花は
おなかがちゃぽちゃぽになって
ノラネコは
口を大きく開けて空を見上げる。
家は
汚れをきれいに流し
わたしは
悪心をきれいに流す。

そんな日がわたしを
一歩一歩前進させる。

 
  大阪府立四條畷高一年 上野  彩

以前通っていた小学校の校門には
大蛇のように門にからまる
施錠システムが備えつけられていた
校門の前のある田畑と
ギャップを感じさせるインターホンまで
備えつけられている
門の前に立ってみる
こんなに低かっただろうか
この門は
いくら施錠をしても
あまり意味が無い気さえして
門を押してみる
昔は全身の力を振りしぼって
開けていた門も
今は簡単に開く
そんな自分の首には
保護者であることを示すカード
かつては
かつては
かつては
こんな大蛇のような施錠システムも
インターホンも
保護者カードも無かった
大蛇のような施錠システムが縛ったのは
門ではなく、
子供の心ではないだろうか
そしてここには
私の思い出に残る
懐かしい門はどこにも無い

弟が戻ってきた
私は閉ざされた思い出の門を背に
帰路につく

  深海、青い色の宝石
  大阪府立四條畷高三年 西岡 彩乃

 緩やかな面に光る
 三点の輝き
 この小さな青い広場に
 物語は展開していった
 
 激しく伝わる世界を
 初めて知った彼を
 涙を流してでも見届けようとした
 美しい表情
 懐かしい歌声
 この空間は わたしと同じここにある
 
 瞬きをしたくなかった

 空に反射するかけらを
 一片残さず見届けたかった
 胸を打つリズムが
 自然と鼓動を速める
 
 こんなに美しいこの宝石を

 もっと早く知っていたかった
 手を伸ばしたら届く
 あの日ここにあった
 三点の輝き
 
 七月の夜に 九月の幸運は

 あの時の衝撃の上で
 故郷の舞台に止まったまま

       第27回(2004年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
第27回『交野が原賞』は、次のように決定しました。総作品数156編の中から、特選5編 入選43編 
特選 @ 交野・妙見坂小2年 岡田智実 『きゅうり』 A 交野・郡津小5年上野弘樹 『変わる毎日』
   B 交野・第四中2年 蟻川知奈美 『憂鬱』 
   C 大阪府立四條畷高2年 西岡彩乃 『彩』
   D 福岡・三井高3年  山田春香 『心の伝言』 
      特選・入選作は「交野が原」57号に発表掲載。


  きゅうり
     妙見坂小二年 岡田 智実

学校の花だんにきゅうりをうえた。

わたしの足首ぐらいの高さ。
早く大きくならないかな。
なん日かして見にいってみた。
わたしのひざぐらいになっていた。
ちょっとさわらせてね。
そうっとはっぱをさわって見ると
ジジッジジッとはっぱがなった。
まるで「さわるな 今はさわるな」
といってるみたい。
わたしはびっくりして手を引っこめた。
心の中で、「ごめんね」といった。
今はさわらないけど大きくなったら
またさわらせてね。
風がふいて、黄色いお花がいっせいに
こくんとうなずいた。

 
 変わる毎日

      郡津小五年 上野 弘樹

冬のビュービューという風は

前までつきることなくふいていたのに
もうあの寒い風はふいていない
あの寒さにかわって
今はせみが忙しく鳴いている
気がつけば夏になっていて
いつ夏になったのか思い出せない
だけどそれは
僕が気付かなかっただけで
毎日少しずつ変わっている
そして僕も
毎日少しずつ変わってきていると思う
そうやって僕は
生きている


 憂鬱
  交野・第四中二年 蟻川知奈美
暗く深い海の底にいるような、
青く冷たい海にいるような・・。
ここはどこ?
暗闇に、一人たたずむ。

誰もいない。

光もない。
ただ、一人立ちすくむだけ。

悲しみの海にいるような、

苦しみの海にいるような、
そんな気がしてならない・・。

この、一人でいる孤独感。

この、優しさのない海。
その孤独の海にいる自分。

誰も自分を呼んでくれない。

誰も自分を探してくれない。
目の前には何もない。
あるとしたら、
暗闇が自分を取り巻くだけ。

誰もこの恐怖から救い出してくれない・・。

一人、その場に立っている・・。

気が晴れない限り

光がない。

暖かい心がない限り

暗く冷たい海のまま。

その海に、一人立ちすくむ自分。


自分では気付かぬうちに

深い海の底に入りこんでしまった。

自分では気付かぬうちに

光を失ってしまった・・。

自分では気付かぬうちに・・。


自分の気持ちが、

自分の心が、

憂鬱・・。

 

 彩

  
  
大阪府立四條畷高二年 西岡 彩乃

親の懐かしむ映画は カラーではない
親の幼い頃の写真も カラーではない
幼い頃の僕の記憶は セピア色をしている

戦時中の映像は 白黒でしか見たことがないけれど

当時の炎も 今と同じく赤く
山も 今と同じく深い緑色をしている

ドラマで見たことのある 戦国時代の戦

その兜は赤く鮮やかで 馬は美しく黒く光っている
貴族の時代 色鮮やかな着物に飾られ
髪を伸ばしていたのは本当だろうか・・
当時の人々も 僕らと同じ色を見ていた
炎の赤さも今と同じ 紫陽花の色も今と同じ
幽霊奇憚に出てくる鬼は 今はどこにいるのだろう
今の世に現れる幽霊というものは 
一体何なのだろう


感じることは出来ない遠い過去からここまでの時間

色は変化せず 今もここにある
受け継がれてきたのではない 永遠に存在している
人間が見ているこの色は
太陽がある限り光を放つ

 
 心の伝言

   福岡・三井高三年 山田 春香

気づいてる
一人ぼっちの夕食を終え
後片づけをするときの気持ち
米を洗い セットして
ついでに洗濯機を
まわしておく心づかい

気づいてる
風呂から上がると
熱めの湯を少したしておくこと
給食エプロンを
アイロンできれいにして
ランドセルの中へ入れておく
気づいてる

それで一度やけどしたこと

宿題をするとき

わからない問題を
一緒に解いてくれる人はいない
くしゅんとくしゃみしても
心配してくれる者はいない
気づいてる
それを望まず
我慢していること




テレビを見るとき

画面の向こうの芸能人と
一緒になって笑うことはない
気づいてる
笑い方が
忘れられようとしている過程

テレビを消したら

メッセージをかいた紙を
ママの寝室の枕元に置く
ぼくとママをつなぐ大事な紙きれ
気づいてる
このときママの枕に
抱きついていること

自分の部屋へ戻れば

暗闇に目玉を浮かばせ
今日の出来事を思い出す
ママを想う
そうして眠る
目元ににじむ涙(しずく)は
ママが帰るころには
消えている
気づいてる

ぼくがママの前で
泣かないって決めてること

        第26回(2003年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
特選  @ 交野・郡津小4年      鈴木 勇貴 『みみずの体そう』 
    A 交野・岩船小6年      岡田昇祥 『初夏2003』
    B 交野・第一中3年      前田  卓 『人形』 
    C 大阪府立四条畷高校1年 西岡 彩乃 『メイド イン アフガニスタン』
    D 大阪信愛女学院高校3年 四方 彩瑛 『開眼供養』
       特選・入選作は「交野が原」55号に発表掲載。

  みみずの体そう
           鈴木 勇貴(小4年)

 土の中からとび出して
 みみずの体そうピンピコピン
 もつれて のびて
 ピンピコピン
 空めざして 元気よく
 ピンピコピーン
 朝の空気をいっぱいすって
 みみずの体そうピンピコピン
 はりきり はじけて
 は り き り は じ け て
 地球の外へ ピンピコピーン

  初夏2003
         岡田 昇祥(小6年)
 ぼくんちのとなりの家が立て替えのため、
 一時空地になった。
 学校から帰って来ると、
 いつもは家でさえぎられていた陽ざしが
 ポカポカと降り注ぎ、
 さわやかな風が
 カーテンを一杯にふくらませて
 ふいて来た。
 とても気持ちいい。

 今まで見えなかった景色をながめながら
 大きくのびをした。

 ふと気がつくと、
 せん風機がスイッチも入れないのに
 ゆっくり回っていた。
 説明できないけど、
 のんびりとしていい気分。

 自然っていいな。

  人形
           前田   卓(中3年)

 何故何もしないんだ
 刃向かう事もなく
 音もたてずに眠っていた
 感じた事もない想いが
 通りすぎたような気がした
 そこにある信実も
 見られなくなっていた
 また何もできずに
 時が過ぎてゆく
 何故動かないんだ
 刃向かう事もなく
 静かに俯いたまま眠っていた
 叫ぶ事ができない
 離せず捨てられず
 未だに手に握ったまま
 小さく光る月にも
 気づかずに
 また何もできずに
 花が枯れてゆく

  メイド イン アフガニスタン
                    西岡 彩乃(高1年)
 ここにある白い一輪挿し
 百円ショップで見つけた
 横のシールに書かれてあった
 MADE IN AFGHANISTAN
 ・・・この一輪挿は
 アフガンの風に触れていた
 その地で一体 何があったのか

 石でできたこの白に
 向こうでは
 一体どんな色が似合うのだろう

 高校受験の勉強で
 いやほど見てきた輸入の円グラフ
 あの中にあった”その他”の中に
 この一輪挿しは 含まれていたのだろうか

 今日も机の上で
 花も入れられず 静止している
 白いボディに
 何が似合うか考える
 手の中で転がして
 遠い国を 思いながら

   開眼供養
         四方 彩瑛(高3年)
  
  たくさんの瞳を作った
  杏仁形のものには
  念入りに細い線を入れる
  どうやって見つめたらいいのか
  分からなくて
  器には入れないでおいた
  なのに
  ひしめき うごめき 求めて
  何も見えない
  と夢の中で物語りする
  器なんてあてにならない
  お前たちだけで成長すればいい
  魂と肉体を切り離しても




  生きていけると思っていた
  けれど
  瞳が器を引っ張っているのか
  又はその逆なのか

  たくさんの魂の余り物を作ってしまった

  見つめるためではなく
  瞼という機能で
  瞳をつぶらせてあげるために
  微妙に連動した相方に
  魂をはめこもう
第25回(2002年)―小・中・高校生の詩賞―「交野が原賞」作品発表
特 選  @ 交野・岩船小学校2年   平山 誠介 『おこられた』 
   A 交野・第三中学校3年   西岡 彩乃 『悩みの力』
   B 大阪信愛女学院高校2年 四方 彩瑛 『鯉に問う』
特選・入選作は「交野が原」53号に発表掲載。

  おこられた
          平山 誠介(小1年)

 ほんとうは わかっていた
 なんで おこられたか
 わかっていた
 おれが わるいけど
 わるくない
 おかあさんが わるいんだ
 「ちえっ! さいあく」
 むかむかと
 わきの下から こみあげる
 だんだん
 あたまが あつくなる
 すねちゃう
 やさしくいわれると
 よけい ないちゃう
 がみがみいわれると
 おこりなきしちゃう
 だまっていると
 おちつく
 おちついたら
 のどが かわく
 おちゃをのんだら
 すっきりした
 「はぁ―」

  悩みの力
        西岡 彩乃(中3年)

 仮に 今自分にとってとてつもなく大きく
 はかり知れないと思うほど
 深い悩みがあったとする
 誰かに相談しながら
 思いをぶつけて自分を傷付けてみたり・・・

 そんな中深刻に思うより他ないかも知れない

 でも 鏡に映った悲痛な素顔を見て
 「これってキレイじゃないか?」
 悩んでるはずなのに・・・沈んでるはずなのに・・・
 ずっとそう思っていたのに・・・
 悩みなんて 早く消えればいいはずのもの
 でもそのおかげで
 自分は今 こんな芯を持った顔してる

 ・・・だとしたら 思えないか?
 悩んで考えてる時の自分が
 少し好きだと
 表しようのない自分の心が
 少しおもしろいと・・・

 悩みがなくなればすっきりして
 きっといいに違いない それでも
 なぜか悩んでる自分が少し好きだ
 そんな自分を 一生見続けていたい
 ”悩み”は そんな自分の一面を
 作ってくれるのかも知れない
 だったら僕はどんな悩みが相手だろうが
 付き合っていけると思うんだ
  
   鯉に問う
            四方 彩瑛(高2年)

  貴方がこの世界から姿を消失して
  貴方の存在がもう少し
  私の心臓の裏側まで
  沈みこんでくるものとばかり
  思っていた
  なのに距離がどんどん開き
  その間に広がる
  息苦しい空間には
  見えない粒子がひしめき
  蜃気楼の如く
  永遠に行き着くことのない
  泣かなければならないだろうか
  



  池の中央の御神体が何なのか
  お互い鯉の数を数えながら
  水影の斑で腕を染めた日々
  貴方だけ
  池を渡っていってしまった

  泣かなければならないだろうか
  貴方だけが暴いてしまったものは何なのか
  それを知る証人が
  こんなにも冷たい水の中で
  笑っている
  

24回  特選   交野・旭小       3年 鍵野 杏澄  「とうもろこし」
(平13年)      交野・郡津小      6年 上野  彩  「25m
           交野第三中       2年 西岡 彩乃  「我が家への坂道」
          
大阪信愛女学院高    1年 四方 彩瑛  「あのころ」

23回  特選   交野・郡津小      5年 中田 健一  「雲」
(平12年)     寝屋川・宇谷小      5年 茨木明日香  「電気」
          交野・第二中       2年 黒川 智庸  「風」
          交野・第三中       3年 四方 彩瑛  「こわれてしまう」

22回  特選   交野・倉治小      5年 星野 美奈  「いねになってみたら」
(平11年)     交野・交野小      6年 西尾ひかる  「雨の日の夢」
          交野・第三中      2年 四方 彩瑛  「夏がくる」
          大阪府立交野高     3年 大藪 直美  「アナクロニズム」

21回  特選   交野・郡津小      2年 山村 麻友  「耳をすませば」
(平10年)     交野・郡津小      5年 大野圭奈子  「作家になりたい」
          交野・星田小     
6年 伊藤 貴子  「サファリパークの仲間たち」
          
大阪府立交野高     2年 大藪 直美  「幻影伝」
          大阪府立寝屋川高    3年 松田 樹里  「ブラウン管の向こう」

20回  特選   交野・倉治小      4年 吉川 和志  「ぼくの足には神様がいる」
(平 9年)     交野・第四中      3年 松本 梨沙  「時計と一休み」
          大阪府立四條畷高    1年 堀内麻利子  「憂いのGAMER」
          大阪府立四條畷高    1年 佐藤  梓  「しあわせ」

19回  特選   交野・岩船小      4年 松永沙恵子  「ティッシュ」
(平 8年)     大阪国際文化中     2年 今田 暁子  「私は改札機恐怖症」
          大阪信愛女学院高    1年 重田真由子  「橋」

18回  特選   交野・岩船小      1年 松永扶沙子  「あめはいきている」
(平 7年)     交野・私市小      3年 濱嶋ゆかり  「なめくじとり」
          交野・星田小      4年 平井  澪  「目を閉じれば」
          交野・第三中      2年 野口さやか  「写真は語る」
          神戸常磐女子高     1年 税所 知美  「あの日に戻れるなら」

17回  特選   交野・星田小      3年 平井  澪  「おばあちゃんはダイエット中」
(平 6年)     交野・第四中      3年 大野 美樹  「裸のリクエスト」
          大阪府立交野高     1年 小川 美希  「未来」

16回  特選   交野・交野小      2年 山野 真寛  「すずめ」
(平 5年)     交野・妙見坂小     6年 近藤さやか  「一つ目子ぞう」
          交野・第四中      1年 田中 常貴  「カセットテープ」
          大阪府立交野高     1年 石 晴香  「花びら」

15回  特選   交野・長宝寺小     2年 取渕はるな  「ぬかみそ」
(平 4年)     交野・交野小      4年 中野 始恵  「わたしはゲララ」
          大阪信愛女学院高    3年 早川 友恵  「神樹」

       歴代受賞者一覧(1979年第1回〜1991年第14回)
         小・中・高校生の詩賞―― 交   ――

1回  特選    寝屋川・国松緑丘小   1年 うめだまさき 「ありくんごめん」
 昭54年      交野・倉治小      3年 中島 信子  「雨の子ども」
          交野・岩船小      4年 上殿 智子  「色えんぴつ」
          交野・第二中      1年 川野由美子  「もうひとつの世界」

2回  特選   交野・倉治小      1年 くやゆきえ  「とんぼ」
 昭54年      交野・藤が尾小     3年 小嶋 誠司  「とろけちゃったみたい」
          寝屋川・国松緑丘小   6年 入江 亮一  「ぼくと野菜」
          四條畷・四條畷中    3年 間嶋 真紀  「父に」

3回  特選   交野・星田小      1年 いわつきともき「ぼくのふとん」
 昭55      交野・交野小      4年 樋上  学  「トマト」
          交野・第三中      2年 木下 恭美  「一つの戦争」
          大阪府立交野高     3年 村上  潔  「さみしがりやの空」

4回  特選   交野・旭小       3年 ごとうまゆみ 「おなかがチャボチャボ」
 昭56年      交野・旭小       4年 黒田 亜紀  「おふろ」
          交野・郡津小      4年 植木 里枝  「もらった地球」
          交野・郡津小     
5年 美濃 千鶴  「本」
          交野・第一中      2年 古舘佳永子  「球技大会」

5回  特選   寝屋川・国松緑丘小   5年 黒木 尚子  「いつもとちがうしゅんちゃん」
 昭57年      交野・旭小       5年 黒田 亜紀  「雪と悲しみ」
          四條畷・四條畷中    2年 永久 教子  「カレンダー王国の救世主」

6回  特選    交野・私市小      4年 井上 京子  「夕日の下のすすき」
 58      四條畷・四條畷中    2年 山中 奈己  「犬っころ」
          大阪聖母女学院高    1年 奥野 祐子  「核」

7回  特選   交野・第一中      2年 樋上  学  「母」
 59      大阪府立四條畷高    2年 北村喜久恵  「色を干す女」

8回  特選   交野・岩船小      5年 早川 友恵  「まど」
 昭60      交野・星田小      6年 内藤 麻美  「なっとう」
          交野・第三中      2年 橋本 知春  「音の世界」
          大阪府立寝屋川高  
 2年 浜口 慶子  「ラッシュアワー」

9回  特選   枚方・藤坂小      5年 尼   崇  「あめんぼ」
 昭61      交野・倉治小      6年 前田 三穂  「夜景」
          交野・第二中      1年 永田 理子  「くつを下さい―雨からの手紙」

10回  特選   交野・私市小       6年 西澤 智子  「鏡の中の私」
 昭62      交野・妙見坂小     6年 森川 扶美  「るす番」
          大阪府立四條畷高    2年 美濃 千鶴  「蝉」

11回  特選   交野・倉治小      3年 長谷川真弓  「水道」
 昭63       寝屋川小・国松緑丘小  4年 黒木 俊介  「お母さん耳見てなー」
          
交野・第三中      3年 大久保美穂  「自我」
          大阪信愛女学院高    1年 松田  文  「電車様」

12回  特選   交野・交野小      3年 松田 樹里  「妹」
 平 1年       交野・第三中      2年 藤田 亜希  「半人前」
          大阪信愛女学院高    1年 藤井 和美  「忘却」
          大阪府立四條畷高    3年 黒田 亜紀  「ヨウジ」

13回  特選   交野・交野小      4年 深堀 広子  「帰り道」
 平 2年      交野・第三中      3年 渋田 説子  「アスファルト」
          大阪信愛女学院高   
1年 早川 友恵  「ガラスの道」

14回  特選   交野・長宝寺小     1年 取渕はるな  「シャワー」
 平 3年      交野・交野小      5年 岸田 裕美  「私にはまだわからないつらさ」
          交野・第四中      3年 江原 美奈  「グラスのデッサン」