黒部川の秘境・下ノ廊下踏破

10月16日〜17日   単独

10月16日

旧日電歩道、米粒のような登山者に比べ岩盤の迫力に圧倒される風景である、ダム建設調査のため大正年間に作られたそうだが人間の力の偉大さに感心する、現代の遺跡である。

7時50分頃、折尾の大滝で休憩の終わった、先行4人パーティーが出発したところ突然猿の群れに襲われ女性一人が谷に転落してしまった、どのあたりまで落ちたのか上からは全く見えない、しかし呼びかけには返事があり意識はあるようだった。ベテランのパーティーらしくザイルを携行しており救助作業が始まった、しかし、見ていても何もできないので言葉に甘えて先に進むことにし、携帯電話のアンテナ表示を見ながら歩き出し、やっと1時間ほどしてアンテナの立つ所に出た、さっそく110番通報、30分ほどして富山県警のヘリが来たが見つからないと再三呼び返しがあるが、電波状態が悪くうまく通じない、次第に電波状態も良くなったが現場に人はいないとのことだった、もう2時間ほど過ぎているので自分達で救助できたのかも知れないと電話を切った。しばらくして黒部警察署から電話が入り、遭難者を発見したが歩いていたためなかなか発見できなかったが、ヘリに収容し黒部市民病院に収容、怪我は腕の骨折の疑いとの事だった。あんな所で転落し生還できたのは奇跡としか思えない、単独でこんな事故にあったらと思うとゾッとすると同時に考えさせられる出来事だった。

今年最後になると思われる山行は、2〜3年計画倒れに終わっていた下ノ廊下に思い切って出かけた、車利用となると入山ルートと下山ルートの関係でどうしてもちゅうちょしてしまっていた、今回ダイヤを詳しく検討したところなんとか2日目北陸線、大糸線経由で信濃大町まで戻ることができそうなので実行となった。  前日昼食を済ませ153号線で飯田に出て松川ICから中央道へ、豊科ICで出て大町、扇沢へと走り18:15駐車場に着いた、夏の最盛期は過ぎ、紅葉も少し早いせいか混雑はないようである。今回もここで車中泊となった。     

阿曽原小屋とテント場、水は豊富であるが草の上に設営となり、雨で少し濡れている、本降りになる前に急いで設営。

名物の天然温泉は、修理中で使えず、仮設の湧かし湯で趣きも無い、300円で2分位汗を流しただけで高価な風呂だった。

犯人

本日の行程  5時間2分    地図上の4時間はとても歩けない。

阿曽原テント場6:15→7:40折尾ノ大滝7:50→9:20志合谷隧道→11:17欅平
欅平11:25→12:43宇奈月13:18→14:55新魚津14:09→14:41糸魚川15:01→16:01南小谷16:14→17:10信濃大町

扇沢18:00→梓川SA(食事)19:25→20:15駒ケ岳SA→20:35松川IC→21:36根羽→23:20自宅   走行距離572.7Km

富山県警ヘリ、谷が深いので下に見える

本日の行程  7時間15分

黒四ダム7:45→8:05ダム下川原→8:55内蔵助沢出合→11:05白竜峡→12:05十字峡→13:40東谷吊橋13:55→14:05仙人ダム→15:00阿曽原小屋

仙人ダムの内部が登山道になっており、中に入ると高熱隧道のようで熱い。

再びダムを通り、本流左岸に渡り、水平道まで高度を稼ぎ、阿曽原小屋を目指す。小屋手前から雨が降り出したが、なんとかペースを上げ雨具を出さず到着できた。

5時半起床、簡単な朝食を済ませ6:50発売の始発トロリーバスの乗車券を買うため並ぶ、7:30の始発に乗りダムサイトへ、今日はダムには出ず、トンネルの中から直接ダムの下に下りる登山道を下る。このあたりの紅葉は色付きだしたところのようだ、この標高でこの状態ならこれから下がって行くので紅葉には早いと思われる。

仙人ダム、エメラルドグリーンの水がきれいだ

5時起床、毎度のコーヒーとパンの朝食を済ませ、草木で濡れるのでズボンだけ雨具を着けて出発する、次第に天候は回復してきて雨の心配は無さそうだ。小屋は川原近くにあるため、水平道に戻るのに30分ほど朝一番の辛い登りから始まった。

10月17日

東谷吊橋で一度本流を渡り仙人ダムへ

黒部第四発電所

十字峡を過ぎ、行程も3分の2近く進み仙人ダムに向う、黒部第4発電所が見え出すと大きな東谷吊橋を渡る、黒四ダムからここまで導水管が引かれ発電している、

黒部川本流に立山の剣沢と後立山連峰からの沢が棒小屋沢に集まり落ち込んで壮大な風景となっている。

秘境 十字峡

転落現場、覗いても見えない

事故発生!

県警等との電話連絡等もあり予定よりだいぶ遅れて欅平に到着、当初予定の便には間に合わなかったが次のトロッコの改札が始まったところだった、特別席に空席があり飛び乗った、宇奈月からの連絡がうまくいかないと今日何処かに一泊することになるためやきもきする。

大糸線は1両のディーゼル車

最終乗換え南小谷駅これより電化

特急「はくたか」車内

魚津で信濃大町に行ける最終普通列車は間に合わなかったが駅員が特急「はくたか」に乗ればまだ間に合うというので、乗ったこともない在来線の特急に飛び乗る、おかげで大糸線に間に合い信濃大町に無事到着した、扇沢までタクシーで車を持ちに行くことを予定していたところ、駅前で扇沢行のバスが出ますよと声がするので、これまた飛び乗り、乗客が自分1人ではないか、運転手に申し訳ない気持ちで1330円の運賃を払い予定通りの日程で車に戻ることが出来た。

白竜峡といわれる川幅が狭まり急流と巨岩の流域となる、岩壁に掘られた登山道も次第に険しくなる。