友 の 部 屋

ごめんなさい!助けてあげれなくて
                           <2008. 1. 27> by Ms. まり

自宅マンション階下の知人宅へ所用があり伺いました。
玄関先に出て来た知人は、白い暖かそうな毛糸の帽子姿でした。
東京に雪の降った寒い日のことです。

用事が済み帰ろうとしたら突然「乳がんで全摘したのよ」と
告白されてしまった。
「抗がん剤やっているから髪の毛ないの、帽子おかしくない?」
と言われ思わず抱きしめてしまいました。

2センチの乳がん、センチネルでは1個微小転移とのこと。

私は2年半経過観察を経て手術を受け術後2年目です。
4年半前いいえ2年前にでも私が乳がん告白をして
健診したことないならと検査を勧めていれば、2センチより小さい段階、又は
センチネルリンパに転移はなかったかもしれなかったと思うと
「乳がんは私だけで良かったのに」と再度抱きしめてしまいました。
今度は聞いた知人の方が驚いていました。

残念ながら昨夏、サマーセーター姿の彼女に会った時胸の豊かさに
全摘の私は内心圧倒されていただけだったのです。

11月発覚12月手術そして今は抗がん剤点滴治療中だそうです。

人のことを言わない代わり、自分のことも人には話さない主義の私ですが
同じマンションに住んで親しくしていた彼女に対して、ごめんなさいと反省しています。


1人が10人の人に自分の乳がん体験を話すとねずみ年らしく
ねずみ算式に広く伝わり、健診を受け随分助かる人もいるのにと思いますが
なかなか自分の病気のことを話せないのが現状です。

今は、どうか彼女が無事抗がん剤治療が済みますようにと願っています。