石の森 第 119 号  あとがき  /2004.1

【あとがき】

▼川端康成のノーベル賞受賞記念番組(一九六八年)を、NHKが再放送していた。 司会が伊藤整、ゲストが三島由紀夫という豪華な鼎談だった。しかし三十五年後の私 たちは、川端も三島も、数年後には既にこの世の人でないことを知っている。伊藤整 もこの放送の翌年に鬼籍に入った。四年後、この庭に座る人はいない。まだ四十歳過 ぎだった三島由紀夫ですら。そう思って見たせいだろうか、喜びの席のはずなのに、 そこにはかすかに死の匂いが漂っていた。
 三十五年前の人々が知らなかったことを、今、番組を見ている私たちは知っている。 それでは、三十五年後の人々は、二〇〇四年の映像にどんな匂いを見るのだろう。タ ーニングポイントは、通り過ぎた後にしか見えないものなのかもしれない。願わくば それが、希望と喜びに向かう転機であらんことを。(ち)


 表紙  ・ 目次  ・ TOP


▽詩誌『石の森』は、母体『交野が原』から誕生した女性のグループです。 年六回発行しています。 ホームページも開設しています。 詩誌ご希望の方は発行人までご連絡下さい。
▽『石の森』(非売品)をより多くの方に読んでもらいたいと思ってます。 郵送料として切手のカンパをお願いします。
次号の原稿締め切りは一月末です。 期日は厳守してください。



詩 誌 「石の森」第百十九号
発行日 二〇〇四年一月一日(隔月刊)
編集人 奥野祐子 美濃千鶴
発行人 金堀則夫
連絡先 kanahori@mve.biglobe.ne.jp
    (↑@を半角に変えてお送り下さい)
印刷所 (株)アドバンス