石の森 第 110 号  あとがき  /2002.7

【あとがき】

▼風呂あがりにテレビを見ていたら、サッカーのカメルーンチームがやっと到着 というニュースをやっていた。選手が乗ったバスを迎える村人の群れ。その中に 何人かのおばあさんたちがいた。それぞれ派手なカメルーンの国旗を振りながら 何か歌っている。応援歌かと思っていたら、曲を聞いてひっくり返った。 「勝ってくるぞと勇ましく〜」。おいおい、それは戦時中の軍歌ではないか。 それはスポーツだって戦いには違いないけれど、でもなあ。そう思っているうちに バスは通り過ぎ、おばあさんたちは報道陣に丁寧に挨拶をして、しずしずと帰って行った。
 しかし、時間がたつにつれて思う。二〇〇二年の日本人にとって、 あの映像ほど痛烈な皮肉のこもった戯画はない、と。 国旗を振るということのもうひとつの意味を、あのおばあさんたちはたしかに知っているのだ。 (ち)


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▽詩誌『石の森』は、母体『交野が原』から誕生した女性のグループです。年六回発行しています。 ホームページも開設しています。詩誌ご希望の方は 発行人までご連絡下さい。
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次号の原稿締め切りは七月末です。 期日は厳守してください。



詩 誌 「石の森」第百十号
発行日 二〇〇二年七月一日(隔月刊)
編集人 奥野祐子 美濃千鶴
発行人 金堀則夫
連絡先 kanahori@mve.biglobe.ne.jp
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