何時だって本当は傍に居たいなぁ、と思う。 でもそれは何時でも結局上手くは行かなくて、本当に心底じれったい。 そんでもそれなら、そっちはどう思ってんの?と訊きたいのは山々なんだけれど、もし歴然と燦然とあの輝かしいばか りの清々しさで、冷たく突き放されるようなセリフを言われたら、それこそ絶体絶命的に立ち直れない自信があるね。 しっかりと。 そんな訳で、今日も思うのだけは自由だと、じっと手を見る。 隣のハンモックの住人は結構早起きだ。 朝飯の準備の為に俺が起き出す頃には、大抵その場を空けている。 そんでお決まりのコースとしては、船首船尾でトレーニング。終わった頃にさっぱり一風呂浴びて一眠り。 そのまま朝飯を寝過ごして、結局後から俺が作る羽目になる。 初めの頃は、どうしてもう少し皆と時間を合わせられないのかと喧嘩になった。 俺には俺の言い分があったし、あいつにはあいつの言い分があった。 それがどうにも上手くかみ合わなくて、俺はイライラしてたし、多分あいつもイライラしてた。 でもそのうちに段々と相手のペースが分かってきた。重ねてあいつの方からの歩みよりも多少は功を奏して、それほ ど言い争いがなくなった頃、ぽつりとあいつが言ったのだ。 誰かと一緒に食事することがあまり無かったから、良く分からねぇんだ。 何故か俺はその時、ものすごく泣きたくなって困った。同情なんかしたんじゃねぇ。 そうじゃなくて、俺は。 初めて自覚した自分の感情にびっくりして、信じられなくて、でもどうしようもなく押さえきれない愛しさに高ぶった感情 が、出口を求めて涙に変わりそうになったのだ。今ならそう言える。 その時俺がなんと答えたのか、正直覚えていない。多分なんとなく無難な受け答えをしたんだと思う。ゾロが様子がお かしかった覚えがないから、そうなんだろう。 とにかくそれからずっと俺は、思っているのだ。 何時だって傍に居たい。 お前の傍に居たいと思うよ。 お前はどうなのかな? |