病理組織診断

悪性浸潤性病変

1.非特殊型・特殊型浸潤性乳癌

 a. 非特殊型浸潤性乳癌
    Invasive carcinoma of no special type (Ductal-NST)

 特殊型乳癌・稀な乳癌のいずれにも分類されない浸潤性乳癌

乳癌取り扱い規約による
scirrhous carcinoma
solid tubular carcionma
papillotubular carcinoma

が含まれる。

 b. 浸潤性小葉癌 Invasive lobular carcinoma (ILC)
 非浸潤性小葉癌LCISと同様の均一小型の腫瘍細胞からなる浸潤癌

1) 古典型
2) 胞巣型
3) 充実型
4) 管状小葉型
5) 多形性型
6) その他

 c. 管状癌 Tubular carcinoma
 明瞭に開いた管腔を持った単層性腺管が、90%以上の面積を占める高分化な浸潤癌。低核異型度の腫瘍細胞からなり、細胞に富んだ線維性ないし線維弾性間質を示す。

 d. 浸潤性篩状癌 Invasive cribriform carcinoma
 浸潤癌成分が篩状パターンを示す浸潤性乳癌

 e. 髄様癌 Medullary carcinoma
 浸潤性乳癌のうち次の条件を満たすもの、(1)核異型高度の大型多形的な腫瘍細胞からなる合胞体様増殖パターン、(2)間質は乏しく通常豊富なリンパ球・形質細胞を含む、(3)肉眼的にも組織学的にも腫瘍辺縁境界が鮮明

 f. 粘液癌 Mucinous carcinoma
 肉眼的に明らかな粘液生産を示す乳癌で、核異型の軽い腫瘍細胞集塊が細胞外に貯留した多量の粘液中に浮遊する。

 g. 混合型